NVIDIAが新たなAIモデル「Llama-3.1-Nemotron-70B-Instruct」を発表した。このモデルは、Arena Hardベンチマークで85.0、AlpacaEval 2 LCで57.6、GPT-4-Turbo MT-Benchで8.98というスコアを達成し、OpenAIやAnthropicの製品を上回る性能を示している。
このモデルはMetaのオープンソースモデル「Llama 3.1」を基に、人間のフィードバックから学ぶ強化学習（RLHF）技術を用いて開発された。NVIDIAは無料ホスティングとOpenAI互換のAPIインターフェースを提供し、企業が高度なAI技術を試しやすい環境を整えている。
NVIDIAのこの動きは、AI業界全体に影響を与え、競争激化につながる可能性がある。
from Nvidia just dropped a new AI model that crushes OpenAI’s GPT-4—no big launch, just big results
【編集部解説】
NVIDIAの新AIモデル「Llama-3.1-Nemotron-70B-Instruct」(リンク先 Hugging Face) の登場は、AI業界に大きな波紋を投げかけています。このモデルが示した優れた性能は、NVIDIAがGPUメーカーとしてだけでなく、AIソフトウェア分野でも重要なプレイヤーになる可能性を示唆しています。
特筆すべきは、このモデルがOpenAIやAnthropicの製品を上回るベンチマークスコアを達成したことです。これは、AI技術の進歩が加速していることを示すとともに、競争が一層激化する可能性を示唆しています。
具体的に上回っているモデルは以下の通りです。
| ベンチマーク | Llama-3.1-Nemotron-70B-Instruct | Claude 3.5 Sonnet | GPT-4o |
|---|---|---|---|
| Arena Hard | 85.0 | 79.2 | 79.3 |
| AlpacaEval | 57.6 | 52.4 | 57.5 |
| MT-Bench | 8.98 | 8.81 | 8.74 |
Metaのオープンソースモデル「Llama 3.1」を基にしていることも注目に値します。オープンソースモデルを活用し、人間のフィードバックから学ぶ強化学習（RLHF）技術を組み合わせるという アプローチは、AI開発の新たな方向性を示しているかもしれません。
NVIDIAが無料ホスティングとOpenAI互換のAPIインターフェースを提供していることは、多くの企業にとってAI技術へのアクセスを容易にするでしょう。これにより、AI技術の普及と応用が加速する可能性があります。
【参考情報】
用語解説:
1. マルチモーダルAI:
テキスト、画像、音声など複数の情報形式（モダリティ）を同時に処理できるAI。人間の五感のように、様々な入力を統合して理解する能力を持つ。
2. オープンソース:
ソフトウェアの設計図（ソースコード）を公開し、誰でも自由に使用・改変・再配布できるようにすること。料理のレシピを公開するようなもの。
3. パラメータ:
AIモデルの学習可能な変数。モデルの複雑さや能力を表す指標の一つ。より多くのパラメータを持つモデルは、より複雑な問題を解決できる可能性がある。
関連サイト:
Youtube関連動画
NVIDIAの講演動画