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Apple Maps Look Around、2025年3月からAI学習用データとしても活用へ – プライバシー保護と機能強化の両立を目指す

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-03-26 15:14 by admin

Appleは2025年3月25日、Apple Mapsの「Look Around」機能用に収集した画像データを、同社のAIモデルのトレーニングに活用すると発表した。この新しい取り組みは2025年3月から開始される。

Apple Mapsの調査車両が撮影する写真や3Dスキャンデータは、これまで地図精度の向上やLook Around機能のために使用されてきたが、今後はImage PlaygroundやClean Upなどの生成AI機能の強化にも活用される。

データ収集は特殊な機器を搭載した車両と、バックパック型の装置を背負った請負業者による歩行者調査の両方で行われている。プライバシー保護のため、収集された画像内の顔やナンバープレートはぼかし処理され、そのぼかされたバージョンのみがAIトレーニングに使用される。

Appleは定期的に同じ場所を再訪してデータを更新しており、今回の取り組みによって、画像生成、不要な背景オブジェクトの削除、キーワード検索の精度向上、メモリームービー作成などの機能が強化されることが期待される。

from:Apple Maps Look Around cars will now also take photos to help train Apple Intelligence models

【編集部解説】

Appleが2025年3月からApple Mapsの「Look Around」機能用に収集した画像データをAIモデルのトレーニングに活用するという今回の発表は、同社のAI戦略における重要な転換点を示しています。

これまでAppleは主に地図の精度向上とLook Around機能のために画像データを収集してきましたが、今後はそれらのデータをApple Intelligenceのような生成AIモデルのトレーニングにも活用していくことになります。

注目すべき点は、Appleがプライバシー保護を強調している点です。収集される画像内の顔やナンバープレートはぼかし処理され、そのぼかされたバージョンのみがAIトレーニングに使用されます。これはAppleの「プライバシー重視」という企業姿勢を反映したアプローチといえるでしょう。

Apple Intelligenceの現在の画像関連機能には、「Clean Up」(写真から不要な背景オブジェクトを削除)、「Image Playground」(キーワードから新しい画像を生成)、「Image Wand」(Apple Pencilのスケッチから画像を作成)などがありますが、Look Aroundの画像データを活用することで、これらの機能の精度と多様性が大幅に向上する可能性があります。

特に注目したいのは、実世界の多様な風景や建物のデータがAIモデルに取り込まれることで、生成AIの「現実世界の理解」が深まる点です。これにより、より自然で文脈に適した画像生成や編集が可能になるでしょう。

長期的には、この取り組みはAppleのAIエコシステム全体の強化につながると予想されます。実世界の豊富なデータを活用することで、Apple Intelligenceはより文脈を理解した応答や、より自然な画像生成が可能になると考えられます。

【用語解説】

Look Around
Appleのマップアプリで提供される360度パノラマビュー機能。Google ストリートビューに相当する。

Apple Intelligence
Appleが開発した、iPhone、iPad、Mac向けの新しいAIシステム。個人のデータを理解し、より関連性の高い情報を提供する。

【参考リンク】

Apple Maps(外部)
Appleが提供する地図サービス。Look Around機能を含む様々な機能を提供している。

Apple(外部)
Apple社の公式サイト。最新の製品情報やサービスの詳細を確認できる。

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りょうとく
主に生成AIやその権利問題について勉強中。
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