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富士フイルムと順天堂大、転倒リスク予測AIで医療現場に革新

富士フイルムと順天堂大、転倒リスク予測AIで医療現場に革新 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-07-03 21:33 by admin

富士フイルムと順天堂大学病院は、病院データを使用して外来患者の転倒リスクを正確に予測できるAIを開発した。この研究チームは、富士フイルムのCITAクリニカルファインダーで収集された病院データから、年齢や処方歴を含む転倒に関連する500以上の特徴をまとめた。その後、これらの特徴を基にして個々の転倒リスクを予測するAIモデルを訓練した。この技術は、予測される転倒リスクをパーセンテージで表示し、潜在的なリスク要因となる特徴を示す。研究者たちは後に、順天堂大学病院の約70,000人の外来患者データを用いてAIの有効性をテストし、最新の研究結果に基づき、AIは転倒リスクを予測し生成する際に96%の精度を達成した。富士フイルムと順天堂は、AIのテストを続け、その早期の臨床応用を目指している。

日本の病院は、施設内での限られた時間内に転倒の危険性がある外来患者を特定することに課題を抱えている。また、入院患者よりも転倒リスクの評価が必要な外来患者が多いことが認識されている。医療設定での転倒を防ぐための効率的かつ正確な解決策がますます求められている。市場の動向として、日本では病院や介護施設での転倒を防ぐためにAIを活用した研究が既に存在している。例えば、富士通と和歌山医科大学は、患者のプライバシーを守りつつ転倒を検出するセンサーとAI技術の試験に取り組んでいる。一方、富士フイルムの最新のAIイノベーションは、同社の高齢者ケア技術ポートフォリオに新たに加わった。2022年には、軽度認知障害を持つ患者のアルツハイマー病の進行を予測するAIを発表している。

【ニュース解説】

富士フイルムと順天堂大学病院が共同で開発したAIは、外来患者の転倒リスクを予測するためのものです。このAIは、病院データから収集された年齢や処方歴など500以上の特徴を分析し、個々の転倒リスクをパーセンテージで表示します。約70,000人の外来患者データを用いたテストでは、96%の高い精度で転倒リスクを予測しました。

この技術の開発は、病院での転倒事故を未然に防ぐための重要なステップです。転倒は特に高齢者にとって重大な怪我につながる可能性があり、その結果、長期的な健康問題や医療費の増加に繋がることがあります。このAIにより、リスクが高い患者を早期に特定し、予防措置を講じることが可能になります。

この技術のポジティブな側面は、高精度でリスクを予測できる点にあります。これにより、医療従事者はリスクの高い患者に対して、より効果的な介入やフォローアップを行うことができます。また、病院内での転倒事故を減少させることで、患者の安全を守り、医療費の削減にも繋がります。

一方で、この技術の導入には潜在的なリスクも伴います。例えば、データのプライバシー保護や、誤った予測による不安の増大などが挙げられます。これらの問題に対処するためには、データの取り扱いに関する厳格な規制や、AIの予測結果をどのように医療現場で活用するかについて、慎重な検討が必要です。

将来的には、このAI技術はさらに発展し、他の医療分野や介護施設などでも応用される可能性があります。また、転倒リスクだけでなく、他の健康リスクを予測するためにも利用できるようになるかもしれません。このように、AIを活用した健康管理の進化は、医療の質の向上と患者の生活の質の向上に大きく寄与することが期待されます。

from Fujifilm, Juntendo Hospital develop fall risk detection AI.

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