VRソーシャルプラットフォーム「Rec Room」の新作「Run the Block」が、リリースからわずか3週間で100万プレイヤーを突破する大きな反響を呼んでいます。SEGAの名作「ジェットセットラジオ」からインスピレーションを得たこの作品は、都市空間を舞台にしたVRパルクールゲームとして注目を集めています。
最大10人でのマルチプレイに対応し、プレイヤーは街を駆け抜けながらグラフィティアートを描くことができます。基本プレイは無料で提供されています。
Rec Roomは2023年から2024年にかけて、以下の重要な展開を行っています:
・2023年3月:フルボディアバターシステムのベータ版導入
・2024年1月:クリエイター報酬システムの刷新(収益配分率40%に統一)
・2024年11月:Nintendo Switch版のリリース
現在、PC VR、Meta Quest、PlayStation VR、iOS、Android、Pico、Xbox、PlayStationなど、幅広いプラットフォームに対応しており、クロスプラットフォームでのプレイが可能です。特に、クリエイターエコノミーの強化により、ユーザーが自由にコンテンツを作成・販売できる環境を整備しています。
from ‘Rec Room’ Launches ‘Jet Set Radio’ Inspired Mini-game ‘Run the Block’, Trailer Here
【編集部解説】
Rec Roomの新作「Run the Block」は、単なるゲームの追加以上の戦略的な意味を持っています。
まず注目すべきは、クリエイターエコノミーの大幅な刷新です。2024年1月1日から、クリエイターの収益配分率を40%に統一し、より公平な収益構造を確立します。これは、プラットフォームの持続可能性を高めるための重要な施策と言えます。
フルボディアバターシステムについても、重要な進展がありました。2023年3月からベータ版の提供を開始し、現在は全プレイヤーが利用可能となっています。まだ体の動きのトラッキングには対応していないものの、VRChatなどの競合サービスとの差別化を図る重要な機能となっています。
「Run the Block」自体も、ノスタルジーと最新技術を組み合わせた意欲的な試みです。90年代の日本のユースカルチャーを源流とする「ジェットセットラジオ」の世界観を、現代のVR技術で再解釈することで、新旧のゲーム文化を橋渡ししています。
さらに、Nintendo Switchへの対応拡大により、VRに限定されないクロスプラットフォーム展開を強化しています。これは、より幅広いユーザー層へのリーチを可能にする戦略的な動きと言えるでしょう。
このように、Rec Roomは単なるVRプラットフォームを超えて、次世代のソーシャルプラットフォームとしての地位を確立しようとしています。クリエイターエコノミーの確立、没入感の向上、プラットフォームの拡大という3つの軸で、着実な進化を遂げているのです。
【用語解説】
・Rec Room:無料のソーシャルVRプラットフォーム。ユーザーが自由にコンテンツを作成し、共有できる仮想空間です。
・クリエイターエコノミー:プラットフォーム内でユーザーがコンテンツを作成・販売し、収益を得られる経済システム。