ソフトバンクは、独自の生成型AIの開発に向けて、2025年までに1500億円(約9億6000万ドル)を投資し、コンピューティング施設を強化する計画である。この投資により、同社は来年から世界クラスの生成型インテリジェンスモデルの開発を開始する予定である。このプロジェクトには、米国の半導体大手Nvidiaから高度なグラフィック処理ユニットを購入する計画が含まれている。この投資は、2024年と2025年に実施され、昨年のコンピューティングインフラに対する200億円の投資に加えられる。
ソフトバンクは、日本語特化の世界クラスの生成型AIモデルを開発することを目指しており、この最新の投資は日本企業によるものとしては最大規模である。完成すれば、ソフトバンクは国内で最も強力なコンピューティング能力を持つ企業となる可能性がある。日本は、LLMを構築するために必要な高性能スーパーコンピュータを持つ民間企業が不足しているが、ソフトバンクの投資により、国内で強力なプレイヤーが出現する可能性がある。
2024年度には、3900億パラメータを持つ最初のモデルの完成を予定しており、2025年にはさらに高性能な1兆パラメータのモデルの開発を開始する。日本のAI市場は、2030年までに約130億ドルに成長すると予想されている。ソフトバンクはAIへの焦点を移すにつれて株価が上昇しており、年初から約20%上昇している。また、AIブームの中で売上予済みが増加している半導体会社Armの主要オーナーでもある。ソフトバンクは、日本全国にAIデータセンターを構築する計画を進めており、最近では北海道に650億円のセンターを建設するプロジェクトに参加した。
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【参考サイト】
日経Asiaのサイト(外部)
【編集者追記】用語解説
- 生成型AI(Generative AI)
人工知能が新しいコンテンツ(文章、画像、音声など)を生成する技術のこと。 - LLM(Large Language Model)
大規模な言語モデルの略称。ChatGPTなどの対話AIの基盤技術。 - パラメータ
AIモデルの性能を左右する重要な数値。パラメータ数が多いほど高性能になる傾向がある。
【編集者のつぶやき】
さすがソフトバンク!というのが第一印象です。ただ3900億パラメータとかいわれてもピンときませんね^^;
というわけで、他のAIと軽く比較しておきます。
ソフトバンクが2025年までに開発を目指す1兆パラメータの日本語AIモデルは、まさに最大級の規模です。OpenAIの人気モデルGPT-3は1750億パラメータ、Google の大規模モデルPaLMでも5400億パラメータですから、ソフトバンクのモデルはこれらをしのぐ超大型になる予定なのです。
ただし、OpenAIの最新モデルGPT-4のパラメータ数は正式には公表されていません。インターネット上では5,000億から1兆程度との推測がありますが、確かなことは分かりません。また、Googleの新モデル「Gemini」は1.6兆パラメータと報じられており、ソフトバンクをしのぐ可能性もあります。
国内企業では、サイバーエージェントとNECが130億パラメータのモデルを発表していますが、ソフトバンクのモデルはこの30倍以上の大規模さです。総じて3900億から1兆パラメータという規模は、現時点で世界最大級であり、高度な言語処理能力が期待できるレベルだと言えるでしょう。
ただし、生成AIの大規模化は今後も進むと予想されます。パラメータ数はさらに拡大していく可能性が高いので、ソフトバンクのモデルが常に最大級と言えるかは分かりません。いずれにしろ、日本発の超大規模AIモデルの誕生が待ち遠しいですね!
【ニュース解説】
ソフトバンクが、生成型AI(人工知能)の開発に向けて、2025年までに約960万ドル(約1500億円)を投資し、そのコンピューティング施設を強化する計画であることが報じられました。この大規模な投資は、日本語に特化した世界クラスの生成型AIモデルの開発を目指すもので、米国の半導体大手Nvidiaから高性能のグラフィック処理ユニットを購入することが含まれています。この動きは、日本国内で最も強力なコンピューティング能力を持つ企業になることを目指しており、日本のAI技術の発展に大きな影響を与える可能性があります。
この投資により、ソフトバンクは2024年度に3900億パラメータを持つモデルを完成させ、2025年にはさらに高性能な1兆パラメータのモデル開発を開始する予定です。これらのモデルは、言語理解や生成など、より複雑なタスクをこなす能力を持つことが期待されています。日本のAI市場は、2030年までに約130億ドルに成長すると予想されており、ソフトバンクのこの動きは、国内外の競争において重要な役割を果たすことになるでしょう。
このプロジェクトのポジティブな側面としては、日本が生成型AIの分野で世界的な競争力を持つことができるようになる点が挙げられます。また、新たな技術革新が生まれ、経済成長や雇用創出にも寄与する可能性があります。しかし、高度なAI技術の開発は、倫理的な問題やプライバシーの懸念、さらにはセキュリティリスクをもたらす可能性もあり、これらの問題に対処するための規制やガイドラインの整備が求められます。
長期的には、ソフトバンクのこの取り組みが日本のAI技術の発展を加速させ、国際的な技術競争において日本が重要な地位を占めるようになることが期待されます。また、このプロジェクトは、AI技術を活用した新たなビジネスモデルやサービスの創出を促し、経済全体のイノベーションを推進するきっかけとなるでしょう。ただし、これらの技術的進歩を適切に管理し、社会的な課題に対応するための政策や枠組みの構築が、今後の大きな課題となります。
from SoftBank will reportedly invest nearly $1 billion in AI push, tapping Nvidia’s chips.