見せる液冷、185Hz OLED、Snapdragon 8 Elite Gen 5——Red Magic Astra 2が問うゲーミングタブレットの新基準

[更新]2026年7月1日

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冷却を「見せる」という発想は、エンジンをガラス張りにした自動車を思わせます。
機能を隠さず誇示することで、信頼を獲得しようとする設計思想です。
RedMagicの新型ゲーミングタブレットは、その賭けに出ました。


RedMagicは、コンパクトゲーミングタブレット「Gaming Tablet 5 Pro」を中国市場で発売した。9.06インチOLEDディスプレイは解像度2.4K、リフレッシュレート185Hz、最大輝度1,600nitsに対応する。プロセッサはSnapdragon 8 Elite Gen 5とRedCore R4を組み合わせ、背面の透明パネル越しに視認できるアクティブ液冷システムを搭載する。

バッテリーは8,300mAhで、中国版は80W充電に対応する。価格は5,299元(約780米ドル)から、カラーはブラックとシルバーの2色。グローバル版は「RedMagic Astra 2 Gaming Tablet」として7月17日に価格・発売時期が発表される予定。

From: 文献リンクA new OLED gaming tablet from Red Magic puts liquid cooling on display

【編集部解説】

RedMagicは、コンパクトゲーミングタブレット「Gaming Tablet 5 Pro」を中国市場で発売しました。同モデルはグローバル市場では「REDMAGIC Astra 2 Gaming Tablet」という名称で展開される予定で、価格と発売時期は2026年7月17日に発表されます。つまり現時点で判明しているのは「中国での実売価格」と「スペックの概要」であり、日本を含むグローバル市場での価格・入手可否はまだ分かっていません。

まずスペックを整理します。ディスプレイは9.06インチのOLEDで、解像度2.4K、リフレッシュレート185Hz、最大輝度1,600nitsに対応します。プロセッサはSnapdragon 8 Elite Gen 5に、RedMagic独自のゲーミングチップ「RedCore R4」と電力最適化システム「Energy Cube 3.0」を組み合わせています。タッチ性能にも力が入っており、Synaptics製「S3930」ソリューションにより300Hzのマルチタッチサンプリング、最大2,000Hzの瞬間応答、1msの入力遅延を実現するとされています。汗ばんだ指でも操作を安定させる「ウェットタッチアルゴリズム」も搭載されています。

このタブレットの最大の特徴は、背面の透明パネル越しに視認できるアクティブ液冷システムです。RedMagicはこの冷却機構を公式サイトで「AquaCore Cooling System 2.0」「Liquid Metal 3.0」と呼び、Astra 2を「初めて液冷を可視化したタブレット」と位置づけています。この「初」を裏付ける第三者による検証は確認できておらず、あくまで自社の訴求文言である点には留意が必要です。冷却機構の周囲には11基のRGB LEDが配置され、発光のカスタマイズが可能です。

バッテリーは8,300mAhで、中国版は80W急速充電とリバース充電、2基のUSB-Cポートに対応します。うち1つは横持ちプレイ時にケーブルが干渉しにくい位置に配置されています。中国での価格は5,299元(約780米ドル相当)から、カラーはブラックとシルバーの2色です。ただし、この価格・スペックはあくまで中国版のものであり、グローバル版のAstra 2が同一の仕様・価格帯で展開されるとは公式に確認されていません。

RedMagicのタブレット製品ラインには、現行モデルの「REDMAGIC Astra」や「REDMAGIC Nova」が存在します。Astra 2はこのラインの新モデルにあたるとみられますが、前モデルとの具体的なスペック差分(プロセッサ世代・ディスプレイ仕様など)は今回の発表内容だけでは判断できません。

向いているのは、スマートフォンより大きな画面で高フレームレート・低遅延タッチを求めるモバイルゲーマーです。一方、動画視聴や読書など汎用タブレットとしての用途を重視するユーザーには、価格帯・重量・バッテリー特性の面で他の選択肢のほうが適している可能性があります。

現時点で判断できないのは、グローバル版の具体的な価格と、正確な充電ワット数(RedMagicの欧州向け公式サイトでは75Wと表記されており、中国版の80Wとは異なります)、そして日本での取り扱いの有無です。一方、ディスプレイやプロセッサ、冷却機構の名称についてはRedMagic公式サイトがAstra 2向けにもすでに発表しており、この部分は中国版と共通しています。価格と充電仕様の詳細は、7月17日の発表を待つ必要があります。

【用語解説】

有機EL(OLED)ディスプレイ
画素自体が発光する表示方式。バックライトが不要で高いコントラストと薄型化に有利、ゲーミング機器で採用が広がる技術

リフレッシュレート
画面が1秒間に更新される回数。数値が高いほど動きの滑らかさが向上し、対戦ゲームなどで有利とされる指標

Snapdragon 8 Elite Gen 5
Qualcomm製の最上位スマートフォン・タブレット向けSoC(システムオンチップ)。2026年時点のAndroidハイエンド機に広く採用される

RedCore R4
RedMagicが独自開発するゲーミング向け補助チップ。メインプロセッサと組み合わせ、描画性能・タッチ応答・電力効率のバランス調整に用いられる

アクティブ液冷
機器内部に冷却液を循環させるポンプを組み込み、発熱を能動的に排出する冷却方式。ファンによる空冷より静音かつ高効率とされる

【参考リンク】

REDMAGIC Astra 2 Gaming Tablet Launch(RedMagic公式・グローバル)(外部)
Astra 2の名称、7月17日のローンチ表記、Snapdragon 8 Elite Gen 5・RedCore R4・冷却機構名を確認できる公式ローンチページ。価格は本記事公開時点で未掲載。

RedMagic公式サイト タブレット製品ライン(グローバル)(外部)
現行モデルの「REDMAGIC Astra」「REDMAGIC Nova」を含む、同社タブレット製品ラインの一覧ページ。

【参考記事】

Redmagic Astra 2 gaming tablet launches globally on July 17|9to5Google(外部)
中国版Gaming Tablet 5 Proの全スペックを詳細に報じる記事。ベゼル幅、対応ゲーム数、Redmagic OS 11.5などソース記事に含まれない補足情報を確認。

The REDMAGIC Astra 2 could be the Android gaming tablet of your dreams|Pocket Tactics(外部)
Astra 2の競合として Lenovo Legion Tab Gen 5 を挙げ、前世代Astraからの位置づけを整理した記事。

RedMagic just confirmed the Astra 2 release date|GamesRadar+(外部)
前世代「RedMagic Astra」のレビュー経験を踏まえ、Astra 2への期待点とスペック未確定要素を整理した記事。

Red Magic Gaming Tablet 5 Pro launching globally as Astra 2 soon|Gizmochina(外部)
ディスプレイパネルがBOE製「X10」であることなど、追加の技術的補足を含む記事。

【関連記事】

Red Magic Astra発表|iPad mini対抗の高性能Androidタブレット
前世代「Red Magic Astra」の発表記事。9インチOLED・165Hz・499ドルという当時のスペックと価格が、今回のAstra 2との比較材料になる。

Red Magic 11S Pro グローバル発売|11 Proの液体冷却を進化させ、Snapdragon最上位モデルで世界展開へ
RedMagicのゲーミングスマートフォンにおける液冷技術「AquaCoreクーリングシステム」を扱った記事。今回のタブレット版液冷の技術的背景を補足する。

【編集部後記】

冷却液を隠さないという判断は、単なる意匠ではなく、性能への自信の表れなのかもしれません。
一方で、その自信を裏付ける第三者の検証は、今のところ存在しません。
「初めて液冷を可視化した」という言葉も、現時点では企業側の主張にとどまっています。
この製品が本当に問われるのは、グローバル版の価格が明かされる7月17日以降でしょう。
中国での実売価格と、世界戦略上の価格設定は、しばしば別の顔を見せるものです。
私たちは、その答え合わせを引き続き追っていきます。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。