長征10Bが世界初のネット回収達成、中国が軌道級ブースター回収で2カ国目に

[更新]2026年7月12日

Googleで優先するソースとして追加するボタン

ロケットが、空母の艦載機のように「引っ掛けられて」止まりました。7月10日、南シナ海。中国の長征10Bが投げ落とした第1段は、着陸脚を一本も持たないまま海上の船へ降り、機体の底から突き出した4本のフックで、井桁に張られた索網に受け止められています。着陸脚を捨てる。その重さを、船のほうに肩代わりさせる。SpaceXともBlue Originとも違う、三本目の道でした。

ただ、この記事を書きながら気づいたことがあります。世界の宇宙輸送は、もう「回収できるかどうか」を競う段階を抜けていました。Blue Originは今年4月、回収したブースターを本当にもう一度飛ばしています。にもかかわらず、その同じ飛行で顧客の衛星を失い、翌月には機体を爆発で失った。捕まえられる。もう一度飛ばせる。それでもまだ、越えられていない壁がある。

そして翌朝、秋田の空を7メートルほどの実験機が11メートル飛びました。この二つの出来事は、無関係ではありません。


2026年7月10日12時15分、中国航天科技集団(CASC)は海南商業宇宙発射場から長征10Bを打ち上げ、初飛行でペイロードを所定軌道に投入した。第1段は1段・2段分離の約6分後に垂直帰還し、洋上プラットフォーム「領航者」が展開した井字形の索網に、機体底部の4本のフックを引っ掛けて捕獲された。

領航者は中国運載火箭技術研究院(CALT)が主導開発し2025年11月に引き渡したもので、全長144メートル、幅50メートル、満載排水量25,000トン、DP2級の動力位置保持能力を持つ。長征10Bはロケット全長約63メートル、直径5メートル、離昇質量約760トン、離昇推力約890トン、再使用構成での低軌道打ち上げ能力は16トン。第1段は7基のYF-100K、第2段はメタン/液体酸素エンジンを用いる。CASCは回収した第1段を年内に再使用する意向を示した。衛星の名称、目的、軌道は公表されていない。

From: 文献リンクUpdate: China achieves first-ever controlled rocket recovery in Long March-10B maiden flight

【参考動画】

【編集部解説】

7月10日、南シナ海で起きたこと

2026年7月10日12時15分、長征10Bが海南商業宇宙発射場から離昇しました。1段・2段分離の約6分後、第1段は垂直に帰還し、洋上プラットフォーム「領航者」が展開した井字形(「井」の字の形)の柔軟な索網に、機体底部の4本のフックを引っ掛けて捕獲されました。

領航者は全長144メートル、幅50メートル、満載排水量25,000トン、DP2級の動力位置保持能力を持ちます。新華社によれば、四隅のLiDARがロケットの位置と姿勢を自動追尾し、専用ケーブルが運動エネルギーと位置エネルギーを吸収する。この工程は完全に自動化され、無人で完結します

CASCの陳牧野(チェン・ムーイエ)氏は新華社に対し、ネット方式が機体構造を簡素化し、重量を削減し、輸送能力を押し上げると説明しました。着地点の偏差への適応力が強く、索網の協調動作によって捕捉可能範囲を実質的に拡大できるとも述べています。

なお、報道では「63メートル」という数字が独り歩きしていますが、これはロケット全体の全長であり、回収された第1段の長さではありません。第1段単体の寸法は公表されていない点に注意が必要です。

設計思想の分岐——「機体で立つ」か「海上で受け止める」か

Falcon 9もNew Glennも、着陸脚と緩衝機構を機体側に搭載します。この装備は着地直前の数秒しか働かないにもかかわらず、離昇から全行程を運ばれます。

長征10Bは、この負担を海上プラットフォームへ移しました。「機体を賢くする」アメリカ流に対し、「海上を賢くする」という解法です。ただしFalcon 9のドローン船も自動位置保持を行っており、これは完全な二分法ではありません。程度の差、と言うのが正確でしょう。

しかし2026年、本当の論点はもう「回収」ではありません

Blue Originはすでに再使用を達成しています。2026年4月19日のNG-3で、2025年11月に回収した第1段「Never Tell Me the Odds」を再飛行させ、ドローン船「Jacklyn」に再び着船させました。回収から再飛行まで約5か月。SpaceXが初回収から初再飛行まで約15か月を要したことを考えれば、驚異的な速さです。

この5か月という数字は、突然出てきたものではありません。Blue Originはサブオービタル機New Shepardで、2015年11月の垂直着陸からわずか2か月後の2016年1月に、同一ブースターの再飛行を果たしています。10年分の蓄積が、軌道級での5か月を支えたと見るべきでしょう。

したがって、CASCが年内の再使用を達成しても、それは「Blue Originと同水準」であって、世界最速ではありません。この点は正確に押さえておく必要があります。

では、2026年7月の本当の壁はどこにあるのか

答えは「信頼性」です。

Blue Originは第1段の再使用に成功したその同じ飛行で、上段が推力不足を起こしました。搭載していたAST SpaceMobileの通信衛星BlueBird 7は予定より低い軌道に投入され、自力で軌道を維持できず、廃棄処分となっています。FAAはこれをミッシャップと分類し、調査を命じました。

さらに2026年5月28日、New Glennはケープカナベラルの第36発射施設での静的燃焼試験中に重大な異常を起こし、機体を失いました。Blue Originは年内の飛行再開を目標に、発射台を旧来と同じ形では再建せず、水平/垂直ハイブリッドの運用構想へ切り替えると表明しています。

回収できる。再使用もできる。だが、確実に飛ばし続けられるか——2026年の宇宙輸送は、この問いの前に立っています。CASCが証明したのは「捕まえられる」ことまで。年内の再飛行が実現しても、次に問われるのは整備コストと、飛ばし続ける信頼性です。

中国が昨年、2連敗していたという事実

「初飛行で一発成功」を正しく評価するには、直前の文脈が要ります。2025年12月3日、LandSpaceの朱雀3号(Zhuque-3)は軌道投入に成功しながら、降下中の異常燃焼で回収に失敗。同月23日には長征12Aも第1段回収に失敗しました。中国は2連敗のあと、3度目で決めた——この順序を落とすと、記事は礼賛か、あるいは不当な疑いに傾きます。

成功が偶然でなかった理由も明確です。2026年2月11日、長征10系列の低高度実証飛行(夢舟有人宇宙船の最大動圧脱出試験を兼ねる)で、第1段は制御された着水を果たしました。このとき領航者は安全距離を保って待機し、全システムの予行演習を完了していたのです。実際の索網との接触と衝撃吸収を除く主要工程は、すでに検証済みでした。

なお、長征10Bの第1段は長征10Aの第1段と完全に同一です。今回の飛行は、有人月面着陸を担う10Aの第1段データを同時に取得する「一飛双験」でもありました。

衛星コンステレーションという需要

国網(Guowang)は約13,000機、千帆(Qianfan)は15,000機超を計画しますが、2026年半ばの実績は合わせて400機程度にとどまります。ITUの枠組みでは、規制期間の節目までに計画数の一定割合を配備できない場合、登録可能な衛星総数が実配備数に応じて縮減され得ます。これが中国を急がせる外的圧力です。

中国の打ち上げ回数は2025年に92回。SpaceNewsは業界目標として2026年に最大140回という数字を報じています。使い捨てのままでこの規模を捌くのは容易ではなく、再使用の必要性は確実に高まっている——ただし増産や複数射場化という代替路もあり、「唯一の解」とまでは言えません。

リスクと死角

公開情報で確認できる回収船は、現時点で領航者1隻のみです。回収能力が単一の船舶に依存する構図は、複数のドローン船を運用するSpaceXとは対照的で、脆弱性を抱えています。

透明性の面でも留意点が残ります。今回搭載された衛星の名称・目的・軌道パラメータは公表されていません。ロケット技術の軍民両用性を考えれば、この不透明さが国際的な議論を呼ぶ可能性はあります。

そして、日本の話をします

長征10Bが南シナ海で第1段を受け止めた翌日、2026年7月11日、JAXAは秋田県能代市の能代ロケット実験場で、再使用型ロケット実験機「RV-X」の初の飛行試験を実施しました。速報値は飛行時間約40秒、最高到達高度約11メートル、水平移動約16メートル。液体酸素・液体水素エンジン1基と着陸脚4基を備えた全高約7.3メートルの機体が、垂直に上がり、水平に動き、垂直に降りました。

この数字だけを見て「たった11メートル」と感じた方は、少なくないでしょう。私も最初はそう思いました。

ただ、これは失敗でも未熟でもありません。JAXAが約4か月半前に公開していた計画書には、高度約10メートル、水平移動約15メートル、約40秒と明記されています。設計どおりに飛び、設計どおりに降りた。では、なぜそう設計したのか——その答えは、長征10Bの物語とはまったく別の論理の上にあります。この点はRV-Xを主役にした別稿で改めて掘り下げます。

ここでは一つだけ書いておきます。軌道級ブースターの回収機と、地上11メートルの技術実証機を、同じ物差しで並べるのは公平ではありません。速度域も、推進剤も、開発段階も、そもそもの目的も違います。

それでも動かない事実が一つあります。日本の基幹ロケットH3は、いまも使い捨て型です。その後継機の再使用化は、いま高度11メートルの検証段階にある。取得データはCNES(フランス)・DLR(ドイツ)と共同開発する実験機「CALLISTO」に活かされる計画ですが、その初飛行時期については、JAXA公式資料とCNESの調達資料で情報が食い違っています。

長期的に何が起きるか

新華社によれば、中国工程院の龍楽豪(ロン・ローハオ)氏は、長征10A・10B・10Cの3機種が中国の宇宙輸送システムの背骨を形成すると述べました。その先には、2030年までの有人月面着陸が置かれています。

アジアにおける軌道輸送の相場を、これから誰が決めるのか。それはまだ確定していません。SpaceX、Blue Origin、CASC——いずれも「回収」の先で、それぞれ異なる壁にぶつかっています。日本の衛星事業者やスタートアップが数年後に打ち上げ手段を選ぶとき、その選択肢と価格は、今まさに書き換えられている最中です

未来を「知りたい、触りたい、関わりたい」と願う読者にとって、これは他国の祝祭ではなく、私たち自身の選択肢に直結する話なのです。

【関連記事】

長征12B デビュー|SpaceSail構築へ、中国の再使用ロケットが事前公表少なく初飛行
本記事の直接の前編。着陸脚を備えながら回収を試みなかった中国の段階的アプローチを解説する。

爆発の先にあるもの:LandSpace ZhuQue-3と再使用ロケット競争の現在地
中国が喫した2連敗の1敗目を詳報。今回の「3度目で決めた」という文脈の起点となる記事。

ニューグレン×ESCAPADE|ブルーオリジンの再利用型ロケット、火星科学ミッション革新
Blue Originが2025年11月に第1段の着船に成功した回。「回収から5か月で再飛行」の起点となる。

【編集部後記】

この記事は、書き上げてから一度、全部書き直しました。その理由を正直に書いておきたいと思います。

最初に書いた原稿で、私は得意げにこう論じていました。「回収と再使用の間には深い谷がある。SpaceXは15か月かかった。中国は年内に越えられるのか」と。構図としては、なかなか綺麗だったと思います。

ところが裏取りを進めると、足元が崩れました。Blue Originは2026年4月19日、回収済みのブースターをすでに再飛行させ、もう一度着船させていたのです。回収から約5か月。私が「深い谷」と呼んでいたものは、半年近く前に越えられていました。

見ていたのが去年の地図だった、ということです。宇宙開発の速度に、自分の認識が追いついていなかった。これは書き手として、素直に反省すべき失敗でした。

では、いまの壁はどこにあるのか。書き直しながら、ようやくそれが見えてきました。

Blue Originは、第1段の再使用に成功したまさにその飛行で、上段が推力不足を起こし、顧客の衛星を軌道に届けられませんでした。衛星は廃棄されました。そして1か月あまり後、地上での燃焼試験中に機体そのものを失っています。

捕まえられる。もう一度飛ばせる。それでも「安く、確実に、飛ばし続けられる」かどうかは、まったく別の問題だった。 これが2026年7月の、たぶん一番正確な現在地です。中国が今回証明したのは「捕まえられる」ところまでで、その先の道のりは、まだ誰にとっても平坦ではありません。

もうひとつ、告白があります。

原稿の日本パートで、私は当初こう書いていました。「63メートルと7.3メートル。この差が、日本の遅れを証明している」と。数字の落差は劇的ですし、書いていて筆も乗りました。

でも、これも間違いです。軌道級ブースターの回収機と、地上11メートルの技術実証機は、そもそも別の目的で作られた別の乗り物です。 速度域も、推進剤も、開発段階も違う。並べて嘲笑するのは、事実に対しても、能代で作業をしていた人たちに対しても、フェアではありませんでした。

物語を成立させたい気持ちは、事実の解像度を下げます。刺激的な対比ほど、疑ってかかったほうがいい。今回はそれを二度、身をもって学びました。

秋田の11メートルが何を検証していたのか。なぜあの高さでよかったのか。それは、この記事とはまったく別の論理の上にあります。次回、じっくり書きます。

読み終えたみなさんに、ひとつだけ聞いてみたいことがあります。

あの1本を、あなたはどう見ましたか。 中国の躍進として見たか、宇宙輸送の日常化の一歩として見たか、それとも日本の宿題として見たか。どれも間違いではないと思います。私自身、まだ答えを一つに絞りきれていません。

ロケットの話は遠いようでいて、数年後に私たちが衛星データをいくらで、どこから買えるのかという、ごく生活に近い話につながっています。だからこそ、みなさんの視点を聞かせてもらえたら嬉しいです。


【用語解説】

領航者(Linghangzhe/领航者)
今回の回収船の名称。中国運載火箭技術研究院(CALT)が主導開発し、2025年11月に引き渡された、世界初のロケット網系回収専用海上プラットフォーム。全長144メートル、幅50メートル、満載排水量25,000トン、DP2級の動力位置保持能力を持つ。英語報道では「Navigator」「Pathfinder」「Pilot」と訳が割れているが、原語は一つである。

井字形ネット捕獲方式
着陸脚の代わりに、機体底部の4本のフックと、プラットフォーム上に「井」の字形に張られた柔軟な索網で受け止める回収方式。空母に着艦する戦闘機がテールフックでアレスティングワイヤーを引っ掛けるのと発想が近い。着陸装置の質量を機体から海上側へ移すことが狙いである。

軌道級ブースター(orbital-class booster)
軌道投入ミッションに用いられる大型ロケットの第1段。第1段そのものは通常軌道には入らず、上段と組み合わせて軌道投入を可能にする。回収の難易度が高いのは、高度・速度・エネルギーが弾道飛行の試験機とは桁違いだからである。

離昇推力・離昇質量
離昇推力は、ロケットが地面を離れる瞬間にエンジンが生み出す力。離昇質量は燃料を含む機体全体の重さ。ロケットが上昇を始めるには、上向きの推力が機体に働く重力、すなわち重量を上回る必要がある。長征10Bは約890トン重の推力で約760トンの機体を持ち上げた。

着陸脚(ランディングレッグ)
Falcon 9やNew Glennが採用する、機体下部から展開する脚。着地の数秒間しか使わないにもかかわらず離昇から全行程を運ばれるため、その重量分だけ輸送能力の配分を圧迫する。

DP2級動力位置保持
複数の推進器とセンサーで波と海流に抗い、船体をほぼ静止させる制御方式。領航者は波高4メートルの条件下でも高い位置精度を保てるとされる。回収の成否は、船が「そこに居続けられるか」に懸かっている。

LiDAR(ライダー)
レーザー光を照射し、反射が戻る時間から対象までの距離や形状を測る技術。自動運転車でも使われる。新華社によれば、領航者は四隅にLiDARを備え、降下してくるロケットの位置と姿勢をリアルタイムで追尾する。

YF-100K
長征10Bの第1段に7基搭載されたエンジン。ケロシン(灯油系燃料)と液体酸素を燃やす方式である。ケロシン燃焼は一般に煤を伴いやすく、メタン系エンジンに比べて再整備の負荷が大きくなる傾向があるとされる。

静的燃焼試験(スタティックファイア)
機体を地上に固定したままエンジンに点火し、飛ばさずに性能を検証する試験。Blue Originは2026年5月28日、この試験中にNew Glennを失った。

低軌道(LEO)/ペイロード能力
低軌道は概ね高度2,000km以下の領域で、衛星インターネットの主戦場である。ペイロード能力とは、その軌道へ運べる貨物の重さ。長征10Bは再使用構成で16トンとされる。

夢舟(Mengzhou)
中国が開発中の次世代有人宇宙船。将来的に神舟を引き継ぐ位置づけで、長征10Aで打ち上げられる。2026年2月には、この宇宙船の最大動圧脱出試験が実施された。

国網(Guowang)/千帆(Qianfan)
中国が構築中の2大低軌道衛星インターネット網。国網は約13,000機、千帆は15,000機超を計画するが、2026年半ばの実績は合わせて400機程度にとどまる。Starlinkに対抗する国家戦略プロジェクトである。

ITU(国際電気通信連合)と配備節目
国連の専門機関で、衛星の周波数と軌道の権利を国際調整する。決議35は、規制期間後の一定時点で計画数の10%・50%・100%という配備節目を設定しており、未達の場合、原則として登録可能な衛星総数がその時点の実配備数に応じて縮減され得る。周波数の権利が一律に失われる制度ではないが、大規模計画を抱える事業者には強い圧力となる。

朱雀3号(Zhuque-3)/長征12A
いずれも中国の再使用型ロケット。2025年12月3日、民間企業LandSpaceの朱雀3号は軌道投入に成功したが降下中の異常燃焼で回収に失敗。同月23日、長征12Aも第1段回収に失敗した。今回の成功は、この2連敗の直後に訪れている。

New Shepard(ニューシェパード)
Blue Originが運用する再使用型サブオービタル機。2015年11月に垂直着陸、その約2か月後の2016年1月に同一ブースターの再飛行を実現した。軌道級での約5か月という再飛行記録は、この10年の蓄積の上にある。

RV-X
JAXAと三菱重工業が共同研究する再使用型ロケット小型実験機。全高約7.3メートル、直径約1.8メートル。液体酸素・液体水素エンジン1基と着陸脚4基を備える。2026年7月11日、秋田県の能代ロケット実験場で初飛行試験を実施し、飛行時間約40秒、最高高度約11メートル、水平移動約16メートルを記録した。

CALLISTO(カリスト)
JAXA・CNES(フランス)・DLR(ドイツ)が共同開発する1段再使用飛行実験機。RV-Xで得たデータが活かされる。初飛行時期については、JAXA公式資料とCNESの調達資料で情報が食い違っている。

デュアルユース(軍民両用)
民生と軍事の双方に転用しうる技術のこと。ロケットと弾道ミサイルは技術的に地続きであり、今回搭載衛星の名称・目的・軌道が非公表であることが、この観点から議論を呼ぶ余地を残している。

【参考リンク】

中国航天科技集団(CASC)英語公式サイト(外部)
長征シリーズを開発・運用する中国最大の国有宇宙企業。今回の打ち上げと第1段回収の発表主体である。

中国運載火箭技術研究院(CALT)公式サイト(外部)
CASC傘下の運搬ロケット開発機関。長征10Bを設計し、回収船「領航者」の開発を主導した。1957年設立。

新華社(Xinhua)英語版(外部)
中国国営通信社の英語版。CASC・CALT技術者の実名コメントを収めた詳細記事を配信している。

SpaceNews(外部)
米国の宇宙産業専門メディア。国営メディアが触れない技術的細部や延期の経緯まで踏み込んで報じる。

SpaceX 公式サイト(外部)
2015年12月に世界初の軌道級ブースター回収に成功。初再飛行は2017年3月で、約15か月を要した。

Blue Origin 公式サイト(外部)
2025年11月に第1段の着船、2026年4月に再飛行を達成。現在は静的燃焼試験事故からの復旧を進めている。

JAXA 研究開発部門|基幹ロケットの再使用化による打ち上げコストの低減(外部)
再使用型実験機RV-Xの研究目的と経緯を、JAXA自身が解説する公式ページである。

ITU(国際電気通信連合)公式サイト(外部)
衛星の周波数・軌道を国際調整する国連機関。配備節目という形でコンステレーション計画に圧力をかける。

【参考記事】

新华鲜报丨长征十号乙首飞成功 我国运载火箭首次实现可控回收(外部)
回収船の正式名称「领航者」号と、ロケット全長63mが機体全体の値であることを確認できる一次情報。

China becomes second country to recover orbital booster with Long March 10B(外部)
打ち上げ11分後に回収成功を確認。衛星の名称・目的・軌道が非公表である点、年内の再使用意向を報じる。

Blue Origin reuses huge New Glenn rocket for 1st time, lands booster at sea(外部)
2026年4月19日、Blue Originが回収済み第1段の再飛行と再着船に成功。回収から約5か月での達成だった。

FAA grounds Blue Origin New Glenn rocket(外部)
NG-3で上段が推力不足となり衛星BlueBird 7を喪失。再使用成功とミッション成功が別物であることを示す。

New Glenn Return to Flight(Blue Origin 公式)(外部)
2026年5月28日の静的燃焼試験事故の詳細と復旧計画。年内の飛行再開に向けた運用構想の転換を表明する。

Long March 12A reaches orbit in first reusable launch attempt, but landing fails(外部)
2025年12月、長征12Aと朱雀3号が相次いで第1段回収に失敗した経緯を伝える。今回の前史にあたる。

JAXA|小型実験機(RV-X)飛行試験の準備状況(PDF)(外部)
高度約10メートル、水平移動約15メートル、約40秒という計画値を事前に明記していたJAXAの一次資料。

Googleで優先するソースとして追加するボタン
投稿者アバター
山本 達也
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。