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Meta・Instagram、AIで年齢詐称を検出 – 未成年ユーザーを自動的に「ティーンアカウント」へ移行

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-04-22 16:14 by admin

Meta Platformsは2025年4月21日、米国でInstagramにおける年齢詐称対策の強化を発表した。新たにAI技術を活用し、成人の誕生日で登録しているが実際は未成年と疑われるユーザーを検出し、自動的に「ティーンアカウント」へ移行させるテストを開始した。

このAIは、ユーザーのプロフィール情報や投稿内容、他ユーザーとのやりとり、誕生日メッセージ、エンゲージメントパターンなど複数のシグナルを分析して年齢を推定する。ティーンアカウントは13歳から17歳のユーザーを対象に設計されており、アカウントが自動的に非公開となるほか、見知らぬ相手からのメッセージ受信禁止や利用時間制限など、保護機能が標準で適用される。

誤判定があった場合、ユーザーは年齢証明などを通じて設定の変更を申請できるが、取消し申請機能は現時点で開発中である。Metaはこの取り組みを、保護者や議員からの若年ユーザー保護強化の要請を受けて進めており、今後もAIを活用した未成年保護対策を拡充する方針だ。保護者向けには、正しい年齢登録の重要性や設定方法についての具体的なガイダンスも提供されている。

from:Meta is ramping up its AI-driven age detection

【編集部解説】

MetaによるInstagramの年齢詐称対策強化は、SNSプラットフォームにおける未成年保護の新たな段階を示しています。今回のアップデートは、従来の生年月日入力だけに頼らず、AIがユーザーの行動や投稿内容、やりとり、誕生日メッセージなど多角的なデータを解析し、年齢詐称の可能性があるアカウントを特定します。これにより、16歳未満のユーザーが成人として登録しても、AIが自動的にティーンアカウントへ切り替え、プライバシーや安全性を強化する仕組みが実現します。

この背景には、欧米での規制強化や社会的批判の高まりがあります。2023年には米国の複数州がMetaを提訴し、EUでもデジタルサービス法(DSA)に基づく調査が進むなど、プラットフォーム事業者に対する責任追及が強まっています。一方で、Metaは「年齢確認の責任はアプリストアにもある」と主張し、Googleなど他社との間で責任分担を巡る議論も続いています。

誤判定時の設定変更には年齢証明などが必要で、取消し申請機能は現時点で開発中です。Metaは保護者向けに年齢登録や安全機能のガイダンスを強化しており、家庭内での対話も促しています。

AIによる年齢検出技術は今後さらに進化し、行動データの総合解析や透明性の向上が求められるでしょう。プライバシーと安全性のバランスを考慮した設計が重要となります。

【用語解説】

ティーンアカウント
13歳から17歳のユーザーが対象で、非公開設定やDM制限、不適切コンテンツの制限など保護機能が適用される。特に13~15歳のユーザーは保護者の同意なしに設定の変更をすることができない。13歳未満はInstagramの利用規約によりアカウント作成自体が禁止されており、発見され次第アカウントは削除される。

【参考リンク】

Meta Platforms公式サイト(外部)
Meta(旧Facebook)の企業情報やサービス概要、最新ニュースを掲載している公式サイト。

Instagram公式サイト(外部)
Metaが運営する世界最大級の写真・動画共有SNS。利用方法や最新情報も掲載。

Instagram ティーンアカウント公式情報(外部)
13歳から15歳のユーザー向けに設計されたティーンアカウントの特徴や安全機能を紹介。

Instagramヘルプセンター『ティーンアカウントについて』(外部)
ティーンアカウントの設定や利用方法、保護者向けのガイドを詳しく解説している。

Meta Newsroom(外部)
Metaの公式発表や最新ニュース、プレスリリースを掲載している情報ページ。

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りょうとく
主に生成AIやその権利問題について勉強中。
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