AmpereとQualcomm、AIサーバー開発で手を組む:次世代チップで効率化を実現

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-05-18 08:26 by admin

AmpereQualcommは、ArmベースのAIサーバーを共同で提供するために提携した。この提携により、Ampereは高速かつ省電力なサーバーチップに焦点を当て、効率的なAI推論を実現するサーバーレベルのソリューションを提供する。Ampereの年次ロードマップには、新しい256コアのAmpereOneチップが含まれており、今年後半にリリースされる予定である。

AmpereはNETINTとも提携し、AmpereのCPUとNETINTのビデオ処理チップを組み合わせた共同ソリューションを開発している。この新しいサーバーは、360のライブビデオチャンネルを同時にトランスコードし、40のストリームにOpenAIのWhisper音声認識モデルを使用して字幕を付ける能力を持つ。

Ampereのチップは、従来のCPUを超えるパフォーマンスと、消費電力およびランニングコストの低減を実現している。また、AI推論においてはNvidiaのA10 GPUとのパフォーマンス比較も行っている。

AmpereはAIブームを背景に成長を遂げており、新しいチップの開発に取り組んでいる。CEOのRenee Jamesは、効率的なコンピューティングの先駆者として、効率的なコンピューティングの枠組みを提供していると述べている。

【編集者追記】用語解説

  • Ampere:Ampereは、Armベースのサーバー向けプロセッサを開発するファブレスの半導体企業です。低消費電力で高性能なクラウドネイティブプロセッサを提供し、データセンターの効率化を目指しています。
  • Qualcomm:Qualcommは無線通信分野で知られる大手半導体企業です。スマートフォンなどのモバイル向けSoCが主力製品ですが、最近ではArmベースのサーバープロセッサ事業にも参入しています。
  • Arm:Armは低消費電力を特徴とするRISCプロセッサアーキテクチャです。スマートフォンやIoT機器で広く採用されており、近年ではサーバー分野への適用も進んでいます。
  • NETINT:NETINTはビデオ処理に特化したASICチップ(VPU)を開発するベンダーです。独自のArmベースASICを搭載したトランスコーディング製品を提供し、動画エンコーディングの高速化と省電力化を実現しています。

【参考リンク】(外部)
Ampere Computingオフィシャルサイト
Qualcommオフィシャルサイト

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【ニュース解説】

AmpereとQualcommが提携してArmベースのAIサーバーを共同で開発するというニュースは、テクノロジー業界における大きな動きの一つです。この提携は、それぞれがデータセンターサーバー用のArmベースのチップを提供している二つの企業間で行われました。特に注目すべきは、このAIサーバーがAmpereのCPUとQualcommのCloud AI100 Ultra AI推論チップを組み合わせて使用することで、AIモデルの推論実行に特化している点です。

この提携により、Ampereはその高速かつ省電力を重視したサーバーチップの技術を活かし、AI推論の効率化を図ります。また、QualcommのAI推論チップの統合により、より大規模なAIモデルのスケールアウトが可能になります。これは、AI技術の進化に伴い、より複雑で大容量のデータを処理する必要がある現代において、非常に重要な進歩です。

Ampereの年次ロードマップの一環として発表された新しい256コアのAmpereOneチップは、最新の3nmプロセスを使用しており、12チャンネルのDDR5 RAMを特徴としています。これにより、データセンターの顧客は、ユーザーのメモリアクセスをニーズに応じてより良く調整できるようになります。この新世代のチップは、パフォーマンスだけでなく、電力消費と運用コストの削減にも焦点を当てています。

また、AmpereはNETINTとの提携も発表しており、AmpereのCPUとNETINTのビデオ処理チップを組み合わせた共同ソリューションを開発しています。この新しいサーバーは、360のライブビデオチャンネルを同時にトランスコードし、40のストリームに字幕を付ける能力を持ちます。これは、メディア処理とAI技術の組み合わせによるもう一つの革新的な進歩を示しています。

この提携と新技術の開発は、AI技術の進化と普及に伴い、データセンターの効率性とパフォーマンスを向上させることを目指しています。しかし、これらの進歩は、データセンターの運用コストやエネルギー消費の削減、さらには環境への影響を考慮する必要があるため、持続可能性の観点からも重要です。また、AI技術の発展は、プライバシーやセキュリティに関する新たな課題を提起する可能性があり、これらの問題に対処するための規制やガイドラインの整備が求められます。

長期的には、このような提携と技術革新がAI技術のさらなる発展を促し、ビジネスや社会におけるAIの応用範囲を広げることが期待されます。しかし、その過程で、技術的、倫理的、環境的な課題に対する継続的な注意と対応が必要となるでしょう。

from Ampere teams up with Qualcomm to launch an Arm-based AI server.

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