Solos AirGo A6|カメラなしスマートグラスとPrivacy Kitで示す2つの答え

[更新]2026年7月8日

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カメラ付きのメガネを装着した人とすれ違うとき、レンズが今どちらを向いているかを、周囲はどう確認すればいいのでしょうか。ある企業が示した答えは、ソフトウェアではなく1枚のプラスチックでした。その選択の中身と、実際どこまで実用的なのかを見ていきます。


Solosは、カメラを搭載しないスマートグラス「AirGo A6」と、既存モデル「AirGo V2」向けの物理カメラカバー「Privacy Kit」を発表した。AirGo A6はカメラを持たない代わりに、内蔵マイクとスピーカーによる音声アシスタントや翻訳、通知、ハンズフリー操作といったAI機能を提供する軽量モデルだ。

AirGo V2は世界展開されており、価格は299ドルから、1600万画素カメラで2K動画撮影が可能なほか、モジュール式フレーム、最大12時間のバッテリー駆動を備える。Privacy Kitはソフトウェアのインジケーターや録画ランプではなく、カメラレンズを物理的に覆うことで、周囲にカメラが機能していないことを明示するアクセサリーである。

From: 文献リンクSolos’ latest AI glasses are getting a literal privacy mode

【編集部解説】

Solosは、既存のカメラ搭載モデルAirGo V2に加えて、カメラを搭載しない新モデルAirGo A6と、AirGo V2向けのPrivacy Kitを発表しました。今回の発表は、香港で開催された「AI Smartglasses Symposium 2026」で行われたと報じられています。

まず「できること・できないこと」を整理します。AirGo A6はカメラを一切搭載しない代わりに、内蔵マイクとスピーカーによる音声アシスタント、ハンズフリーでのSolosChat操作、ウェイクワードでの起動、自動電源管理、ボイスメモ、リアルタイム翻訳、メッセージング、カレンダー、リマインダー、オープンイヤー音声通話・音楽再生に対応するとされています。フレーム単体の重量は約19グラムとされ、度付きレンズにも対応します。画像・映像の取得機能は一切なく、物体認識や写真・動画撮影といった視覚系AI機能は使えません。

一方AirGo V2は、1600万画素カメラによる2K動画撮影(電子式手ブレ補正付き)、モジュール式フレーム「SmartHinge」、最大12時間のバッテリー駆動を備え、SolosChatによる音声操作にも対応します。今回、世界展開が正式に発表されました。

Privacy Kitは、AirGo V2のカメラ機能を物理的に無効化するアクセサリーです。カメラの電子部品を持たない透明な交換用テンプル「ClearView Temple」と、レンズを覆うクリップ式のプライバシーシールドで構成されます。シールドは見た目を覆うだけでなく、装着中はカメラの動作自体を止める仕組みです。ソフトウェアの録画インジケーターだけに頼る他社製品との違いは、周囲の人が「カメラが物理的に機能していない」ことを一目で確認できる点にあります。

価格・発売時期については、AirGo V2が299ドルから、すでに世界各地で購入可能です。Privacy KitはClearView Temple単体が39ドル、シールドを含むフルセットが79ドルとされています。AirGo A6については、発売時期・価格とも現時点で未発表です。V2専用の充電ケース(USB-C対応)も予告されていると報じられていますが、2026年8月予定というアナウンスのみで、価格は未定です。

購入検討の観点で整理すると、人前でカメラを持ち歩きたくない、軽量な音声AIグラスが欲しいという人にはAirGo A6が候補になりますが、価格・発売日が未定である以上、現時点で具体的な購入判断はできません。写真・動画も撮りたいが状況に応じてカメラを無効化したいという人には、AirGo V2とPrivacy Kitの組み合わせが選択肢になりますが、本体299ドルに加えてKitの79ドルが上乗せされる点は考慮が必要です。

なお、Privacy Kitについて海外メディアの一部は、自社のカメラ搭載製品が招く懸念を、追加購入前提のアクセサリーで解決しようとする手法に懐疑的な見方を示しています。プラスチック製の着脱パーツである以上、シールドの装着を利用者が徹底するかどうかは運用に委ねられる点も、実質的な効果を評価するうえでは留意が必要です。

【関連記事】

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【編集部後記】

プライバシーへの配慮を製品に組み込むか、購入後のアクセサリーに委ねるか。この設計判断の違いが、スマートグラス市場の支持を分ける分岐点になるかもしれません。私たちも、カメラを持ち歩く側と持ち歩かれる側、両方の立場から製品を見ていく必要がありそうです。


【用語解説】

EIS(電子式手ブレ補正)
カメラが動いている間もブレの少ない映像を記録するための処理技術。AirGo V2の16MPカメラに搭載されている。

ウェイクワード
音声で機器を起動するための合言葉。AirGo A6・V2に搭載される起動方式。

ClearView Temple
Privacy Kitに含まれる透明な交換用テンプル。内部に電子部品を持たない構造を外から確認できるようにした部材。

【参考リンク】

Solos公式サイト(外部)
Solos Technology Limitedの製品トップページ。AirGoシリーズ全体のラインナップと購入導線を掲載。

AirGo V2 Collection(公式製品ページ)(外部)
AirGo V2のカラー・フレームバリエーションと購入ページ。価格・仕様の一次確認に使用。

SmartHinge™(公式技術ページ)(外部)
AirGoシリーズ共通のモジュール式フレーム機構を解説する公式ページ。

SolosChat™(公式技術ページ)(外部)
AirGo A6・V2に搭載される音声AIプラットフォームの公式解説ページ。

【参考記事】

Solos’ new smart glasses come with a literal plastic shield to block the camera|Android Central(外部)
発表イベント名、AirGo A6の詳細スペック、Privacy Kit価格などを報じた記事。編集部解説の主要な補完情報源。

Smart Glasses Now Have ‘Privacy Kits’ to Protect You From Getting Punched in the Face|Gizmodo(外部)
Privacy Kitの構成と価格を独立して報じており、Android Centralの数値を裏付けた記事。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。