Meta Connect 2026で新型VRヘッドセット発表か|Quest後継機・軽量MR・高性能モデルの可能性

[更新]2026年7月13日

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VR事業の縮小が続く一方で、Metaは複数の次世代ヘッドセットを開発しています。一見矛盾する二つの動きから見えてくるのは、撤退ではなく、製品の役割と投資先を組み替える新たなVR戦略です。


MetaのCTO、アンドリュー・ボスワースは、InstagramのQ&Aで、同社がVR開発を断念したとの見方を否定し、「複数の次世代ヘッドセット」を開発中だと改めて述べた。また、9月23日から24日に開催されるMeta Connect 2026で、追加情報を共有する考えを示した。

UploadVRは、軽量ヘッドセットが2027年前半に登場する可能性や、従来型のQuest 4が早くても2027年後半になるとの見通しを紹介している。ただし、Connectで共有される内容が新型ハードウェアとは限らず、既存のMeta Quest向けソフトウェアを指す可能性もある。

From: 文献リンクMeta Reaffirms “Multiple Next-Generation Headsets”, Hints At Connect Announcement

【編集部解説】

開発継続と事業縮小は矛盾していない

アンドリュー・ボスワースの発言から確認できるのは、MetaがVR開発を打ち切ったわけではなく、現在も「複数の次世代ヘッドセット」を開発しているという点です。Meta Connectで追加情報を共有するとも述べていますが、新型端末の正式発表を約束したわけではありません。

一方で、MetaがVR関連事業を従来と同じ形で続けるわけではないことも明確です。マーク・ザッカーバーグCEOは2025年第4四半期の決算説明で、Reality Labsの投資を今後はグラスとウェアラブルへ重点的に振り向けながら、VRを数年かけて利益の出るエコシステムにすると説明しました。Horizonについても、VR内だけではなくモバイルでの成功を目指す方針を示しています。

公式説明と一連の事業整理からは、赤字を許容しながら端末、ゲームスタジオ、仮想空間、法人向けサービスを広く抱える方針から、投資先を絞り込む方向へ再編していると読み取れます。

Reality Labsの赤字が再編を必要としている

MetaのReality Labsは、VR・AR関連のハードウェア、ソフトウェア、コンテンツを含む事業部門です。2025年の売上高は22億700万ドルだった一方、営業損失は191億9,300万ドルに達しました。損失のすべてをQuest事業だけに帰属させることはできませんが、Metaが「持続可能な体制」を強調する背景として無視できない規模です。

同社は2026年もReality Labsの営業損失が2025年と同程度になると予測しています。その後は損失を段階的に減らす方針であり、次世代ヘッドセットには技術的な進歩だけでなく、販売価格や開発費、継続的にコンテンツを供給できる仕組みも求められます。

複数モデルへの展開が示す変化

UploadVRは、MetaがQuest 3より高性能なゲーム重視の端末と、演算処理を外付け機器へ分離した軽量な複合現実ヘッドセットを開発していると報じています。また、従来型のQuest 4は早くても2027年後半になるとの見方を示しています。ただし、いずれもMetaが製品名、仕様、価格、発売時期を正式発表したものではありません。

これらの情報が事実であれば、Metaは1台の低価格なQuestにゲーム、映像視聴、仕事、複合現実といった幅広い役割を持たせるのではなく、用途ごとに端末を分けようとしている可能性があります。

ゲーム重視の高性能モデルは、価格補助が行われず従来より高額になれば、性能を優先する層を意識した製品になる可能性があります。軽量モデルは、報道されている構成では本体を軽量化できる一方、ケーブル接続の外付け機器が必要になります。

ここで変わるのは、単純な処理性能だけではありません。重さを減らして長時間使いやすくする端末と、価格が高くてもゲーム性能を求める端末を分けることで、利用体験そのものを用途別に設計できるようになります。その代わり、従来のQuestが持っていた「比較的手頃な1台でさまざまなVR体験に触れられる」という分かりやすさは弱くなる可能性があります。

Meta Connectで確認すべきこと

Meta Connect 2026は、9月23日と24日に開催される予定です。Metaは公式案内で、VR、ウェアラブル、メタバース、AIに関する最新情報を共有するとしていますが、現時点で新型VRヘッドセットの発表内容までは公表していません。

注目すべきなのは、端末が発表されるかどうかだけではありません。複数のヘッドセットがそれぞれどの用途を担当するのか、価格を抑えた普及モデルが維持されるのか、ゲームやアプリの開発者が継続して参入できる市場を作れるのかが重要です。

MetaはVRから完全には撤退していません。複数の開発計画が事実なら、利用目的と採算性に応じて製品を分ける方向へ進む可能性があります。今回のボスワースの発言は、新製品の予告というより、MetaのVR事業が次の形へ組み替えられていることを示すものといえます。

【関連記事】

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軽量ヘッドセットとゲーム重視の次世代Questについて報じた過去記事。Metaが収益性を意識した端末構成へ移行する可能性を整理している。

Meta Connect 2024発表: 新ヘッドセット「Quest 3S」に注目集まる
Meta Connect 2024で期待されていたQuest 3SやHorizon OSの展開を紹介した記事。Connectが製品やプラットフォーム戦略を示す場であることを振り返る内容。

【編集部後記】

VR事業を縮小しながら、次世代ヘッドセットの開発は続ける。
その姿勢は、MetaがVRを諦めたのではなく、続け方を変えようとしていることを示しています。
高性能、軽量、従来型の後継機と、端末の役割が分かれていけば、体験の選択肢は広がるかもしれません。
一方で、価格や対応コンテンツの違いが、利用者を分ける要因にもなり得ます。
私たちは、Meta Connect 2026で示されるものが、新製品だけでなく、VRを誰に届けるのかという答えになるのかを見届けたいと思います。


【用語解説】

Reality Labs
MetaのVR・AR、ウェアラブル機器、関連ソフトウェアなどを扱う事業部門。

Meta Connect
Metaが開催する開発者向けイベント。VR、ウェアラブル、メタバース、AIなどの新製品や技術、開発環境に関する情報を発表する場。

複合現実(MR)
現実の風景をカメラなどで取り込み、その上に仮想の映像や情報を重ねて操作できる技術。

外付けコンピュートパック
演算処理を担う機器をヘッドセット本体から分離し、ケーブルで接続する構成。本体側の重量や発熱を抑えやすい設計。

【参考リンク】

Meta Quest公式サイト(外部)
Meta Questシリーズの製品情報、対応アプリ、ゲーム、アクセサリーなどを掲載する公式サイト。

Meta Connect 2026公式サイト(外部)
2026年9月23日・24日に開催されるMeta Connectの公式案内。プログラムや登壇者などの情報を順次掲載。

Meta先進テクノロジー(外部)
Reality Labsが取り組むVR・AR、ウェアラブル、トラッキング、触覚技術などの研究開発を紹介する公式ページ。

Meta Investor Relations(外部)
Metaの決算資料、年次報告書、投資家向け説明会の記録などを掲載する公式サイト。

【参考記事】

Save the Date: Meta Connect 2026|Meta(外部)
Meta Connect 2026の開催日と会場を発表した公式記事。VR、ウェアラブル、メタバース、AIの最新情報を扱う予定を案内。

Meta Reports Fourth Quarter and Full Year 2025 Results|Meta Investor Relations(外部)
Metaの2025年第4四半期および通期決算。Reality Labsの売上高、営業損失、翌年度の見通しを掲載。

Q4 2025 Earnings Call|Meta Investor Relations(外部)
Metaの2025年第4四半期決算説明会。VR、ウェアラブル、Horizon、Reality Labsの投資方針に関する説明資料と記録を掲載。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。