Last Updated on 2025-05-20 18:20 by admin
Valveが開発中のスタンドアロンXRヘッドセット「Deckard」について、XRハードウェア企業Lynxの創業者Stan Larroqueが同デバイスのデザインを目にしたと明かした。
Larroqueはデザインを「非常に素晴らしい」と評価し、2026年の発売を予測している。これまでの情報によれば、Deckardは2025年末に1,200ドルで発売されるという噂もあったが、最新情報では2026年の量産開始が見込まれている。
Valveは公式発表を行っていないものの、データマイナーによる発見や、プロトタイプデザインのリーク、SteamVRアップデートに隠された3Dモデルなど、様々な情報が出回っている。
References:Industry Insider: Valve’s ‘Deckard’ XR Headset Likely to Release in 2026 | Road to VR
【編集部解説】
Valveの次世代XRヘッドセット「Deckard」に関する新たな情報が明らかになりました。XRハードウェア企業Lynxの創業者Stan Larroqueが、このヘッドセットのデザインを「非常に素晴らしい」と評価し、2026年の発売を予測しています。
注目すべきポイント
サプライチェーンからの情報
Larroqueは自身も同じ業界で活動する立場から、「ValveとLynxは一部のコンポーネントで同じサプライヤーを共有している可能性がある」と述べており、サプライチェーンからの情報漏洩であることを示唆しています。XRヘッドセット製造の世界は非常に狭く、多くの企業が同じサプライヤーを利用しているという現実が浮き彫りになっています。
発売時期と価格の噂
Deckardの発売時期については、以前リーカーの「Gabe Follower」が2025年末に1,200ドルで発売されると主張していましたが、最新情報では2026年の量産開始が見込まれています。この時期は、Meta、Apple、Samsungなど主要テック企業がXR市場に本格参入する時期と重なり、競争が激化する可能性があります。
開発の進捗状況
Valveは公式発表を行っていませんが、2021年1月にデータマイナーによって「Deckard」というコードネームが発見されて以来、様々な情報が出回っています。2022年にはプロトタイプデザインがリークし、昨年末にはSteamVRアップデートに隠された「Roy」というコードネームのVRモーションコントローラーの3Dモデルも発見されました。
製造準備の兆候
技術アナリストのBrad Lynch氏は、ValveがXRヘッドセットのフェイシャルインターフェースを米国内で製造するための機器を輸入し始めたと報告しています。これらの機器は、以前にValve IndexやHP G2 Omniceptのガスケットを製造したTeleray Groupから提供されているとのことです。
XR市場は今後数年でさらに活性化すると予想されます。Metaは2026年に「Pismo Low」と「Pismo High」というコードネームの2つのフラッグシップヘッドセットを発売する計画で、2027年にはApple Vision Proの競合製品となる「Quest Pro 2」の発売も噂されています。また、SamsungのProject Moohanは2025年後半に登場し、GoogleのAndroid XRオペレーティングシステムを搭載する予定です。
Valveが従来通り派手な発表を避け、開発者に静かにハードウェアを提供する方法を取るのか、それともSteamに突然購入リンクが表示されるのか、今後の展開に注目です。
【用語解説】
XR:Extended Reality(拡張現実)の略で、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などを包括する用語。現実世界とデジタル世界を融合させる技術の総称。
NDA:Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)の略。企業間や個人間で機密情報を保護するための法的契約。
スタンドアロンXRヘッドセット:PCやスマートフォンなどの外部デバイスに接続せず、単体で動作可能なXRヘッドセット。
【参考リンク】
Lynx(外部)
フランスのXRハードウェア企業。Lynx R-1混合現実ヘッドセットを開発
Valve(外部)
ゲーム配信プラットフォームSteamを運営し、VR技術も開発する米国のゲーム企業