AIの役割が「案内」から「実行」へ|AIアシスタント「ムームードメインコンシェルジュ」がDNS設定を直接操作

[更新]2026年6月17日

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ドメインの設定に迷ったとき、これまでは「ヘルプページを探す」か「サポートに問い合わせる」しかありませんでした。ムームードメインが追加したAIアシスタントは、その問いに「その場で直接やっておきます」と答えます。AIチャットが「案内する」から「実行する」に変わるとき、何が変わって、何が変わらないのか。


ムームードメイン(byGMOペパボ)は2026年6月16日、コントロールパネルにAIアシスタント「ムームードメインコンシェルジュ」を追加した。

従来のAIチャットはユーザーの質問に対してヘルプページを案内するにとどまっていたが、コンシェルジュはチャット上の自然言語指示から、ドメインの検索・取得、DNSレコードの変更、契約状況の確認などを実行できる。

同社は開発者向けAPIおよびAIエージェント向けMCPサーバーも公開しており、ムームードメインのアカウントを持つユーザーであれば、コンシェルジュは追加料金なしで使い始められる。API・MCPと並走する形で提供される、一般ユーザー向けの自然言語インターフェースとして位置づけられる。

From: 文献リンクAIに話しかけるだけでドメイン管理が完結!「ムームードメイン byGMOペパボ」のコントロールパネルにAIアシスタント『ムームードメインコンシェルジュ』を搭載〜MCPサーバー・APIの提供に続き、誰でも自然言語のままドメイン操作が可能に〜

【編集部解説】

「案内する」から「実行する」へ

AIをサービスに組み込む方法は、大きく2つに分かれます。ひとつは「ユーザーの質問を受けて、答えや関連ページを示す」という情報案内型。もうひとつは「指示を受けて、システムを直接操作する」という実行型です。

従来のAIチャットは「DNSの設定方法を質問した場合、DNSの設定方法が書かれたヘルプページを案内するだけ」でした。コンシェルジュは「設定方法の案内だけではなく、DNSの変更まで対応する」と明記されています。

「どこを見ればいいか」ではなく「やっておきました」が返ってくる。この差は、ユーザー体験として大きく異なります。

何ができて、何が起きるか

コントロールパネルの入力ボックスに自然言語で話しかけることで、以下の4つの操作が可能です。

ひとつ目はドメインの確認。所有ドメインの一覧・有効期限・自動更新の状態を把握できます。
ふたつ目はDNS設定の確認と変更。Aレコード・MXレコード・CNAMEなどの参照・追加・変更・削除に対応します。
みっつ目は空きドメインの検索。取得したいドメイン名が使えるかをその場で確認できます。
よっつ目がドメインの新規取得です。

新規取得については、「内容を確認してから実行する」ため意図せず課金されることはないとされています。AIがドメインを自動購入するリスクを設計レベルで抑えている点は、前回のAPI v2における3段階承認モデルと同じ考え方が読み取れます。

利用に追加料金は不要です。ムームードメインのアカウントを持つユーザーであれば、すぐ使い始められます。

3つの入口で、誰でも使える構造へ

ムームードメインはこの1年半ほどで、AI連携の入口を段階的に積み上げてきました。

2026年3月、国内主要ドメイン取得サービスとして初めてリモートMCPサーバーを提供開始しました。ClaudeなどのAIエージェントから会話を通じてドメインを操作できる仕組みです。対象は外部AIツールを使いこなすユーザーです。

同年5月には、API v2を一般公開しました。ドメインの検索・取得・購入・DNS操作を外部システムから直接制御できるようにしたもので、対象はプログラムで自動化したい開発者です。

そして今回のコンシェルジュは、コントロールパネルという使い慣れた画面の中で完結します。外部ツールの準備も、プログラムの知識も必要ありません。対象は「専門知識のない、ふつうのユーザー」です。

MCP・API・コンシェルジュ。この3つは互いに代替するのではなく、それぞれ異なるユーザー層への入口として設計されています。この構造からは、「ドメイン管理をAIで操作できる状態にする」という目標を、技術リテラシーの幅を問わず実現しようとする姿勢が読み取れます。

【用語解説】

DNS(ディーエヌエス)
Domain Name Systemの略。ドメイン名とIPアドレスを対応づけるインターネットの仕組み。Aレコード・MXレコード・CNAMEなどのDNSレコードを設定することで、ドメインをWebサーバーやメールサービスに紐づける。

MCP(エムシーピー)
Model Context Protocolの略。AnthropicがAIエージェントと外部ツール・サービスをつなぐために策定したオープン規格。AIが自然言語の指示を受けてAPIや各種サービスを操作できるようにする仕組み。ムームードメインは2026年3月に国内主要ドメイン取得サービスとして初めてリモートMCPサーバーを提供開始した。

【参考リンク】

ムームードメイン コントロールパネル(外部)
ムームードメインコンシェルジュはコントロールパネルにログインしてすぐ利用できる。追加料金・別途設定は不要。

ムームードメイン 開発者向けAPI・MCPサーバー(外部)
コンシェルジュと並走するAPI v2・MCPサーバーの公式ドキュメント。プログラムや外部AIエージェントからドメインを操作したい場合の起点。

【関連記事】

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【編集部後記】

操作のハードルが下がることで、これまで「知識がある人に任せていた」判断をしなければならない人もいます。「専門知識がなくても使える」は、専門知識が不要になったという意味ではありません。AIが補ってくれる部分が増えるほど、自分が何を分かっていないかを把握することの重要性は、むしろ上がっていきます。

DNS設定を間違えればサイトもメールも止まってしまいます。AIが実行してくれる時代に、私たちはむしろ「何を指示したか」に対してより自覚的である必要があるのかもしれません。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。