Last Updated on 2025-04-25 18:13 by admin
Perplexity AIは、2025年4月24日にiOS向け音声AIアシスタント「Perplexity Voice Assistant」を正式にリリースした。アメリカ・サンフランシスコのPerplexity AI, Inc.が開発しており、CEOはAravind Srinivasである。
この新機能により、iPhone 8以降のユーザーはアプリ内で音声による自然な対話を通じて、情報検索やリマインダー設定、メール作成、カレンダーへの予定追加、音楽やポッドキャストの再生、地図案内など多彩なタスクを実行できる。
Apple MusicやApple Mailとの連携を標準搭載し、今後はGmailやGoogleカレンダーへの対応も予定されている。AIモデルはGPT-4oやClaude 3.7 Sonnet、Gemini 2.5 Proなど複数を組み合わせており、音声認識は多言語対応。
Android版で利用できる一部機能はiOS版では未対応だが、Apple Intelligence未対応機種でも最新AI体験を提供する点が特徴となっている。
from:Perplexity’s AI voice assistant is now available on iOS
【編集部解説】
Perplexity AIがiOS向けにリリースした音声アシスタント「Perplexity Voice Assistant」は、従来のAIアシスタントの枠を超えた対話体験を提供する点が注目されています。
最大の特徴は、GPT-4oなど複数の先端AIモデルを組み合わせることで、ユーザーの発話の文脈を深く理解し、複雑な指示や連続した会話にも柔軟に対応できる点です。たとえば、レストランの検索後に「予算1万円以内で」と追加で指示を出すと、前回の会話内容を踏まえて結果を絞り込むことができます。こうした高度な文脈理解は、従来のSiriやGoogle Assistantにはない体験です。
また、Appleの「Apple Intelligence」やSiriの新機能が現時点でiPhone 15 Pro以降の最新機種に限定されているのに対し、Perplexity Voice AssistantはiPhone 8以降という幅広い端末で利用できるため、最新機種を持たないユーザーにも先端AI体験が開かれています。実際に、海外の複数のレビューサイトでもiPhone 13 miniなど比較的古い端末で問題なく動作していることが報告されています。これは、AI技術の裾野拡大という観点からも大きな意義があります。
一方で、Android版で利用できるスクリーン共有やカメラ認識機能がiOS版では未対応であること、また音声データやクエリ履歴の扱いについてプライバシー面での課題が指摘されています。特にヨーロッパなどでは、AIによる個人データの利用に対し厳しい規制があり、今後の展開では透明性やユーザーコントロールの強化が求められるでしょう。
今後の展望としては、音声アシスタントが「検索」から「行動支援」へと進化し、ユーザーが意識せずとも日常のさまざまなタスクをAIがサポートする世界が現実味を帯びてきています。
Perplexity AIのような新興企業が、AppleやGoogleといった巨大プラットフォーマーに対抗し、独自の価値を示せるかどうかは、技術力だけでなく、ユーザーの信頼や社会的な受容性も大きく関わってくるでしょう。
【用語解説】
Apple Intelligence:
Appleが開発中のAI機能群。iPhone 15 Pro以降の最新機種に限定して提供予定。
【参考リンク】
Perplexity AI公式サイト(外部)
アメリカ・サンフランシスコ発のAIスタートアップ。生成AIを活用した検索エンジンやAIアシスタントを展開している。
Perplexity for iOS(App Store)(外部)
iOS版Perplexity AIアプリの公式ダウンロードページ。最新バージョン情報も確認できる。