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Windows 11/10の4月アップデートで謎の「inetpub」フォルダが出現 – Microsoftが「削除しないで」と勧告

Windows 11/10の4月アップデートで謎の「inetpub」フォルダが出現 - Microsoftが「削除しないで」と勧告 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-04-12 11:39 by admin

Windows 11および10のユーザーは、Microsoft社が2025年4月に配信したアップデートをインストールした後、Cドライブのルートディレクトリに謎の「inetpub」フォルダが出現していることを報告している。この現象はセキュリティ情報サイトBleeping Computerが最初に報告した。

問題のフォルダは通常、Microsoft社のウェブサーバーソフトウェアであるInternet Information Services(IIS)がインストールされている場合にのみ作成されるものだが、今回はIISをインストールしていないシステムにも表示されている。具体的には、Windows 11のKB5055523アップデートまたはWindows 10のKB5055518アップデートを適用したシステムで確認されている。

この予期せぬフォルダは空であり、SYSTEMアカウントによって所有されている。これは昇格された権限を持つプロセスによって作成されたことを意味する。

Microsoft社はこの動作が意図的なものであることを認めているが、その理由については十分な説明を行っていない。同社はBleeping Computerに対して、このフォルダは削除すべきではないと伝えている。

一部のユーザーはフォルダを削除しても問題は発生していないと報告しているが、Microsoft社の公式見解としては現状のままにしておくことが推奨されている。なお、このフォルダの出現に伴ってWindowsパソコンに新たなソフトウェアがインストールされたわけではなく、システムの安定性やパフォーマンスに影響を与えることはないとされている。

from:Windows 11 and 10 users find new inetpub folder after April update

【編集部解説】

2025年4月のWindows更新プログラムが、多くのユーザーに思わぬ「お土産」を残しました。Cドライブのルートに突如として現れた「inetpub」という謎のフォルダに、世界中のWindows 11および10ユーザーが戸惑いを隠せない状況となっています。

最初に注目すべきは、この現象がMicrosoftによる意図的な変更だという点です。Bleeping Computerの報告によれば、Microsoftはこのフォルダの出現が意図的なものであることを認めていますが、その詳細な理由については明らかにしていません。

技術的な観点から見ると非常に興味深い現象です。通常、inetpubフォルダはInternet Information Services(IIS)というMicrosoftのウェブサーバーソフトウェアがインストールされている場合にのみ作成されるものです。このフォルダは、ウェブサイトのコンテンツやログファイル、設定ファイルなどを保存するために使用されます。

しかし今回は、IISをインストールしていないユーザーのシステムにもこのフォルダが出現しています。しかも、フォルダは空っぽで、実質的な機能を持っていないように見えます。

また、このフォルダがSYSTEMアカウントによって所有されている点も重要です。これは、高い権限を持つプロセスによって作成されたことを意味し、通常のユーザーアプリケーションではなく、Windowsシステム自体によって管理されていることを示しています。

セキュリティ専門家の間では、このフォルダが何らかのセキュリティ対策の一環として作成された可能性が指摘されています。特に、シンボリックリンクを悪用した攻撃を防ぐための対策ではないかという推測があります。しかし、これはあくまで推測であり、Microsoftからの公式な説明はまだありません。

一部のユーザーがこのフォルダを削除しても問題が発生していないと報告していますが、Microsoftは明確に「削除しないでください」と警告しています。これは、フォルダ自体が何らかの重要な役割を担っている可能性を示唆しています。

このケースは、現代のソフトウェア開発とセキュリティ対策の複雑さを示す好例です。一見すると不可解な変更も、背後には重要なセキュリティ上の理由が隠されていることがあります。

テクノロジーの進化に伴い、このような「見えないセキュリティ」の重要性はますます高まっています。ユーザーには見えない部分で、システムを守るための様々な対策が日々実施されているのです。

今回の事例からは、システム管理者やIT担当者にとって重要な教訓も得られます。見慣れない変更を発見した際は、すぐに削除や変更を行うのではなく、まずはその目的や背景を調査することが大切です。特にセキュリティに関わる変更は、一見不要に見えても重要な役割を担っていることがあります。

【用語解説】

Internet Information Services (IIS):
Microsoftが開発したWebサーバーソフトウェア。Windowsサーバー上でWebサイトやWebアプリケーションを動作させるためのプラットフォームである。一般的なユーザーは使用しないが、Web開発者やシステム管理者にとっては重要なツールである。

Webサーバー:
インターネットを通じてWebページや画像、動画などのコンテンツを提供するための4ソフトウェア。ユーザーがブラウザでURLにアクセスすると、Webサーバーがリクエストを受け取り、適切なコンテンツを返す仕組みである。

SYSTEM アカウント:
Windowsにおける最高権限を持つシステムアカウント。通常のユーザーではなく、Windowsシステム自体が使用する特別なアカウントである。

シンボリックリンク:
ファイルやフォルダへの「ショートカット」のようなもの。ただし、Windowsの通常のショートカットよりも低レベルでOSに統合されており、セキュリティ上の問題を引き起こす可能性がある。

特権昇格(権限昇格):
通常は制限された権限しか持たないユーザーやプログラムが、何らかの方法でより高い権限を取得すること。悪意のある攻撃者がこれを悪用すると、システム全体を制御できるようになる可能性がある。

【参考リンク】

Microsoft公式サイト(外部)Windowsの開発元であるMicrosoft社の公式ウェブサイト。製品情報やサポート情報を提供している。

Internet Information Services (IIS) 公式サイト(外部)
MicrosoftのWebサーバーソフトウェアIISの公式サイト。機能や使い方、最新情報などを提供している。

Bleeping Computer(外部)
テクノロジーニュースとセキュリティ情報を提供する専門サイト。今回のinetpubフォルダ問題を最初に報じたメディア。

Windows Latest(外部)
Windowsに関する最新ニュースや情報を提供するニュースサイト。Windows関連の問題や更新情報を詳しく解説。

【参考動画】

【編集部後記】

読者のみなさん、普段何気なく使っているパソコンの中で、こんな「謎」が起きているなんて、驚きませんか? テクノロジーの進化は日々私たちの生活に影響を与えています。今回のinetpubフォルダの件で、自分のパソコンを確認してみた方はいらっしゃいますか? セキュリティ対策の裏側を知ることで、デジタル社会をより安全に楽しめるかもしれません。みなさんは普段、パソコンやスマホのアップデートをどのように管理していますか? ぜひ、SNS欄で教えてください。一緒に学び、考えていけたら嬉しいです。

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TaTsu
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