ロリポップ!AIエージェントクラウドがNanoClaw対応|独立サンドボックスとOneCLIで機密情報を隔離

[更新]2026年7月9日

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AIエージェントに仕事を任せたいけれど、APIキーや社内データまで預けるのは不安。そんな声に、エージェントの設計そのもので応えるのが「セキュリティ特化型」という考え方です。安全性を起点に選ぶAIエージェントとは、どのようなものなのでしょうか。用途で選ぶ時代の、新しい選択肢を読み解きます。


2026年7月8日、GMOペパボは、レンタルサーバー「ロリポップ!」の機能「ロリポップ!AIエージェントクラウド byGMOペパボ」が、AIエージェントフレームワーク「NanoClaw」に対応したと発表した。

NanoClawはセキュリティ特化型のエージェントで、2026年1月の正式版リリース以降、GitHubで約30,000のスターを獲得している。役割ごとに独立したサンドボックス環境で動作させ、OSSの「OneCLI」によってAPIキーなどの機密情報をAIのコンテキストから隔離する仕組みを持つ。月額料金は1,200円(税込)。

既存の汎用型「OpenClaw」、自己成長型「Hermes Agent」と合わせ、用途に応じて3種類から選択できる。7月8日から20日まで、新規契約者を対象に初月500円割引のキャンペーンも実施する。

From: 文献リンクNanoClaw に『ロリポップ!AIエージェントクラウド byGMOペパボ』が対応

【編集部解説】

NanoClawの「セキュリティ特化」とは何か——サンドボックスとOneCLIが防ぐもの

本メディアではこれまでもロリポップ!AIエージェントクラウドを取り上げてきましたが、その際に繰り返し触れてきたのが、自律型AIエージェントの便利さの裏返しにあるリスクでした。権限を与えるほど、誤操作や機密情報の漏洩といった危険も大きくなります。今回追加されたNanoClawは、この課題に「エージェントそのものの設計」で応えようとするフレームワークです。

NanoClawが安全性の柱に据えているのは、2つの仕組みです。1つ目は、役割ごとのエージェントを完全に独立した専用環境、いわゆるサンドボックスで動かす「実行環境の分離」です。NanoClaw公式サイトによれば、各エージェントはDockerコンテナ内で隔離され、明示的に許可した領域以外には触れられない設計になっています。これにより、あるエージェントの操作ミスが別のエージェントのデータを書き換えてしまうといった、エージェント同士の干渉が起こりません。

2つ目は、オープンソースの認証情報ゲートウェイ「OneCLI」による機密情報の隔離です。一般的なAIエージェントは、外部サービスと連携するためにAPIキーなどの機密情報をAIモデルに直接渡す構成をとっており、そこに漏洩リスクが伴います。

OneCLIはこの前提そのものを変えます。エージェントは鍵を保持せず、外部への通信をOneCLIのゲートウェイ経由に限定し、必要な認証情報はリクエストのたびにOneCLI側が注入します。OneCLI公式サイトは、この制御がLLMの外側、ネットワーク層で強制されるものであり、「プロンプトは提案にすぎず、モデルが何を判断してもルールは決定論的に守られる」と説明しています。

つまり、AIが誤って、あるいは巧妙な指示に乗せられて鍵を外部へ送ろうとしても、構造的にそれができない仕組みです。過去記事で「隔離環境と権限設計という仕組みが必要だ」と述べてきた要請に、NanoClawはエージェントの内側から答えていると言えます。

「汎用・自己成長・セキュリティ特化」——用途で選ぶという設計

今回の追加で、ロリポップ!AIエージェントクラウドは3種類のエージェントを揃えたことになります。幅広いタスクに対応し独自のワークフローを組める汎用型のOpenClaw、記憶と実行を重ねて運用を自律的に最適化する自己成長型のHermes Agent、そして機密性を最優先するセキュリティ特化型のNanoClawです。

3つの中で、NanoClawの立ち位置は最も輪郭がはっきりしています。NanoClaw公式サイトは、自らのコードベースが汎用型のOpenClawに比べて大幅に小さく、短時間で全体を把握できる点を強調しており、「理解できる小ささ」と「隔離による安全」を設計哲学に掲げています。

ここから読み取れるのは、機能の多さよりも、挙動を把握でき、そもそもAIに機密情報を触らせずに済むことを重視するユーザーに向けたエージェントだという姿勢です。APIキーやアカウント情報のように秘匿性の高い情報を扱う業務ほど、この設計思想は評価しやすいでしょう。

様々なAIエージェント活用の入り口を広げるGMOペパボ

OpenClaw、Hermes Agent、そしてNanoClaw。性格の異なる3つが、同じ月額1,200円の環境で選べるようになったことは、単なる選択肢の追加にとどまりません。「まず何でも試したい」人には汎用型を、「使うほど育てたい」人には自己成長型を、「まず安全性から入りたい」人にはセキュリティ特化型を、という具合に、AIエージェントに踏み出すための入り口そのものが複数用意されたということです。GMOペパボは、特定の一台を推すのではなく、多様なAIエージェントを試し、それぞれの業務に取り入れていくための入り口を広げています。

【関連記事】

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2種類目の自己成長型Hermes Agentに関する主要アップデートを報じた記事。今回のセキュリティ特化型NanoClawと読み比べると、3エージェントの性格の違いが立体的に見えてくる。

【編集部後記】

AIエージェントに仕事を任せるとき、私たちはどこまでの権限を渡してよいのでしょうか。便利さから入るか、安全性から入るかで、選ぶ最初の一台は変わってきます。自分の業務にとっての「渡してよい範囲」を、一度言葉にしてみたいところです。


【用語解説】

AIエージェント
LLM(大規模言語モデル)を活用し、ユーザーの指示に基づいてファイル操作やWeb検索、外部サービスとの連携などのタスクを自律的に実行するソフトウェア。質問に答えるだけのチャット型AIとは異なり、複数のステップを自ら判断しながら遂行する。

AIエージェントフレームワーク
AIが目的達成のために自律的な判断・行動(プログラミングや外部サービス連携など)を行えるようにするための実行基盤。NanoClaw、OpenClaw、Hermes Agentがこれに該当する。

サンドボックス(コンテナ隔離)
プログラムを外部から切り離した専用環境で動かす仕組み。NanoClawは役割ごとのエージェントをDockerコンテナ内で隔離し、エージェント同士の意図しない干渉を防ぐ。

認証情報ゲートウェイ(クレデンシャル注入)
APIキーなどの機密情報をAI本体に渡さず、外部通信の際にゲートウェイが必要な認証情報を差し込む方式。OneCLIが採用し、AIが鍵そのものに触れられない構造を実現する。

OSS(オープンソースソフトウェア)
ソースコードが無料で公開され、誰でも自由に利用・改良・検証できるソフトウェア。OneCLIもこれに該当する。

【参考リンク】

NanoClaw 公式サイト(外部)
セキュリティ特化型AIエージェントフレームワークの公式サイト。Dockerコンテナによる実行環境の隔離、OneCLI連携による認証情報の保護など、設計思想と技術仕様を掲載。

OneCLI 公式サイト(外部)
AIエージェント向けのオープンソース認証情報ゲートウェイ。エージェントに鍵を渡さず、ネットワーク層でアクセス制御を強制する仕組みを解説。無料枠あり。

ロリポップ!AIエージェントクラウド byGMOペパボ(外部)
本記事の対象サービス。ブラウザ操作だけでAIエージェントを構築・稼働できるマネージドクラウド。月額1,200円(税込、サーバー利用料含む)。

GMOペパボ AIサービス紹介ページ(外部)
GMOペパボのAIエージェント対応サービスの一覧と最新の取り組みをまとめた公式ページ。「AIエージェントと、もっとおもしろくできる。」を掲げる各サービスの入り口。

NanoClaw GitHubリポジトリ(外部)
NanoClawのソースコード。スター数やコード規模など、コミュニティの状況やプロジェクトの実態を確認できる。

【参考記事】

Hermes Agent vs OpenClawどっちを選ぶ?違いを比較!|ロリポップ!公式メディア(外部)
汎用型OpenClawと自己成長型Hermes Agentの機能・設計思想の違いを比較した公式メディア記事。両者の共通点と、自己改善ループという1点の差を整理し、用途別の選び方を示す。

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りょうとく
趣味でデジタルイラスト、Live2Dモデル、3Dモデル、動画編集などの経験があります。最近は文章生成AIからインスピレーションを得るために毎日のようにネタを投げかけたり、画像生成AIをお絵描きに都合よく利用できないかを模索中。AIがどれだけ人の生活を豊かにするかに期待しながら、その未来のために人が守らなけらばならない法律や倫理、AI時代の創作の在り方に注目しています。