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アップル、SafariにPerplexityなどのAI検索エンジンを追加へ – Googleの独占に挑戦

アップル、SafariにPerplexityなどのAI検索エンジンを追加へ - Googleの独占に挑戦 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-08 09:54 by admin

アップルのサービス担当上級副社長エディ・キュー氏は2025年5月7日、米国司法省のGoogleに対する独占禁止法訴訟の証言で、同社がSafariブラウザにAI検索機能を追加することを「積極的に検討している」と明らかにした。

キュー氏はAI検索プロバイダーとしてPerplexity AI、OpenAI、Anthropicなどを挙げ、これらのサービスが「最終的には従来の検索エンジンに取って代わる」との見方を示した。アップルはすでにこれらの企業との協議を行っていることも明らかにした。

この発表を受け、Alphabet(Google親会社)の株価は7.6%下落し、時価総額から約1500億ドル(約22兆5000億円)が消失した。アップルの株価も約2%下落した。

キュー氏はまた、Safariでの検索が2025年4月に22年ぶりに初めて減少したことを明らかにし、その原因をユーザーがAIサービスへ移行していることだと説明した。

現在GoogleはSafariのデフォルト検索エンジンとしての地位を維持するため、アップルに年間約180億〜200億ドル(約2兆7000億〜3兆円)を支払っている。この契約はGoogleの検索広告ビジネスの中核を支えており、アップルの年間営業利益の14〜16%を占めると推定されている。

キュー氏は「AI検索はまだ十分に良くない」としながらも、「新しいプレイヤーが問題に異なるアプローチで取り組んでいるため、大きな可能性がある」と述べた。

from:Apple switch to AI search could be a huge blow to Google

【編集部解説】

アップルのエディ・キュー氏による今回の証言は、検索市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。この発言が単なる将来の可能性の示唆ではなく、実際にアップルが「積極的に検討している」具体的な計画であることに注目すべきでしょう。

特に重要なのは、Safariでの検索が22年で初めて減少したというデータです。これはユーザーがAIツールへと移行している明確な兆候と言えます。検索行動の変化は、単なる一時的なトレンドではなく、情報アクセスの根本的な変化を示しています。

GoogleとAppleの関係性も注目点です。年間約200億ドル(約3兆円)という巨額の契約は、Googleの検索広告ビジネスの中核であると同時に、Appleの年間営業利益の14〜16%を占めると推定されています。この契約が変更されれば、両社の収益構造に大きな影響を与えるでしょう。

市場の反応も顕著でした。この発表を受けてAlphabetの株価は7.6%下落し、時価総額から約1500億ドル(約22兆5000億円)が消失しました。これは投資家がGoogleの検索独占に対する脅威を真剣に受け止めていることの表れです。

AIによる検索体験の変革は、情報へのアクセス方法を根本から変える可能性があります。従来の検索エンジンがリンクのリストを提供するのに対し、AI検索は質問に直接回答し、情報を統合・要約する能力を持っています。これにより、ユーザーは情報収集の効率を大幅に向上させることができるでしょう。

しかし、キュー氏自身が認めているように、現時点でのAI検索には課題も残されています。検索インデックスの品質向上や、情報の正確性の担保など、従来の検索エンジンが長年かけて構築してきた信頼性をAI検索がどう確保するかは重要な課題です。

また、この動きは検索市場における競争の活性化という側面も持っています。米国司法省のGoogleに対する独占禁止法訴訟の背景にあるのは、検索市場における競争の欠如という問題です。AI検索の台頭は、この状況を変える可能性を秘めています。

キュー氏が「テクノロジーの転換点が真の競争をもたらす」と述べているように、AIは検索市場に新たなプレイヤーが参入する機会を創出しています。Perplexity、OpenAI、Anthropicといった企業が、検索という巨大市場で存在感を示す可能性が高まっています。

今後数年間で、私たちが情報を探し、理解する方法は大きく変わるかもしれません。そして、その変化の中心にAppleのSafariが位置する可能性が高まっているのです。

【用語解説】

Perplexity AI
2022年に設立されたAI検索エンジン。従来の検索エンジンと異なり、大規模言語モデルを使って質問に直接回答し、情報源を引用する。会話形式で追加質問も可能。2024年12月時点で企業価値90億ドル。

OpenAI
2015年設立の米国AI研究組織。ChatGPTやDALL-Eなどの生成AIモデルで知られる。2022年11月のChatGPT公開が生成AI普及の契機となった。2024年の推定収益は37億ドル。

Anthropic
2021年にOpenAIの元従業員が設立したAI企業。安全性を重視したLLM「Claude」を開発。AmazonとGoogleから合計100億ドル以上の投資を受けている。

AI検索
従来の検索エンジンがリンクリストを表示するのに対し、質問に直接回答し情報を統合・要約する。情報収集の効率が向上するが、正確性の担保が課題。

【参考リンク】

Apple(日本)(外部)
iPhoneからMacまで、Appleの全製品を購入できる公式サイト。

Perplexity AI(外部)
AI技術を活用した情報検索・共有プラットフォーム。

OpenAI(外部)
ChatGPTなどの生成AIモデルを開発する企業の公式サイト。

Anthropic(外部)
安全で信頼性の高いAIシステムの研究開発を行う企業。

【参考動画】

【編集部後記】

皆さん、検索の未来が大きく変わろうとしています。日々の情報収集にSafariやGoogle検索を使っている方も多いのではないでしょうか? AI検索は単なる検索結果のリストではなく、あなたの質問に直接答えてくれる未来を約束しています。Perplexityなどのサービスをすでに試されましたか? もし試していないなら、今こそ体験してみる良い機会かもしれません。検索という日常行為がどう変わるのか、その変化を一緒に体験していきましょう。皆さんはAI検索に何を期待しますか?

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TaTsu
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