NVIDIAは2024年6月2日、台北で開催されたCOMPUTEX技術会議に先立ち、新しいAIチップアーキテクチャ「Rubin」を発表した。CEOのJensen Huang氏は、AIチップの新モデルを1年サイクルでリリースする方針を示した。
Rubinプラットフォームには、新しいGPUと「Vera」と呼ばれる中央プロセッサが搭載される。Rubinは2026年、Rubin Ultraは2027年に投入される予定だ。
NVIDIAは2024年3月に発表したBlackwellプラットフォームについても、2025年にBlackwell Ultraとして改良版を投入する計画を明らかにした。
さらに、NVIDIAはRTX AI PCの概念を発表し、Microsoftとの協業でWindows Copilot RuntimeからGPUを利用できるAPIを今年中にプレビュー提供する計画も発表した。
from Nvidia just dropped a new AI model that crushes OpenAI’s GPT-4—no big launch, just big results
【編集部解説】
NVIDIAの新AIチップ「Rubin」の発表は、AIハードウェア市場における競争の激化を如実に表しています。従来の2年サイクルから1年サイクルへの移行は、技術革新のスピードが加速していることを示しています。
Rubinプラットフォームは、HBM4メモリを採用し、8ソケット(Rubin Ultra版では12ソケット)構成を実現する予定です。これにより、より大規模で複雑なAIモデルの処理が可能になると予想されます。
また、NVIDIAがMicrosoftと協力してWindows Copilot RuntimeからGPUを利用できるAPIを提供する計画は、PC上でのAI処理の効率化につながる可能性があります。これにより、より多くのアプリケーションでGPUを活用したAI処理が可能になり、ユーザー体験の向上が期待できます。
一方で、このような急速な技術進歩は、エネルギー消費や環境への影響といった課題も浮き彫りにします。NVIDIAが主張する効率性の向上は重要ですが、AIチップの性能向上に伴う消費電力の増加は無視できない問題です。
【参考情報】
用語解説:
1. GPU (Graphics Processing Unit): 画像処理に特化したプロセッサー。並列処理が得意で、AI計算にも適している。
2. CPU (Central Processing Unit): コンピューターの中枢を担う主要な処理装置。
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