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Volonaut Airbike、時速200kmで飛行実現―スター・ウォーズの世界が現実に

Volonaut Airbike、時速200kmで飛行実現―スター・ウォーズの世界が現実に - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-08 17:50 by admin

ポーランドのスタートアップ企業Volonautが開発した一人乗り空飛ぶバイク「Airbike」が2025年5月1日に初公開された。この未来的な乗り物は、ジェット推進力を使用し、最高時速200km/h(124mph)で飛行可能である。

Airbikeは、Jetson ONE(電動垂直離着陸機)の開発者でもあるトマシュ・パタン氏によって「ステルスモード」で開発され、事前の情報公開なしに突如発表された。カーボンファイバーと3Dプリント部品を使用した軽量設計により、通常のオートバイの7分の1の重量を実現している。

この飛行バイクは独自の安定化システムと飛行コンピュータを搭載しており、自動ホバリング機能と簡易操作を可能にしている。従来のeVTOL(電動垂直離着陸機)と異なり、Airbikeはオープンエア設計を採用しており、ライダーを囲むフレームケージがない。また、外部に露出したプロペラもなく、コンパクトなサイズにより狭いスペースでも飛行できる。

発表時に公開された映像では、パタン氏が谷や森の周りをAirbikeで飛行する様子が確認できる。後部には減速時に点灯する赤いテールライトが装備されており、両側に設置された支柱により、離着陸時の安定性を確保している。

Volonaut社はAirbikeの推進システムの詳細、価格、商業化計画については明らかにしていない。同社は「このSF映画でよく描かれる大胆なコンセプトの実現が、時間とともに創造者の情熱となった」と述べている。

なお、Airbikeの公式発表は、スター・ウォーズの日(5月4日)の数日前に行われ、同作品に登場する空中バイクを彷彿とさせるデザインが注目を集めている。

References:
 - innovaTopia - (イノベトピア)From Sci-Fi to Reality: Airbike Takes Flight at 124 MPH—The Future of Personal Travel!

【編集部解説】

Volonautの「Airbike」は、SF映画の世界から飛び出してきたような革新的な個人用飛行機器として注目を集めています。この製品が特に興味深いのは、従来のeVTOL(電動垂直離着陸機)とは一線を画す設計思想にあります。

多くの空飛ぶ乗り物がプロペラやローターを露出させた設計を採用する中、Airbikeはジェット推進力を採用し、外部に回転部品を持たないすっきりとしたデザインを実現しています。これにより安全性と機動性を両立させた点は、個人用空中モビリティの新たな方向性を示していると言えるでしょう。

開発者のトマシュ・パタン氏は、以前に人気のeVTOL「Jetson ONE」を手がけた経験を持つエンジニアです。その経験を活かし、より軽量でシンプルな設計に挑戦した結果がAirbikeとなりました。カーボンファイバーと3Dプリント部品を駆使し、通常のオートバイの7分の1という驚異的な軽量化を実現している点は特筆に値します。

しかし、Volonaut社は現時点で詳細な仕様や商業化計画について明らかにしていません。最高速度200km/hという性能は公表されていますが、飛行可能時間や航続距離、価格などの情報は公開されていません。また、公開された動画では飛行の様子は確認できるものの、離着陸のシーンが含まれていない点も複数のメディアから指摘されています。

個人用空中モビリティの実用化に向けては、技術的課題だけでなく法規制の問題も大きな壁となります。現在の航空法では、このような個人用飛行機器の一般道路上空での使用は厳しく制限されています。Airbikeのような製品が日常的な移動手段として普及するためには、安全性の確保と並行して、法規制の整備も進める必要があるでしょう。

Airbikeが示す未来は魅力的ですが、実用化に向けてはまだ多くの課題が残されています。ジェット推進による騒音や熱の問題、エネルギー源と航続距離の制約、そして何より安全性の確保など、クリアすべきハードルは少なくありません。

それでも、Airbikeの登場は個人用空中モビリティの可能性を大きく広げるものです。都市部の渋滞回避や災害時の緊急移動手段、アウトドアでの新たな楽しみ方など、その応用範囲は多岐にわたります。今後の開発動向と実用化への道のりに注目していきたいと思います。

【用語解説】

eVTOL(電動垂直離着陸機):
電気モーターで動作し、ヘリコプターのように垂直に離着陸できる航空機。日本語では「イーブイトール」と読む。ドローンタクシーなどに使われる技術で、Joby AviationやLiliumなどが開発を進めている。

ジェット推進力:
高速で排出される気体の反作用を利用して推進力を得る仕組み。Airbikeではこの技術を採用し、プロペラを使わない飛行を実現している。

カーボンファイバー:
炭素繊維を用いた軽量かつ高強度の素材。航空機や高級スポーツカーに使用される。鉄の約4分の1の重さで、強度は約10倍という特性を持つ。

スタビライゼーションシステム:
飛行中の安定性を保つための技術。Airbikeでは専用の飛行コンピュータと組み合わせて、自動ホバリング機能を実現している。

【参考リンク】

Volonaut(ボロノート)(外部)
「Experience Future Mobility」をスローガンに、個人用飛行機器の開発に取り組む企業

Jetson ONE(外部)
個人用の小型eVTOLを開発・販売するスウェーデンの企業

【参考動画】

【編集部後記】

空を自由に飛ぶ夢、一度は抱いたことがあるのではないでしょうか?Airbikeのような個人用飛行機器が実用化されれば、私たちの移動手段はどう変わるでしょう。通勤時の渋滞から解放されたり、アウトドアでの新たな楽しみ方が生まれたり。もし空飛ぶバイクに乗れるとしたら、どんな場所へ行きたいですか?また、個人用空中モビリティの普及に向けて、技術面や法規制面でクリアすべき課題は何だと思いますか?ぜひSNSでご意見をお聞かせください。

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TaTsu
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