Last Updated on 2025-04-14 08:33 by admin
家庭用ネットワークデバイスは24時間の間に平均10回の攻撃を受けていることが明らかになりました。Digital Trendsの記事によると、TP-Link Systems Inc.の専門家は、家庭ネットワークを安全に保つための5つの重要な方法を提示しています。
NetgearとBitdefenderの最近のレポートでは、Bitdefenderだけでも24時間の間に平均250万の脅威をブロックしており、これは1分あたり1,736の脅威に相当します。2023年に最も多くの脆弱性が発見されたデバイスは、テレビ(34%)、スマートプラグ(18%)、デジタルビデオレコーダー(13%)、そしてルーター(12%)でした。また、SonicWallのレポートによると、IoT(モノのインターネット)関連の攻撃は2024年前半に107%急増しています。
TP-Linkが推奨する家庭ネットワークを保護するための5つの方法
1. ファームウェアとソフトウェアを最新の状態に保つ
ルーターのアップデートには既知のサイバーセキュリティ脅威に対する修正が含まれています。多くの最新ルーターは自動的にアップデートを確認してインストールする機能を備えています。
2. デフォルトの管理者パスワードを変更する
多くの人がデフォルトのパスワードを使用し続けているため、ハッカーの標的になりやすいです。強力で固有なパスワードを使用し、複数のアカウントで同じパスワードを再利用しないことが重要です。
3. ウイルス対策ソフトウェアを使用する
「エンドポイント保護」と呼ばれるこの対策は、マルウェアの検出と除去、ファイアウォール管理、ランサムウェア保護などの機能を提供します。
4. ファイアウォールを設定して構成する
ファイアウォールは悪意のあるトラフィックがネットワークに入るのをブロックし、不審な活動を警告します。Windows 11やmacOSなどのオペレーティングシステムに組み込まれているファイアウォールを有効にしておくべきです。
5. 使用していないソフトウェアとデバイスを取り除く
古くなったデバイスやソフトウェアは、アップデートされないまま放置されると脆弱性が増します。特に新しいコンピュータシステムにプリインストールされているトライアルソフトウェアなどは、不要な場合は削除すべきです。
ルーターが侵害された場合の兆候
ルーターが侵害された場合の兆候としては、インターネット速度の低下、未知のデバイスがネットワークに表示される、過剰なデータ使用、正規のウェブサイトにアクセスしようとすると不審なサイトにリダイレクトされるなどがあります。
from:5 ways to protect your router from hackers, according to TP-Link experts
【編集部解説】
今回のDigital Trendsの記事で紹介されているTP-Linkの専門家による家庭用ルーター保護の方法は、現在のサイバーセキュリティ環境において非常に重要な情報です。家庭のネットワークデバイスが24時間で平均10回もの攻撃を受けているという事実は、多くの読者にとって驚きかもしれません。
IoTデバイスの普及に伴い、私たちの家庭内のネットワークはますます複雑になっています。SonicWallのレポートによれば、IoT関連の攻撃は2024年前半に107%も急増しており、この傾向は今後も続くと予想されます。特に注目すべきは、テレビ(34%)やスマートプラグ(18%)といった日常的に使用するデバイスが最も脆弱性を抱えているという点です。
ルーターはこれらすべてのデバイスへのゲートウェイとなるため、その保護は家庭のサイバーセキュリティにおいて最も重要な要素の一つです。しかし、多くのユーザーはルーターを「設定して忘れる」デバイスとして扱い、定期的なメンテナンスを怠りがちです。
記事で紹介されている5つの対策は、技術的な知識がそれほど高くないユーザーでも実践できる基本的な対策です。特にファームウェアの更新は最も効果的な対策の一つですが、多くのユーザーがこれを怠っています。TP-Linkによれば、最も一般的な攻撃は、すでにパッチが公開されている既知の脆弱性を標的にしているとのことです。
また、デフォルトのパスワード変更も見落とされがちな重要な対策です。多くのハッカーはデフォルトのパスワードのデータベースを持っており、変更されていないパスワードは簡単に突破されてしまいます。強力で固有なパスワードを設定することは、最も基本的かつ効果的なセキュリティ対策の一つです。
ファイアウォールの設定も重要です。多くのユーザーはオペレーティングシステムに組み込まれているファイアウォール機能を無効にしていることがありますが、これは大きなリスクとなります。また、ルーター自体にも多くの場合ファイアウォール機能が搭載されていますので、これらを適切に設定することで、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。
使用していないソフトウェアやデバイスを取り除くという対策は、あまり知られていませんが非常に効果的です。特に新しいコンピュータには多くの場合、不要なプリインストールソフトウェアが含まれており、これらが脆弱性の原因となることがあります。
最後に、ルーターが侵害された場合の兆候を知っておくことも重要です。インターネット速度の低下や、未知のデバイスがネットワークに表示される、正規のウェブサイトにアクセスしようとすると不審なサイトにリダイレクトされるなどの兆候があれば、すぐに対策を講じる必要があります。
テクノロジーの進化とともに、サイバーセキュリティの脅威も進化し続けています。しかし、基本的な対策を講じることで、多くのリスクを軽減することができます。私たちinnovaTopiaは、読者の皆様がデジタル世界を安全に楽しむための情報を今後も提供してまいります。
【用語解説】
ボットネット:
ハッカーに乗っ取られたコンピューターやIoTデバイスの集合体。「操り人形の軍団」のように、一斉に攻撃を仕掛けるために使われます。
CVE(Common Vulnerabilities and Exposures):
共通脆弱性識別子。セキュリティの穴に付けられる国際的な識別番号で、特定の脆弱性を指します。
CVSS(Common Vulnerability Scoring System):
脆弱性の深刻度を数値化する国際基準。0.0~10.0の範囲で評価され、高いほど危険度が高いです。
ファームウェア:
ハードウェアを制御するための基本ソフトウェア。スマホのOSに相当するもので、ルーターの場合は通信制御などの基本機能を担います。
DDoS攻撃(Distributed Denial of Service):
大量のアクセスを一斉に行い、サーバーやネットワークを機能停止させる攻撃手法。ボットネットがよく使用されます。
DNS乗っ取り:
ルーターのDNS設定を変更し、正規のウェブサイトにアクセスしようとするとフィッシングサイトなどの悪意のあるサイトにリダイレクトさせる攻撃手法。
エンドポイント保護:
ネットワークに接続するデバイス(エンドポイント)を保護するための総合的なセキュリティ対策。ウイルス対策だけでなく、ファイアウォール管理やランサムウェア保護なども含みます。
【参考リンク】
TP-Link公式サポートサイト(外部)
ファームウェアのアップデートやセキュリティパッチを入手できる公式サイト。
JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)(外部)
日本のコンピュータセキュリティインシデント対応チームのサイト。
IPA(情報処理推進機構)セキュリティセンター(外部)
情報セキュリティに関する情報提供や普及啓発を行う日本の独立行政法人。
Have I Been Pwned(外部)
自分のメールアドレスやパスワードが漏洩していないか確認できるサービス。
【編集部後記】
皆さん、ご自宅のルーターは最後にいつ確認しましたか?「設定して忘れる」デバイスだからこそ、知らぬ間に脆弱性が放置されているかもしれません。週末の10分でファームウェアの更新状況をチェックするだけで、大きなセキュリティリスクを回避できます。ご家庭のデジタル資産を守るための第一歩として、ぜひルーターの設定画面を開いてみてください。皆さんのセキュリティ対策について、SNSでぜひ共有してください。