2024年8月3日、The Guardianは、テクノロジー業界の「ビッグ7」企業(Apple、Amazon、Alphabet、Meta、Microsoft、Nvidia、Tesla)の株価が急上昇し、時価総額が合計で約12兆ドル(約1,740兆円)に達したと報じた。
これらの企業の株価上昇は、主に人工知能(AI)ブームによるものだが、最近の四半期決算発表では、一部の企業で期待されたほどの成長が見られなかった。
特に、Metaの四半期収益は前年比11%増の320億ドル(約4.6兆円)、Amazonの四半期収益は前年比11%増の1,340億ドル(約19.4兆円)を記録した。
一方、Appleの四半期収益は前年比1.4%減の817億ドル(約11.8兆円)となり、iPhoneの売上が予想を下回った。
Microsoftは四半期収益が前年比8%増の568億ドル(約8.2兆円)を記録し、クラウドコンピューティング部門の成長が鈍化した。
これらの決算結果を受け、投資家の間でAIブームに対する懐疑的な見方が広がりつつある。
from:Why have the big seven tech companies been hit by AI boom doubts?
【編集部解説】
テクノロジー業界の「ビッグ7」企業の株価急上昇と、その後の調整局面について、より深い視点から解説させていただきます。
まず、この「ビッグ7」と呼ばれる企業群(Apple、Amazon、Alphabet、Meta、Microsoft、Nvidia、Tesla)が、AIブームを背景に急成長を遂げたことは事実です。しかし、最近の決算発表では、一部の企業で期待されたほどの成長が見られなかったことも確認されました。
この状況は、AIへの過度な期待と現実のギャップを浮き彫りにしています。AIは確かに革新的な技術ですが、その実用化と収益化には時間がかかることを示唆しています。例えば、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、AIへの投資が「今後10〜15年で最も重要なもの」と述べており、長期的な視点での投資であることを強調しています。
一方で、これらの企業の既存事業は依然として堅調です。例えば、AmazonのAWSやMetaの広告事業は着実な成長を続けています。これは、AIだけでなく、クラウドコンピューティングやデジタル広告など、既存のテクノロジー分野も引き続き重要であることを示しています。
AIの潜在的な可能性は依然として大きいものの、その実現には課題も存在します。例えば、AIの開発には莫大なコンピューティングリソースが必要であり、これは環境負荷の増大につながる可能性があります。また、AIの倫理的な使用や、プライバシーの保護など、社会的な課題も無視できません。
規制の観点からも、AIの発展は注目されています。EUのAI法案や、米国でのAI規制の動きなど、各国政府はAIの健全な発展と管理のバランスを模索しています。これらの規制がテクノロジー企業の事業展開にどのような影響を与えるかも、今後注目すべき点です。