Last Updated on 2024-06-27 20:26 by admin
Doublepointは、スマートウォッチのセンサーを利用して手のポーズやジェスチャーを検出し、スマートウォッチを3Dマウスに変換するアプリ「WowMouse」を開発しています。このアプリはAndroidスマートウォッチ向けであり、XRヘッドセットとペアリングして使用します。Magic Leap 2やQuest 2/3ヘッドセットと互換性があり、Samsung Galaxy Watch 4/5/6やGoogle Pixel Watch 2での使用が推奨されています。Unity Input Systemと統合することで、Unityアプリケーション内での追加インストールなしに動作します。外部トラッキングカメラや手袋なしで手のジェスチャーを検出でき、さらなるセンサーを追加することでクリックの意図も検出可能です。
Doublepointは、スマートウォッチを使用してXRヘッドセットやIoTデバイスとのインタラクションを可能にする技術を探求しています。スマートウォッチのセンサーを利用することで、消費電力を抑えつつ、特定の位置に手を置く必要なく手の動きを検出できます。この技術は、XRヘッドセットを使用しない場合でも機能します。
WowMouseのデモ体験では、スマートウォッチを使用してXRヘッドセットやMagic Leap 2と連携し、タップジェスチャーを検出してランプの選択や明るさの変更などの操作を体験できます。このデモは、スマートウォッチを使用した新しいインタラクション方法の可能性を示しています。
【ニュース解説】
Doublepoint社が開発した「WowMouse」は、スマートウォッチを3Dマウスとして機能させることができるアプリケーションです。この技術は、スマートウォッチに搭載されている高度なセンサーを活用し、手のポーズやジェスチャーを検出して、XR(拡張現実)環境内でのインタラクションを可能にします。Android対応のスマートウォッチにインストールし、Magic Leap 2やQuest 2/3などのXRヘッドセットとペアリングすることで使用できます。
この技術の最大の特徴は、外部のトラッキングカメラやフル装着型のグローブなしで、空中タップジェスチャーなどの手の動きを検出できる点にあります。スマートウォッチのセンサーは、手首周辺の微細な振動を捉え、これを解析することで、どの指が触れられたかを識別します。このプロセスには機械学習の技術が用いられています。
さらに、WowMouseはUnity Input Systemと統合されており、Unityで開発されたアプリケーション内で特別なパッケージをインストールする必要がないため、開発者にとっても導入が容易です。このシステムは、スマートウォッチのIMU(慣性測定ユニット)を利用してデバイスの空間内の向きを検出し、それを基に3DOF(3自由度)マウスとして機能します。
この技術の利点は多岐にわたります。まず、手を特定の位置に置く必要がなく、どのような姿勢からでも操作が可能です。また、工業用グローブを着用していてもジェスチャーが検出できるため、さまざまな作業環境での応用が期待されます。さらに、スマートウォッチによる振動フィードバックを通じて、より直感的な操作感を提供することができます。
しかし、この技術にはいくつかの課題も存在します。例えば、正確なジェスチャー検出のためには、手の動きを適切に行う必要があり、微細な動きの検出には限界がある可能性があります。また、現在のところ、特定のスマートウォッチとXRヘッドセットにのみ対応しており、より広範なデバイスへの対応が求められます。
将来的には、この技術がさらに発展し、スマートウォッチを用いた新たなインタラクション方法がXRやIoT(モノのインターネット)の分野で広く採用される可能性があります。また、より多くのセンサーを組み込むことで、ユーザーの意図をより正確に捉えることができるようになるかもしれません。この技術の進化は、私たちのデジタルと物理世界のインタラクションをより直感的で自然なものに変える可能性を秘めています。
from AWE: Doublepoint transforms your smartwatch into a mouse for XR.