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Google Gemini、13歳未満の子ども向けAIチャット機能をFamily Linkで提供開始

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-07 17:13 by admin

Googleは2025年5月5日、13歳未満の子どもたちがGemini AIチャットボットを利用できる新機能を発表した。この機能は同週中に「Family Link」を通じて提供される予定だ。

Family Linkは、Googleが提供する保護者向け管理サービスで、PlayストアやYouTubeなどのGoogle製品へのアクセスを家族で管理・共有することができる。子ども向けGeminiでは、13歳未満のユーザーがウェブまたはGeminiモバイルアプリを通じてAIと対話し、宿題の手伝いや物語作成、年齢に適した質問などができるようになる。

この機能により親は、子どもが初めてGeminiを使用した時に通知を受け取り、使用制限の設定や対話履歴の確認が可能になる。また、Family Linkインターフェースを通じてGeminiへのアクセスを簡単にオフにすることもできる。Googleスポークスパーソンのカール・ライアン氏によれば、子ども向けGemini内のデータはAIトレーニングには使用されないとのことだ。

子ども向けGeminiはAndroidフォンとiPhone、iPadの両方で無料で利用可能となるが、言語や国によって利用可能性は異なる。この展開により、13歳以上のユーザーのみが利用できるOpenAIのChatGPTと比較して、Googleはより幅広いユーザー層にサービスを提供することになる。

References:
Google Lets Kids Under 13 Chat with Gemini: What Will They Ask?

【編集部解説】

Googleが13歳未満の子ども向けにGemini AIを提供する今回の発表は、AIと子どもの関係性における重要な一歩です。この機能は2025年5月第1週にリリース予定で、すでに親向けのメール告知が始まっています。

注目すべきは、GoogleがFamily Linkという既存の保護者向け管理サービスを活用している点です。親は子どものAI利用を監視し、初回使用時の通知受信、使用時間の制限設定、対話履歴の確認、アクセス無効化などが可能になります。

Googleは子どもの安全を考慮し特別なガードレールを設けていますが、同時に「Geminiは間違いを犯す可能性がある」と親に警告しています。また、スポークスパーソンのカール・ライアン氏は、子どものGemini利用データをAIモデルのトレーニングには使用しないと明言しています。

この動きはAI業界において意義深いものです。OpenAIのChatGPTが13歳以上のユーザーのみ対象なのに対し、Googleはより若い世代にリーチすることで、将来のAIユーザー層を早期から獲得しようとしています。

一方で、子ども向けAIの普及には懸念の声もあります。子どもの安全を守る団体「Fairplay」などは、若年層がAIチャットボットと対話することで生じるリスクを指摘しています。

AIは教育ツールとして大きな可能性を秘めていますが、親の監督と適切なガイダンスが不可欠です。今後は、子ども向けAIの規制や業界標準の発展が予想されます。

【編集部追記】

13歳未満の子供でも気軽にGeminiが使えるようになるのは、リスクもありますがメリットも多いのではないかと個人的に感じます!
メリットとして、子供の「なぜ?」「どうして?」にすぐ対応できたり、宿題などの学習支援や創作意欲の向上、早いうちからデジタルリテラシーが身につく…などでしょうか?
デメリットとしては、誤情報を信じてしまったり、不適切コンテンツへの接触などが考えられますね。
早いうちからAIに触れられるのはとてもいいことのように感じますが、それには保護者がしっかり使用状況を把握し、個人情報の取り扱いだったり、ちゃんと見てあげる必要があるのかなと思いました。

【用語解説】

Family Link(ファミリーリンク)
Googleが提供する保護者向け管理サービスで、子どものデバイス利用を監視・制限できるツールです。スマホの利用時間制限、アプリ利用の管理、位置情報の確認などができます。

Gemini(ジェミニ)
Googleが開発した生成AIモデルで、テキスト、画像、音声、動画などを理解・処理できるマルチモーダルAIです。以前は「Bard」と呼ばれていました。

AIチャットボット
自己学習したAIが自然言語で質問に答えるプログラムです。データが蓄積されるほど、より自然な対話ができるようになります。

ペアレンタルコントロール
子どものデジタル機器利用を親が管理・制限する仕組みです。Family Linkはその一種で、子どもの安全なインターネット利用をサポートします。

カール・ライアン(Karl Ryan)
この発表に関するGoogleのスポークスパーソンで、子ども向けGeminiの安全対策やデータ取り扱いについて説明しています。

【参考リンク】

Google ファミリーリンク(外部)
子どものデジタル利用を管理するためのGoogleの公式サイト。設定方法や機能の詳細を確認できます。

Gemini 公式サイト(外部)
Googleの生成AIサービス「Gemini」の公式サイト。無料で利用開始できます。

Google アカウント(外部)
Googleサービス利用に必要なアカウント作成・管理ページ。子ども用アカウント作成にも使用します。

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    アリス
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