Last Updated on 2025-05-01 16:46 by admin
AIスタートアップのRunway(本社:アメリカ、創業2018年)は、2025年4月下旬より有料プランの全ユーザー向けに最新の動画生成AI「Gen-4 References」の提供を開始した。
この新機能により、ユーザーは写真、生成画像、3Dモデル、自撮り写真などを参照画像として利用し、一貫したキャラクターやロケーション、オブジェクトを自在に生成・配置できる。
Gen-4 Referencesは、キャラクターとロケーションの組み合わせによるシーン生成や、異なるカメラアングル・構図・スタイリングの指定も可能で、プロジェクト全体のコントロール性と連続性を大幅に向上させる。
また、スタイル画像を参照することで、キャラクターやロケーションに特定のスタイルを適用することもできる。本機能は、RunwayのWebプラットフォーム上で利用できる。今後もさらなる機能追加が予告されている。
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【編集部解説】
RunwayのGen-4 Referencesは、AIによる動画生成においてキャラクターやロケーションの一貫性を高精度で維持できる点が最大の特徴です。従来のAI動画生成では、シーンごとにキャラクターの外見や背景が変化してしまうことが課題でしたが、Gen-4では参照画像を用いることで、同一人物や場所を複数のシーンや異なるアングルでも安定して再現できます。
この技術の進化により、映像制作のワークフローが大きく変わりつつあります。特に、ストーリーボードやミュージックビデオ、短編映画、コンセプトアートなど、短尺かつ多様なシーンを必要とするプロジェクトで、手動での修正や再生成の手間を大幅に削減できます。また、最大3つまでの参照画像を組み合わせて複雑なシーンを構築でき、生成した参照要素をワークスペース内で何度も使い回すことも可能です。
一方で、現時点では複雑な動作や長尺動画、細かな身体の動き(特に手や足)などにおいて、まだ不自然さや一貫性の乱れが生じるケースも報告されています。ユーザーが意図した通りの映像を得るには、プロンプトの工夫や試行錯誤が必要であり、習熟には一定の学習コストが伴います。
この技術のポジティブな側面としては、映像制作のコスト削減やスピードアップ、クリエイティブの幅の拡大が挙げられます。Gen-4 Turboでは、5~10秒の動画を30秒程度で生成できるため、アイデアの試作や検証が効率化されます。一方で、著作権や倫理面での課題、AI導入による雇用減少の懸念も現実化しています。今後は、技術の進化とともに法的・社会的なルール整備や透明性の確保が求められるでしょう。
長期的には、Gen-4 Referencesのような高精度なAI生成技術が、個人クリエイターから大規模な映像制作現場まで幅広く普及し、映像表現の民主化や新たな表現手法の創出を後押しすると考えられます。今後も機能追加や精度向上が予告されており、AI生成映像のスタンダードが大きく塗り替わる可能性があります。
【用語解説】
Runway(ランウェイ)
2018年設立のアメリカ発AI企業。映像制作向けのAI生成ツールを開発・提供している。
Gen-4 References
Runwayの最新AI動画生成機能。参照画像を使い、キャラクターやロケーションの一貫性を保った動画を生成できる。
参照画像(Reference Image)
AI動画生成の際に「お手本」として使う画像。Gen-4 Referencesでは、これを基に一貫したキャラクターや場所を生成する。
世界一貫性(World Consistency)
AI生成動画で、登場人物や背景、物体の見た目や特徴がシーン間で一貫して維持されること。
【参考リンク】
Runway公式サイト(外部)
AI動画生成ツールを提供する企業。Gen-4など最新AIモデルで映像制作の革新を目指している。
Runway Gen-4製品紹介ページ(外部)
Gen-4の特徴や機能を詳しく解説。キャラクターやロケーションの一貫性などを紹介。
Runway Help Center(外部)
Gen-4の使い方や機能についての詳細なガイド。プロンプトや参照画像の活用法を解説。
【参考動画】
みなさんは、AIが映像制作の現場にどこまで入り込む未来を想像したことがありますか?
Gen-4 Referencesのような技術が身近になれば、誰もが自分だけの物語や世界観を動画として形にできる時代がやってきます。
もし自分がAIで映像を作るとしたら、どんなシーンやキャラクターを生み出してみたいですか?
ぜひ、みなさんのアイデアや感想も聞かせてください。
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