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Google I/O 2025でNotebookLMモバイルアプリを正式発表:AIアシスタントの新たな展開

Google NotebookLM、ついにモバイルアプリ化:AI研究アシスタントがポケットに - IO 2025で発表 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-21 10:46 by admin

Googleは2025年5月20日、年次開発者会議「Google I/O 2025」において、AIを活用した研究・執筆支援ツール「NotebookLM」のiOSおよびAndroid向けモバイルアプリを正式に発表した。昨日5月19日にAndroid版が先行リリースされたことに続き、本日のI/Oでは包括的な機能紹介と今後のロードマップが明らかにされた。

Google I/Oという公式の場での発表により、NotebookLMのモバイル展開がGoogleのAI戦略における重要な位置づけであることが明確になった。Google LabsのプロダクトマネージャーであるBiao Wangは基調講演で、「NotebookLMのモバイル化は単なるプラットフォーム拡張ではなく、知識との関わり方を変革するための重要なステップ」と強調した。

アプリは発売直後から高い人気を獲得し、リリースから24時間以内にApple App Storeの「生産性」カテゴリで2位、全体で9位に達した。トラフィック分析会社Similarwebによると、NotebookLMプラットフォームへの月間訪問数は過去6ヶ月で56%増加し、4800万回以上の訪問を記録している。

I/Oでは、昨日の発表では触れられなかった新機能「ビデオオーバービュー」も紹介された。この機能により、ユーザーはPDFや画像などのコンテンツから短いアニメーション付き要約ビデオを生成できるようになる。これは現在のオーディオオーバービュー機能を視覚的に拡張するもので、近日中に英語版で提供開始される予定だ。

アプリは発売直後から高い人気を獲得し、リリースから24時間以内にApple App Storeの「生産性」カテゴリで2位、全体で9位に達した。トラフィック分析会社Similarwebによると、NotebookLMプラットフォームへの月間訪問数は過去6ヶ月で56%増加し、4800万回以上の訪問を記録している。

モバイルアプリの主な機能には以下が含まれる

  • オフライン再生:「オーディオオーバービュー」(アップロードされたドキュメントやメディアに関するAI生成のポッドキャストディスカッション)をダウンロードして、インターネット接続がない場所でも再生可能
  • バックグラウンド再生:他のアプリを使用しながらオーディオコンテンツを聴くことが可能
  • インタラクティブなAIホスト:インターネット接続時には「Join(参加)」ボタンをタップして、AIホストに質問したり会話の流れを変更したりすることが可能
  • 簡単なコンテンツ共有:ウェブサイト、PDF、YouTubeビデオなどをスマートフォンの共有メニューから直接NotebookLMに追加可能

NotebookLMアプリはiOS 17以降を実行するiPhoneとiPad、およびAndroid 10以降を実行するAndroidデバイスで利用可能である。現在のバージョンは最小限の実用製品(MVP)として説明されており、ユーザーのフィードバックに基づいて継続的に改善される予定だ。

また、Googleは近日中に「ビデオオーバービュー」機能を追加する予定で、これによりユーザーはPDFや画像などのコンテンツから短いアニメーション付き要約ビデオを生成できるようになる。

企業向けには「NotebookLM Business」(現在は「NotebookLM Plus」と呼ばれる)が提供されており、拡張された容量、コラボレーションツール、使用分析、オーディオ強化などの機能が含まれている。2026年にはGoogle One AIプレミアムプランにも含まれる予定だ。

NotebookLMはすでに学生、研究者、知識労働者の間で人気を博しており、スタートアップやベンチャーキャピタル部門の一部では元MetaのプロダクトVPで現在Slow Venturesのゼネラルパートナーであるサム・レッシンのように、CRMや内部ウィキの代わりに採用されている例もある。

References:
文献リンクGoogle finally launches NotebookLM mobile app at I/O: hands-on, first impressions

【編集部解説】

Google I/O 2025でのNotebookLMモバイルアプリの正式発表は、昨日のAndroid版先行リリースの情報をさらに深化させる重要な発表となりました。昨日の記事では触れられなかった詳細な機能や将来の展望が明らかになり、GoogleがこのツールをAI戦略の中核に位置づけていることが明確になりました。

特に注目すべきは、I/Oの基調講演で発表された「ビデオオーバービュー」機能です。これまでのオーディオオーバービュー(音声要約)機能を視覚的に拡張するもので、PDFや画像などから短いアニメーション付き要約ビデオを生成できるようになります。これにより、複雑な情報の理解がさらに促進されることが期待されます。

また、I/Oでは初期の利用データも公開されました。リリースから24時間以内にApp Storeの「生産性」カテゴリで2位、全体で9位に達したという実績は、このツールへの高い期待と需要を示しています。Similarwebのデータによると、NotebookLMプラットフォームへの月間訪問数は過去6ヶ月で56%増加し、4800万回以上に達しているとのことです。

昨日の記事で触れたオフライン再生やバックグラウンド再生機能に加え、I/Oではインタラクティブな「Join(参加)」ボタンの機能がより詳細に紹介されました。これにより、ユーザーはオーディオオーバービューの再生中にAIホストに質問したり、会話の流れを変更したりすることができます。この機能は、移動中でも深い理解を得るための重要なツールとなるでしょう。

企業向けの「NotebookLM Plus」(旧NotebookLM Business)についても、I/Oでより詳細な情報が公開されました。拡張された容量、コラボレーションツール、使用分析などの機能に加え、2026年にはGoogle One AIプレミアムプランにも含まれる予定であることが明らかになりました。これは、Googleが個人ユーザーだけでなく、企業ユーザーも重要なターゲットとして位置づけていることを示しています。

ハンズオンレビューからは、初期バージョンならではの課題も見えてきます。URLの追加に関する不安定さやノートブックの読み込み遅延など、ユーザー体験を損なう可能性のある問題が報告されています。これらは今後のアップデートで改善されることが期待されますが、初期採用者は一定の忍耐が必要かもしれません。

プライバシー面では、I/Oでの発表でより明確になりましたが、GoogleはNotebookLMで個人データをAIモデルのトレーニングに使用しないと明言しています。特に企業や教育機関のWorkspaceアカウントでは、データ処理がWorkspaceまたはEducationの利用規約に準拠しており、コンプライアンス基準が強化されています。これは規制の厳しい業界や機密データを扱う組織にとって重要なポイントです。

興味深いのは、I/Oでの発表に合わせて、すでに一部のスタートアップやベンチャーキャピタル部門が、従来のCRMや内部ウィキの代わりにNotebookLMを採用している事例が紹介されたことです。元MetaのプロダクトVPで現在Slow Venturesのゼネラルパートナーであるサム・レッシンは、CRMの代わりにNotebookLMを使用していると述べています。これは、NotebookLMが単なる個人の生産性ツールを超えて、組織の知識管理インフラとしての可能性を示しています。

昨日の記事で触れたように、NotebookLMは2023年に「Project Tailwind」として実験的にスタートしたプロジェクトでしたが、I/Oでの発表を通じて、このツールがGoogleのAI戦略における重要な位置づけであることが明確になりました。特に、RAG(検索拡張生成)モデルを活用した知識ベースの構築機能は、企業内の膨大なドキュメント、プレゼン資料、会議録などを一元管理し、必要な情報に瞬時にアクセスできるようにする点で革新的です。

日本企業においても、言語の壁を超えた知識共有や、部門間のサイロ化を解消するツールとして活用できる可能性があります。特に、日本特有の「暗黙知」を「形式知」に変換し、組織全体で共有するプロセスを加速する可能性を秘めています。

Google I/O 2025でのNotebookLMモバイルアプリの正式発表は、単なる機能追加の発表ではなく、情報との関わり方を根本から変える可能性を秘めた重要な一歩と言えるでしょう。今後の進化に注目です。

【用語解説】

NotebookLM
Googleが開発したAI搭載の研究・執筆支援ツール。PDFやウェブページ、YouTubeなどの情報源を取り込み、要約や質問応答、ポッドキャスト形式の音声コンテンツ生成などができる。

RAG(検索拡張生成)
Retrieval-Augmented Generationの略。AIが回答を生成する際に、特定の情報源(ドキュメントなど)から関連情報を検索・参照することで、より正確で根拠のある回答を生成する技術。NotebookLMの核となる技術。

オーディオオーバービュー
NotebookLMが生成するAIホストによるポッドキャスト形式の音声コンテンツ。アップロードした資料の内容をAIが会話形式で解説する。

ビデオオーバービュー
近日中に追加される予定の機能。PDFや画像などから短いアニメーション付き要約ビデオを生成する。

Google I/O
Googleが毎年開催する開発者向けの年次カンファレンス。「Input/Output」の略。新製品や新機能の発表の場として知られている。

Gemini
Googleの最新AI言語モデル。NotebookLMはGemini 1.5 Pro、最新バージョンではFlash 2.0でアップグレードされている。

MVP(Minimum Viable Product)
最小限の実用製品。製品開発において、最低限の機能を備えた初期バージョンのこと。ユーザーフィードバックを早期に得て改善を進めるために提供される。

【参考リンク】

NotebookLM公式サイト(外部)
GoogleのAI搭載研究アシスタント「NotebookLM」の公式サイト。アカウント登録やサービス利用が可能。

Google NotebookLM Enterprise(外部)
企業向けの高度なコンプライアンスと管理機能を備えたNotebookLM Enterpriseの詳細情報。

Google Blog – NotebookLM日本語対応の発表(外部)
NotebookLMの日本語対応開始を発表したGoogleの公式ブログ記事。

AI Smiley – NotebookLM解説記事(外部)
NotebookLMの使い方や料金、活用事例を詳しく解説した日本語の記事。

【参考動画】

【編集部後記】

みなさんは、移動時間をどのように活用していますか?NotebookLMのモバイル化は、通勤電車の中や待ち時間を知識獲得の場に変える可能性を秘めています。例えば、興味のある論文やレポートをアップロードして、AIがポッドキャスト形式で解説してくれる機能を試してみてはいかがでしょうか。また、ビジネスシーンでは、チームの知識共有ツールとしての活用も考えられます。NotebookLMをどのように活用したいですか?ぜひSNSでご意見をお聞かせください。

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TaTsu
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