言語学習アプリDuolingoの株価が2025年1月16日、前日比7%上昇し取引を終えた。
主な要因は以下の通り
- マンダリン(中国語)学習者が前年同期比で216%増加
- 中国発のソーシャルメディアアプリ「RedNote(小紅書/Xiaohongshu)」の米国での急成長
背景
- 米最高裁がTikTok規制法案を支持する見通し
- TikTokの米国でのサービス停止が2025年1月21日(日)に予定
- RedNoteのアプリダウンロード数が1週間で20倍に増加
- AppleのApp Storeで無料アプリ1位を獲得
Duolingoの言語学習者数(2025年1月時点)
- スペイン語:4,880万人(前年比40%増)
- フランス語:2,730万人(2位)
- 中国語:1,070万人(8位)
- 提供言語数:42言語
株価推移:
- 2024年の上昇率:43%(NASDAQ平均の29%を上回る)
from:Duolingo shares climb 7% as users swarm to app to learn Mandarin
【編集部解説】
社会現象から見える新たなテクノロジー受容の形
TikTok禁止という政治的な決定が、思わぬ形でテクノロジーの普及と文化交流を促進する結果となっています。
特筆すべきは、規制に対する若者たちの創造的な対応です。TikTokの代替として中国のRedNote(小紅書)を選択し、言語の壁を乗り越えようとする姿勢は、デジタルネイティブ世代の柔軟性を示しています。
テクノロジーがもたらす予期せぬ文化交流
RedNoteの急成長は、単なるSNSの乗り換えを超えた現象となっています。中国語学習アプリDuolingoでのマンダリン学習者が216%増加したことは、デジタルプラットフォームを通じた自発的な異文化理解の促進を示唆しています。
プラットフォームの進化と新たな可能性
RedNoteは、TikTokとは異なるビジネスモデルを持っています。eコマースと社会的つながりを重視したプラットフォーム設計は、次世代のソーシャルメディアの方向性を示唆しているかもしれません。
今後の展望と課題
このような予期せぬ文化交流の活性化は、テクノロジー規制のあり方に新たな視点を投げかけています。ただし、プライバシーやデータセキュリティの課題は依然として存在します。
特に注目すべきは、若者たちが規制を回避するのではなく、新たなプラットフォームでの可能性を模索している点です。これは、テクノロジーを通じた国際交流の新しいモデルとなる可能性を秘めています。
テクノロジー企業の対応
Duolingoの迅速な市場対応は、テクノロジー企業が社会変化にいかに柔軟に適応できるかを示す好例となっています。教育テクノロジーと社会メディアの融合という新たな可能性も見えてきました。
このような予期せぬ展開は、テクノロジーが持つ本質的な力、すなわち人々をつなぎ、理解を深める力を改めて示しているといえるでしょう。