Last Updated on 2024-07-14 10:50 by admin
アメリカでは多くのダムが100年以上前に建設され、老朽化が進んでいる。気候変動による極端な天候の増加が、ダムに与える影響を強めており、老朽化や破損による人命や財産へのリスクが高まっている。ダムの修理、建て替え、撤去には、費用や環境への影響を考慮する必要がある。
ダムの撤去は環境に良い影響をもたらし、ダムが作り出す貯水池はメタンガスや二酸化炭素の排出源となっている。ミシガン州では、ダムの撤去や修理に関する取り組みが進んでいるが、高い費用や他の問題が伴うことがある。
ミシガン州は、他の州と比べて高リスクのダムの数が多く、老朽化や破損による環境汚染の問題を抱えている。ダムの撤去や修理には多くの費用と時間がかかり、バイデン政権はダムの安全性向上のために資金を提供しているが、必要なプロジェクトに十分に届いているかは不明である。
【ニュース解説】
アメリカでは、気候変動の影響により、極端な天候が増加しています。これにより、国内にある約92,000のダム、特に100年以上前に建設された老朽化したダムが大きな脅威にさらされています。ミネソタ州のラピダンダムの部分的な破損は、この問題を象徴する出来事であり、近隣の建物の破壊や人々の避難を余儀なくされました。このようなダムの多くは、過去には洪水調節や電力供給などの目的で建設されましたが、現在ではその役割を終え、老朽化によるリスクのみが残されています。
ダムの老朽化や破損は、人命や財産への直接的なリスクだけでなく、環境への悪影響ももたらします。特に、ダムによって形成される貯水池は、メタンガスや二酸化炭素の主要な排出源となっており、気候変動の加速に寄与しています。このため、ダムの撤去や修理、建て替えは、単に安全性を確保するだけでなく、環境保護の観点からも重要な意味を持ちます。
しかし、ダムの撤去や修理には多額の費用がかかり、特に小さな町や都市では財政的な負担が大きくなります。バイデン政権は、インフラ投資と雇用法により、ダム関連プロジェクトに約3億ドルを割り当てましたが、これが全ての必要なプロジェクトに十分に届いているかは不透明です。また、ダムの撤去は環境にはプラスですが、汚染物質の拡散リスクや生態系への影響など、新たな問題を引き起こす可能性もあります。
ミシガン州では、特に高リスクとされるダムが多く、老朽化による環境汚染や人命への脅威が顕著です。ダムの撤去や修理には、汚染の清掃や安全確保のために、膨大な時間と費用が必要とされます。これらの問題は、ダムの所有者や地方自治体だけでなく、連邦政府の支援と協力を必要とする複雑な課題です。
このような背景を踏まえると、アメリカのダム問題は、単にインフラの老朽化を超えた、気候変動、環境保護、地方自治体の財政健全性など、多岐にわたる課題が絡み合う大きな挑戦です。将来にわたって安全で持続可能な社会を実現するためには、これらの問題に対する総合的なアプローチと、長期的な視点に立った政策が求められます。
from America’s Aging Dams Are a Catastrophe Waiting to Happen.