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Gemini 2.5 Pro、コード生成の常識を覆す – YouTubeからアプリ自動生成、UI開発で人間を超える美的センス

Gemini 2.5 Pro、コード生成の常識を覆す - YouTubeからアプリ自動生成、UI開発で人間を超える美的センス - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-07 11:30 by admin

Googleは2025年5月6日、「Gemini 2.5 Pro Preview(I/Oエディション)」を予定より2週間早くリリースした。このアップデートは、特にフロントエンドとUI開発におけるコーディング能力を大幅に向上させている。

Gemini 2.5 Pro Previewは、WebDev Arenaリーダーボードで1位にランクされ、前バージョンから147 Eloポイント上昇した。また、コード生成能力を測るLiveCodeBench v5では、スコアが70.4%から75.6%に向上している。

ビデオ理解能力においても、VideoMMEベンチマークで84.8%という高スコアを達成した。これは、GPT-4oの72.0%を大きく上回る結果である。

このモデルは以下の特徴を持つ

  • コード変換・編集能力の向上
  • 複雑なエージェントワークフローの開発支援
  • YouTubeビデオから対話型学習アプリを作成する機能
     (特定の条件下での応用例として示された機能)
  • 美しく機能的なウェブアプリ構築能力

Gemini 2.5 Pro Previewは、Google AI StudioのGemini API、Vertex AI(企業向け)、およびGeminiアプリで利用可能である。

既存のGemini 2.5 Pro(03-25バージョン)ユーザーは自動的に最新バージョン(05-06)にアクセスでき、特別な操作は不要である。価格は据え置きで、コンテキスト長20万トークンまでの場合、入力が100万トークンあたり1.25ドル、出力が100万トークンあたり10ドルとなっている。

Google I/O 2025は5月20日から21日にかけてカリフォルニア州マウンテンビューのショアライン・アンフィシアターで開催される予定である。

from:Gemini 2.5 Pro Preview: even better coding performance

【編集部解説】

Gemini 2.5 Pro Preview(I/Oエディション)の登場は、AIによるコード生成とウェブ開発の新たな地平を示す重要な一歩です。当初5月20〜21日に開催予定のGoogle I/O 2025で発表される予定でしたが、開発者からの熱烈な反応を受けて2週間前倒しでリリースされました。

特筆すべきは、このモデルがWebDev Arenaリーダーボードで1位を獲得し、前バージョンから147 Eloポイントも向上した点です。これは単なる数値の向上ではなく、「美しさ」と「機能性」を兼ね備えたウェブアプリケーションを構築する能力が人間の好みに合致したことを意味しています。

ビデオ理解能力においても、VideoMMEベンチマークで84.8%という高スコアを達成しており、これはGPT-4oの72.0%を大きく上回る結果となっています。この高度なビデオ理解能力とコーディング能力の融合により、YouTubeビデオから対話型学習アプリを自動生成するといった、これまで実現困難だった機能が可能になりました。

コーディング性能に関しては、LiveCodeBench v5では70.4%から75.6%へと向上しています。ただし、一部のベンチマークではClaude 3.7 Sonnetの70.3%に対してGemini 2.5 Proは63.8%と、まだ改善の余地があることも確認されています。

実用面では、このモデルはフロントエンド開発における細かなデザイン要素(波形アニメーション、レスポンシブデザイン、ホバーエフェクトなど)の実装を効率化し、開発者の作業負担を大幅に軽減する可能性を秘めています。

一方で、一部のユーザーからは「Gemini 2.5 Pro Previewの性能が期待を下回る」という声も上がっています。特に創造的な文章作成などの分野では、指示の解釈方法の変更により、パフォーマンスに差が生じている可能性があります。

今後の展望としては、このようなAIツールがソフトウェア開発の民主化を加速させ、プログラミングスキルを持たない人々でも自分のアイデアをウェブアプリケーションとして実現できる時代が近づいています。

同時に、AIが生成するコードの品質保証や、セキュリティリスクの管理といった新たな課題も浮上してくるでしょう。開発者はAIを単なるコード生成ツールとしてではなく、創造的なパートナーとして活用する方法を模索する必要があります。

Gemini 2.5 Pro Previewは、Google AI StudioのGemini API、Vertex AI(企業向け)、そしてGeminiアプリのCanvas機能を通じて既に利用可能となっています。今後のGoogle I/Oでは、このモデルをさらに活用した新機能や統合サービスが発表される可能性が高いでしょう。

テクノロジーの進化を追い求める私たちinnovaTopiaの読者の皆様にとって、このニュースは単なる製品アップデート以上の意味を持ちます。AIとの共創による新たな可能性を探求する絶好の機会となるはずです。

【用語解説】

WebDev Arena
ウェブ開発能力を評価するベンチマークで、AIモデルが美しく機能的なウェブアプリを構築する能力を人間の好みに基づいて測定するものである。

VideoMME
ビデオ理解能力を測定するベンチマークで、AIがビデオコンテンツを理解し分析する能力を数値化したものである。

マルチモーダル
テキスト、画像、音声、動画など複数の情報形式(モード)を同時に処理できる能力のこと。人間が五感を使って情報を処理するのに似ている。

トークン
AIモデルが処理する言語の最小単位。日本語ではおおよそ1文字が1トークン、英語では単語の一部や記号が1トークンに相当する。

エージェントワークフロー
AIが自律的に複数のタスクを連携して実行するプロセス。例えば、情報収集→分析→レポート作成といった一連の作業を自動化する仕組み。

Eloポイント
チェスの世界で使われる実力評価システムで、AIの性能比較にも応用されている。ポイントの差が大きいほど、性能差が大きいことを示す。

【参考リンク】

Google AI Studio(外部)
Googleの生成AIモデルを試したり、アプリケーション開発に活用したりできるウェブサービス。

Replit(外部)
ノーコードでAIに指示するだけでアプリ開発ができるブラウザ型の総合開発環境。

Cursor(外部)
AIを搭載したコードエディタで、Gemini 2.5 Proの能力を活用したコーディング支援を提供している。

Cognition(外部)
AIを活用したソフトウェア開発支援ツールを提供する企業で、Gemini 2.5 Proを評価している。

Vertex AI(外部)
企業がGoogleのAIモデルを安全かつスケーラブルに利用するためのクラウドサービス。

【参考動画】

【編集部後記】

Gemini 2.5 Proの進化は、コーディングの未来をどう変えるでしょうか?YouTubeから学習アプリを自動生成する機能は、あなたのプロジェクトやコンテンツ戦略に新たな可能性をもたらすかもしれません。実際に使ってみて感じた印象や、AIとの共創で実現したいアイデアがあれば、ぜひSNSでシェアしてください。AIツールとの付き合い方や活用法について、皆さんの知見を共有し合える場になれば幸いです。

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TaTsu
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