Last Updated on 2024-07-12 09:19 by admin
Mixed Realityの実験では、PCでのテストとMetaのビルディングブロック機能が基本要素として使用される。PCでのテストでは、QuestをUSBでPCに接続し、UnityのPlayボタンを押すことでミックスドリアリティアプリをテストできる。Metaのビルディングブロック機能を用いると、アプリケーションに簡単に機能を追加できる。
Scene Setupでは、部屋の環境設定と要素のマーキングが可能であり、壁や床、天井の自動検出や手動調整が行える。シーン要素の操作にはSceneManagerが使用される。
Passthroughの表示にはPassthroughシェーダーが用いられ、オブジェクトに割り当てることでPassthrough表示範囲を設定できる。インタラクションの追加にはBuilding Blocksが利用可能で、例えばPoke Interactionブロックを追加することでボタンの実装が可能である。
デモ作成方法として、バルコニーデモでは実際のバルコニー形状を再現し、パススルーのシェーダーを使用して実際のバルコニーを表示する。スライディングドアデモでは、ドアの位置にクワッドを使用して穴を作り、パススルーのシェーダーを割り当てることでドアの穴を表示する。インタラクションの追加やオブジェクト操作方法についても説明されている。
【ニュース解説】
Mixed Reality(ミックスドリアリティ)技術は、現実世界と仮想世界を融合させることで、新たな体験を生み出すことができます。この技術を活用したデモの作成方法について、Unityを用いた実験が紹介されています。Unityは、ゲーム開発やインタラクティブコンテンツの制作に広く使用されるプラットフォームで、その柔軟性と拡張性により、Mixed Realityアプリケーションの開発にも適しています。
開発の初期段階では、PCを使用してテストを行うことが推奨されています。Meta Quest 3とPCをUSBで接続し、Unity内で直接アプリケーションを実行することで、パススルーストリームや手の追跡データ、シーンデータなどをリアルタイムでテストできます。この方法により、開発者はアプリケーションが実際にビルドされた際の挙動を迅速に確認し、効率的に開発を進めることが可能になります。
Metaが提供するUnity SDKの特徴の一つに、「ビルディングブロック」機能があります。これは、プリセットされた機能をドラッグ&ドロップするだけでアプリケーションに追加できるというもので、開発の手間を大幅に削減します。例えば、パススルーARアプリケーションの構築が、わずか数クリックで完了するほど簡単になっています。
シーンのセットアップでは、使用する空間の環境設定を行い、部屋の要素をマーキングします。Meta Quest 3では、壁や床、天井などの自動検出機能が追加され、ユーザーは手動での調整を行うことで、より正確な部屋の設定を行うことができます。
Passthroughの表示には特別なシェーダーが使用され、仮想オブジェクトの上に現実の映像を重ねることができます。これにより、例えばドアの穴からのみ仮想世界が見えるような体験を作り出すことが可能になります。
インタラクションの追加に関しても、ビルディングブロックを使用することで、手で押すボタンなどの3Dインタラクションを簡単に実装できます。これらの機能を活用することで、開発者はよりリアルなMixed Reality体験をユーザーに提供することができるようになります。
この技術のポジティブな側面としては、教育、エンターテイメント、医療など、さまざまな分野での応用が期待されます。例えば、医療分野では手術のシミュレーショントレーニングに使用されたり、エンターテイメントではより没入感のあるゲーム体験が提供される可能性があります。
一方で、潜在的なリスクとしては、プライバシーの問題や、現実と仮想の区別がつきにくくなることによる精神的な影響などが考えられます。また、この技術の普及に伴い、規制やガイドラインの整備が必要になる可能性もあります。
将来的には、Mixed Reality技術はさらに進化し、私たちの生活に深く根ざしたものとなるでしょう。そのためには、技術の発展と同時に、それに伴う課題に対処するための研究や議論が重要になってきます。
from How to make mixed reality demos that merge real and virtual worlds.