Meta社、教育機関向けVR/MRプラットフォーム「Meta for Education」正式リリース
Meta社は2025年2月26日、教育機関向けVR/MRプラットフォーム「Meta for Education」の正式版をリリースした。2024年11月から約3ヶ月間ベータ版として運用され、米国と英国の十数の大学が参加していた。
Meta for Educationは、Quest 3およびQuest 3Sヘッドセットを使用し、教育に特化したアプリや機能へのアクセス、複数デバイスの一括管理を可能にする。価格は以下の通りだ:
Quest 3: 630ドル
Quest 3S: 128GBモデル400ドル、256GBモデル500ドル
これらの価格には2年間のMeta Horizon管理サービスが含まれる。その後は月額24ドル/台だが、100ドル/台の追加料金で「ライフタイム」アクセスを購入できる。
Meta社の発表によると、すでにVR/MRを導入している43校で以下の効果が報告されている:
87%の学生が授業への没頭度と興味の向上を報告
85%の教師が教育向上の貴重なツールだと評価
学生の多肢選択式評価で15%の成績向上
Meta for Educationは、科学、歴史、言語芸術を含む幅広い科目をカバーしており、13歳以上の学生を対象とした教育機関で利用可能となっている。
from Meta For Education Is Now Available, Bringing Quest To Schools & Universities
【編集部解説】
Meta for Educationプログラムの正式リリースは、教育分野におけるVR/MR技術の活用に大きな一歩を記しました。このプログラムは、教育機関がQuest 3やQuest 3Sなどのヘッドセットを用いて、より没入感のある学習体験を提供することを可能にします。
Meta社は、このプログラムを通じて、教育者が複数のデバイスを一括管理し、教育に特化したアプリケーションやコンテンツにアクセスできるようにしています。これにより、従来の教室の枠を超えた、より柔軟で効果的な学習環境の構築が期待されます。
特筆すべきは、このプログラムが単なるハードウェアの提供にとどまらず、教育機関と密接に連携しながら開発されている点です。ベータ版の段階から複数の大学が参加し、フィードバックを提供することで、実際の教育現場のニーズに即したソリューションの開発が進められています。
さらに、U.S. PIRG Education Fundの報告書が指摘するように、コンテンツの適切性や安全性の確保も重要な課題です。特に13歳以上の子供向けアカウントの導入に関しては、慎重な検討と継続的なモニタリングが必要となります。
Meta for Educationプログラムは、教育のデジタル化とイノベーションを加速させる可能性を秘めています。しかし、その実現には技術の進歩だけでなく、教育方法論の適応、教育者のトレーニング、そして適切な規制やガイドラインの整備が不可欠です。
【用語解説】
VR (Virtual Reality): 仮想現実。コンピューターが作り出した3D空間を体験できる技術です。
MR (Mixed Reality): 複合現実。現実世界にデジタル情報を重ね合わせる技術で、VRとARの中間的な存在です。
メタバース: 仮想空間上に構築された3D空間で、ユーザーが自由に交流できる仮想世界のことです。
【参考リンク】
Meta公式サイト(外部)Metaが提供するVRヘッドセットやスマートグラスの製品情報、購入ページ
Meta for Education(外部)Meta社の教育向けVR/MRプログラムの詳細情報と導入事例
Meta Quest 3S製品ページ(外部)Meta Quest 3Sの詳細スペックや購入情報を提供