Last Updated on 2025-05-02 09:09 by admin
マイクロソフトは2025年5月中旬から、Windows PCの起動後10分ほどで「Microsoft Word」をバックグラウンドで自動的にプリロードする新機能「Startup Boost」の提供を開始する。展開は段階的に進み、5月末までに全世界で完了予定だ。
この機能は、Wordの一部をメモリ上に事前読み込みし、ユーザーが実際にアプリを起動する際の待ち時間を短縮することを目的としている。プリロードされたWordは「一時停止」状態で待機し、ユーザーが起動したときにすぐ利用できるようになる。
Startup Boostは、8GB以上のRAMと5GB以上の空きディスク容量を持つPCでのみ有効となる。また、Energy Saver(省電力)モードが有効な場合や、最近Wordを起動していない場合は自動的に無効化される。プリロード処理はPCログイン直後ではなく、PCが安定したアイドル状態になってから約10分後に実行される。
ユーザーや管理者は、Wordの設定またはグループポリシーからこの機能を無効化でき、その設定は今後のアップデートでも保持される。
今回の機能はまずWordに限定して提供され、他のOfficeアプリへの展開時期は未定である。
from:Microsoft to preload Word minutes after boot
【編集部解説】
「Startup Boost」は、Microsoft Edgeでの先行導入実績をもとに、Wordにも展開されることになった。ユーザーがアプリを使いたいタイミングで待たされるストレスを減らし、「体感速度」の向上を目指している。
技術的には、Windowsのタスクスケジューラを活用し、PC起動後10分間システムのアイドル状態を見極めてからWordをバックグラウンドで読み込む。これにより、PC起動直後の負荷増大を避けつつ、ユーザーが実際にWordを使うタイミングには準備が整っている状態を実現する。
この機能は、十分なスペック(8GB以上のRAM、5GB以上の空きディスク)があるPCでのみ有効となり、リソース消費やバッテリーへの影響にも配慮されている。省電力モード時や、Wordをあまり使わないユーザーには自動で無効化される点も特徴だ。
今後は他のOfficeアプリへの展開も期待されるが、まずはWord限定での導入となる。ユーザーや管理者が自由にオン・オフを選べる柔軟性も用意されており、企業利用や個人利用どちらにも配慮した設計となっている。
このような「先回り型」のユーザー体験向上策は、今後のソフトウェア開発においても重要なトレンドとなるだろう。
【用語解説】
Microsoft(マイクロソフト)
アメリカ・ワシントン州の大手ソフトウェア企業。WindowsやOfficeで有名。
Microsoft Word(ワード)
文書作成ソフト。Microsoft OfficeやMicrosoft 365の一部。
Startup Boost(スタートアップブースト)
アプリの起動を高速化するため、PC起動後にアプリの一部をバックグラウンドで事前読み込みする機能。
タスクスケジューラ
Windowsの自動実行管理機能。Startup Boostの実行管理にも使われる。
RAM(メモリ)
PCが作業中に一時的にデータを保存する場所。8GB以上がStartup Boostの動作条件。
Energy Saver(省電力モード)
PCの消費電力を抑える機能。このモードが有効な場合はStartup Boostは動作しない。
【参考リンク】
Microsoft公式サイト(外部)
WindowsやOfficeなど、マイクロソフトの全製品・サービス情報を掲載。
Microsoft 365公式サイト(外部)
WordやExcelなどのOfficeアプリとクラウドサービスの紹介ページ。
【参考動画】
みなさんは普段、WordやOfficeアプリの起動時間が気になることはありませんか?
この記事を読んで「Wordが早く起動するのは便利だけど、Windows自体が重くなったりしないの?」と感じませんか?
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