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NVIDIA、時価総額3.75兆ドルで世界首位に|ロボティクスは「AIに次ぐ最大の成長機会」

NVIDIA、時価総額3.75兆ドルで世界首位に|ロボティクスは「AIに次ぐ最大の成長機会」 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-06-27 07:05 by admin

NVIDIAのジェンセン・フアンCEOは2025年6月25日の年次株主総会で、人工知能に次ぐ最大の成長機会はロボティクスであると発言した。

同社は1年余り前に自動車部門とロボティクス部門を統合し、2025年5月に発表した四半期売上高は5億6,700万ドルで全体の約1%を占める。この部門は前年同期比72%の成長を記録した。

NVIDIAの総売上高は2023年度の約270億ドルから2024年度は1,305億ドルに急増し、アナリストは2025年度に約2,000億ドルを予想している。株価は6月25日に史上最高値を更新し、時価総額は約3兆7,500億ドルに達してマイクロソフトを上回り世界最大の企業となった。

フアンCEOは自動運転車向けのDriveプラットフォームとヒューマノイドロボット向けのCosmosというAIモデルを強調した。メルセデス・ベンツがDriveプラットフォームを使用している。同社は「数十億台のロボット、数億台の自動運転車、数十万のロボット工場」の実現を目指すと述べた。

From: 文献リンクNvidia CEO says robotics is chipmaker’s biggest opportunity after AI

【編集部解説】

NVIDIAがロボティクスを「AIに次ぐ最大の成長機会」と位置づけた今回の発表は、単なる新事業領域への参入表明を超えた、産業構造の根本的変革を予告するものです。同社は既にJetson Thorと呼ばれるヒューマノイドロボット向けコンピューターを2025年前半にリリース予定で、「物理AI」分野での覇権確立を狙っています。

特に注目すべきは、NVIDIAが「チップ会社」から「AIインフラプロバイダー」への転換を明確に宣言した点です。これは単にハードウェアを販売するのではなく、ソフトウェア、クラウドサービス、ネットワーキングチップまで含む包括的なエコシステムを提供する戦略転換を意味します。

技術的な側面では、同社が最近リリースしたCosmosというAIモデルが重要な役割を果たします。これはヒューマノイドロボット向けに開発された基盤モデルで、従来のテキスト生成AIとは異なり、物理世界での行動を学習する「物理AI」の実現を目指している点が革新的です。

産業への影響範囲は極めて広範囲に及びます。メルセデス・ベンツとの提携では、NVIDIA DRIVEプラットフォームが自動運転機能を提供しています。製造業では、労働力不足の解決と生産性向上を目的とした産業用ロボットの導入が加速するでしょう。

ポジティブな側面として、危険作業の代替、24時間稼働による生産効率向上、高齢化社会における介護支援などが期待されます。一方で、大規模な雇用代替、技術格差の拡大、プライバシーやセキュリティリスクといった課題も浮上します。

規制面では、ロボットの安全基準、AI倫理ガイドライン、労働法制の見直しが急務となるでしょう。各国政府は産業AI分野での主導権争いを見据えた政策立案を進めており、技術覇権をめぐる競争が激化しています。

長期的視点では、NVIDIAが描く「数十億台のロボット、数億台の自動運転車、数十万のロボット工場」という未来像は、人間と機械の協働関係を根本から変える可能性があります。これは単なる技術革新ではなく、社会システム全体の再構築を伴う変革となるでしょう。

【用語解説】

物理AI(Physical AI)
現実世界で物理的に動作するロボットや自動運転車などに搭載されるAI技術。従来のテキストや画像を扱うAIとは異なり、実際の物理環境での動作や操作を学習・実行する。

GPU(Graphics Processing Unit)
グラフィックス処理装置。元々は画像処理用だが、並列処理能力の高さからAI計算にも広く使用される。

ヒューマノイドロボット
人間の形状や動作を模倣して設計された二足歩行ロボット。人間と同じ環境で作業することを目的とする。

AIインフラプロバイダー
AIシステムの構築・運用に必要なハードウェア、ソフトウェア、サービスを包括的に提供する企業。

【参考リンク】

NVIDIA公式サイト(外部)
NVIDIAの製品情報、技術解説、最新ニュースを提供する公式サイト

NVIDIA DRIVE(外部)
自動運転車向けのDRIVEプラットフォームの公式ページ

NVIDIA Developer(外部)
NVIDIA製品の開発者向け情報サイト、技術文書やSDKを提供

【参考記事】

NVIDIA Launches Cosmos World Foundation Model Platform(外部)
物理AI開発を加速するCosmosプラットフォームの公式発表

NVIDIA Sets the Stage for a Robotic Revolution(外部)
2025年前半のJetson Thor発売予定と物理AI市場への戦略分析

What Is Nvidia Cosmos? | Built In(外部)
Cosmosプラットフォームの技術仕様と機能を詳細解説

【編集部後記】

NVIDIAがロボティクスを次の主戦場に選んだこの発表を見て、皆さんはどのような未来を想像されますか?私たちの身の回りにロボットが当たり前に存在する時代が、思っているより早く到来するかもしれません。特に日本は製造業とロボティクスの先進国として、この変化をどう捉え、どう活用していくべきでしょうか。皆さんの職場や日常生活で、どんなロボットがあれば便利だと感じますか?ぜひSNSで、皆さんの考える「ロボットと共生する未来」について聞かせてください。一緒にこの技術革命の意味を考えていきましょう。

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TaTsu
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