Google Images 25周年、検索が「探す」から「創る」へ─Nano Banana 2 LiteがAI Overviewsに統合

[更新]2026年7月16日

Googleで優先するソースとして追加するボタン

25年前、ジェニファー・ロペスの緑のドレスの画像を探す人が殺到したことから、Google Imagesは生まれました。当時の課題は「その画像がどこにあるか」でした。今回の刷新が示すのは、探しても見つからない画像を、その場で生成してしまうという発想の転換です。検索が「在るものを探す」道具でなくなるとき、何が変わるのでしょうか。


Googleが2026年7月14日、Google Imagesの25周年に合わせてビジュアル検索の刷新を発表しました。

Google Imagesは2001年に登場したサービスです。今回の刷新では、ホームページが再設計され、ユーザーの興味やコレクションに応じてリアルタイムで更新される、パーソナライズされたギャラリーが表示されます。コレクションに画像を追加すると、ギャラリー上部にタブとして表示されます。この新しいホームページは、今後数週間のうちに、米国の英語環境のデスクトップユーザーへ順次展開され、利用にはGoogleアカウントへのサインインが必要となります。あわせてGoogleは、AI OverviewsにAI画像生成を搭載します。GoogleのNano Bananaモデルを用い、テキストのプロンプトからオリジナル画像を生成できます。この機能は、AI Modeがすでに対応している地域から、英語で段階的に展開されます。

From: Google gets its biggest visual search update in years — here’s what’s changed

【編集部解説】

2000年のグラミー賞で、ジェニファー・ロペスが身にまとった緑のヴェルサーチのドレスに、世界中の視線が集まりました。あまりに多くの人がこのドレスの画像を探したことから、Googleは翌2001年7月、専用の画像検索ツールが必要だと気づいてGoogle Imagesを立ち上げます。それから四半世紀。「読む」だけでは足りない、「見たい」という人間の根源的な欲求から始まったこのサービスが、今回の刷新で、検索そのものの意味を静かに書き換えようとしています

今回発表された変更は、大きく二つの層に分かれます。

一つは、ホームページの再設計です。これまでのGoogle Imagesは、真っ白な背景に検索窓がぽつんと置かれた、あの見慣れた画面でした。それが、ログイン状態のデスクトップで、あなたの興味に合わせてリアルタイム更新される画像の海へと変わります。複数の海外メディアがこの新デザインを「ピンタレスト風」と評しているのは的確で、「探す」ツールから「眺めて発見する」プラットフォームへの転換を意味します。

ここで見逃せないのは、Googleが「検索窓に言葉を入力する前」の時間を取りに来たという点です。私たちは長らく、頭の中にある問いを言葉に変換してから検索してきました。しかし新しいホームは、問いが言語化される前の「なんとなく見たい」という段階に介入します。編集部としては、これは検索行動の重心が「意図」から「発見」へと移る兆候だと解釈しています。

もう一つの層が、AI画像生成の統合です。AI Overviews(AIによる検索結果の要約)の中に、テキストから画像を生成する機能が組み込まれます。ここで正確を期すと、この機能を支えるのは、元記事が単に「Nano Banana」と呼ぶモデルの最新版、正式には「Nano Banana 2 Lite」です。Google公式ブログはこのモデル名を明記しています。ウェブ上に「存在しない画像」を、その場で生み出せるようになるわけです。

なぜGoogleは今、検索結果の中に画像生成を持ち込むのでしょうか。ここに、この記事をいま報じる意味があります。

背景には、MidjourneyやOpenAIのダリ(DALL・E)といった専用の画像生成ツールへ、クリエイターたちの関心が流れているという現実があります。ビジュアルAIツールをGoogle Imagesに直接埋め込むことで、Googleはユーザーが専門プラットフォームへ乗り換えるのを防ごうとしている——複数メディアが指摘するこの構図は、「最も派手な単体AIツールを持つことより、ユーザーを自社エコシステム内に留めることのほうが重要だ」というGoogleの賭けを表しています。

そしてもう一つ、公式ブログを読み解くと浮かび上がるのは、この25年が一貫して「検索の入力方法を、人間の知覚に近づけてきた歴史」だったという事実です。2009年の類似画像検索、2011年の画像による検索、2018年のGoogleレンズ、2022年のマルチ検索と、Googleは「テキストを打つ」以外の検索手段を積み上げてきました。2024年のかこって検索は、世界で5億8000万台以上のAndroid端末で利用できるまでになっています。今回の画像生成統合は、この系譜の最新の一歩——「探す」から「創る」への越境として位置づけられます。

一方で、潜在的なリスクも直視する必要があります。検索結果の中で「実在する画像」と「AIが生成した画像」が並ぶとき、私たちはその境界をどう見分けるのか。ある技術メディアは、AI生成画像が「帰属、真正性、そして検索エンジンが合成メディアをどう扱うべきか」という新たな問いを投げかけると指摘しています。ウェブが「見つける」場所から「生成される」場所へと変わるとき、情報の信頼性という土台そのものが問われることになります。編集部としては、この利便性の裏側にある課題を、読者とともに注視していきたいと考えています。

なお、日本のユーザーにとって気になる展開時期ですが、ホームページの刷新は当面、米国の英語環境・デスクトップ・サインイン済みユーザーへの提供にとどまります。AI画像生成についても、AI Modeの画像生成が既に対応している地域から順次、という条件付きです。日本での本格展開にはもうしばらく時間がかかると見られますが、この流れが世界標準になっていくことは、ほぼ間違いないでしょう。

【関連記事】

Nano Banana 2 Lite登場、Google DeepMindが画像4秒生成とGemini Omni Flash動画を同時投入
今回の画像生成を支える「Nano Banana 2 Lite」の技術詳細・価格・提供段階を解説した記事。モデルの正体を深く知りたい方向け。

NotebookLMに「Short Video Overviews」登場|資料が60秒の縦型動画に変わる新機能を解説
同じNano Banana 2 Liteを作画に用いた別機能の記事。日本環境での実機検証も収録し、展開の実際が分かる。

「問い」の前にGoogleが「答え」を届ける──Search AgentsとGenerative UIが変える情報との距離
「検索する前」に介入するGoogleの検索改革を論じた記事。今回のホーム刷新と同じ潮流を俯瞰できる。

【編集部後記】

引っかかるのは、生成された画像には「元の場所」が存在しないという一点です。これまで画像検索の結果は、必ずどこかのウェブページに紐づいていました。撮った人、載せた人、その文脈。クリックすれば出所へたどり着けました。

Nano Banana 2 Liteが検索結果の中で生み出す画像には、その帰り道がありません。SynthIDという電子透かしは「AIが作った」ことは示しても、「なぜこの構図なのか」「何を参照したのか」までは語りません。便利さと引き換えに手放そうとしているのは、画像の背後にある無数の「誰か」への回路なのかもしれない。あなたが次にAI Overviewsで画像を生成するとき、その一枚は誰にも帰属しない絵として、静かに世界へ足されていきます。


【用語解説】

Google Images(グーグル画像検索)
Googleが提供する画像検索サービス。2001年7月に登場し、ウェブ上の視覚的コンテンツを横断的に探せるようにした。今回、25周年を機に大幅刷新される。

AI Overviews(AIによる概要)
Googleの検索結果ページ上部に、AIが複数の情報を要約して提示する機能。従来のリンク一覧の前に、質問への回答を要約表示する。今回、この中に画像生成機能が組み込まれる。

Nano Banana 2 Lite(ナノバナナ 2 ライト)
Googleの画像生成AIモデルで、GoogleのGeminiに連なる画像生成モデルの最新版。テキストのプロンプトから、ウェブ上に存在しない画像を新規に生成する。元記事は単に「Nano Banana」と表記しているが、公式ブログおよび複数の技術メディアによれば、今回投入されるのは最新版の「Nano Banana 2 Lite」である。

AI Mode(AIモード)
Google検索に搭載された、より複雑で対話的な質問に対応するモード。画像を含む複合的な問いに、より深い推論で応じる。今回のAI画像生成は、このAI Modeの画像生成が既に対応している地域から順次展開される。

Collections(コレクション)
Google Images上で気に入った画像を保存・整理できる機能。刷新後のホームページでは、保存したコレクションがギャラリー上部にタブとして並び、興味のあるテーマへすぐ戻れる。

プロンプト
生成AIに対して、生成してほしい内容を指示するために入力するテキストのこと。今回の機能では、生成したい画像の内容を言葉で入力する。

マルチモーダル検索
テキスト、画像、音声、映像など複数の情報形式を同時に扱う検索のあり方。Googleは2022年のマルチ検索以降、この方向へ検索を発展させてきた。

【参考リンク】

Google Images(外部)
Googleの画像検索サービス公式ページ。刷新される新ホームページも順次このURLで提供される。

Google Blog「Celebrating 25 years of visual search innovation」(外部)
今回の発表を告知したGoogle公式ブログ。25年の技術系譜と新機能を担当者が解説している。

Google AI(AI Mode)(外部)
GoogleのAI検索機能の入り口。AI Modeの利用や、対応機能の確認ができる公式ページ。

Nano Banana 2 Lite 解説(Gemini models blog)(外部)
今回の画像生成を支えるモデルについて、Google公式ブログが解説したページ。

【参考記事】

Google Images: 25 years of visual search innovation(Google公式ブログ)(外部)
一次情報。担当ディレクターが二つの新機能を発表し、2001年から2026年までの視覚検索の技術系譜を明示している。

Google Images marks 25 years with personalized homepage redesign(9to5Google)(外部)
画像生成モデルが正式には「Nano Banana 2 Lite」であることを明記。米国・英語・デスクトップでの段階展開を報道している。

Google Adds Image Generation To AI Overviews, Revamps Images(Search Engine Journal)(外部)
昨年の視覚結果導入時、実写とAI生成画像を明示的に区別していなかったと報道。真正性の論点を提示している。

Google AI Overviews now lets you create image(Search Engine Land)(外部)
画像生成の追加が、検索からのクリックを減らしパブリッシャーのトラフィックに影響しうると分析している。

Google Images Turns 25, Unveils AI-Powered Visual Tools(The Tech Buzz)(外部)
専用ツールへ流れる関心を、検索への埋め込みで自社に留める狙いと分析。真正性の新たな問いも指摘している。

Google Images gets a Pinterest-style redesign for its 25th birthday(Android Police)(外部)
新ホームページを「ピンタレスト風」と評し、探すツールから発見するプラットフォームへの転換を示している。

Google Images is getting a makeover for its 25th anniversary(Engadget)(外部)
ジェニファー・ロペスのドレスがGoogle Images誕生のきっかけだと振り返り、時系列を整理している。

Googleで優先するソースとして追加するボタン
投稿者アバター
Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!