Dream Hackers VR|VRだから成立する「触れる夢世界」とは?

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ゲームの世界を眺めるのではなく、手を伸ばして触れ、道具を使い、自分の身体で探索する。『Dream Hackers VR』は、夢という現実離れした舞台とVRならではの操作を組み合わせています。VRゲームだからこそ成立する体験とは何か、本作のプレビューから見えてきます。


ARVI VR Inc.が開発する『Dream Hackers VR』は、SteamVR向けのシングルプレイ・アクションアドベンチャー/ローグライトである。夢の世界を舞台に、銃撃戦、探索、パズルを組み合わせ、物体への高いインタラクティブ性を特徴とする。UploadVRは開発者提供のプレビュー版をプレイし、アートデザインや戦闘、世界設計のまとまりを高く評価した。一方、ボイス演技や一部の音楽には改善の余地があると指摘している。

UploadVRによると、2027年発売、2026年第4四半期にデモ公開予定とされている。ただし、現在のSteam公式ページでは発売日は「未定」と表示されており、価格も未発表である。

From: 文献リンクDream Hackers VR Is The Game I’m Most Excited For In 2027

【編集部解説】

『Dream Hackers VR』で注目したいのは、シュールな世界を美しく描いていることだけではありません。UploadVRがプレビューで特に評価しているのは、現実にはあり得ない建築物や変化する空間の中で、多くの物体へ実際に働きかけられるインタラクティブ性です。

平面ディスプレイのゲームでも、不可能な建築や夢のような世界は表現できます。しかしVRでは、その場所を「見る対象」ではなく「自分が存在する空間」として設計できます。手にした武器を操作し、周囲を見回し、道具を使って隠されたものを探すという一連の行動まで含めて世界を構成できる点が、大きな違いです。

本作では、銃撃戦だけでなく、虫眼鏡を使った探索や鍵を探す環境パズルなどが組み込まれています。戦闘でもピストル、ショットガン、自動小銃といった武器に加え、シールドやグレネードなどを使い分けます。Steamの公式ページでも、武器、アーティファクト、ポーションを組み合わせてビルドを作り、夢の各階層に隠されたパズルや秘密を探索するゲームとして説明されています。

ここから見えてくるのは、「VR版のFPSを作る」というより、プレイヤーの身体操作そのものをゲーム世界へ組み込む設計です。夢という現実の法則に縛られない舞台は、このVRらしい設計と相性が良い題材だと考えられます。

一方で、この体験にはPC VRならではの導入条件があります。Steamに掲載された最低動作環境はWindows 10、16GB RAM、GeForce GTX 1080 8GBで、推奨環境ではWindows 11、24GB RAM、GeForce RTX 4070 12GBとなっています。ストレージも65GBが必要です。Meta Quest 2/3/3S/Pro、Valve Index、HTC Viveシリーズ、PICOシリーズなど複数のVRヘッドセットが対応機器として記載されています。

つまり、スタンドアロン型VRヘッドセットだけで完結するゲームではなく、対応PCを組み合わせることが前提になります。本作をプレイするには相応のPC環境も必要であり、PCの性能や接続環境は導入時に確認すべき条件です。

日本のユーザーにとっては、Steam公式ページで日本語のインターフェースと字幕への対応が記載されている点は確認できます。ただし、現時点のSteamページでは発売日は「未定」とされており、UploadVRが記載する「2027年発売、2026年第4四半期にデモ公開」という情報とは差があります。

UploadVRはプレビュー版の弱点としてボイス演技を挙げ、「AI生成のように聞こえる」と評していました。Steam公式ページでは、生成AIツールをボイスオーバー制作とローカライズの補助に利用していることを開発者が開示しています。AI支援コンテンツは開発チームが確認した上で組み込んでいると説明されています。

そのため、「AI音声かもしれない」という部分については、少なくとも音声制作に生成AIが使われていること自体は公式情報で確認できます。一方、特定の音声そのものが完全にAI生成されたと確認されたわけではなく、UploadVRが指摘した音声品質が製品版でもそのまま残るかは、まだ分かりません。

『Dream Hackers VR』は、VRゲームの価値を単なる映像の立体化ではなく、「世界へ手を伸ばして働きかけられること」に置いている作品として興味深い存在です。プレビュー段階の評価であることには注意が必要ですが、夢という舞台をVRならではの身体的な操作へ結びつけている点が、本作を特徴づけています。

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【編集部後記】

VRゲームは映像を見るだけでも十分に非日常感がありますが、そこに「触る」「探す」「撃つ」といった身体的な操作が加わると、体験の印象は大きく変わりそうです。『Dream Hackers VR』のように、夢の世界そのものへ入り込む感覚を重視した作品には、VRならではの面白さを感じます。まだプレビュー段階ではありますが、こうした作品が増えていけば、VRゲームの体験はさらに豊かになっていきそうです。

実際にどこまで「その世界にいる」と感じられるのか、今から製品版を触ってみたくなります。


【用語解説】

SteamVR
Valveが提供するPC向けVRプラットフォーム。対応するVRヘッドセットをPCへ接続し、Steamで配信されるVRゲームやアプリを利用するための基盤。『Dream Hackers VR』はSteam上でVR専用タイトルとして掲載されている。

PC VR
PCのGPUやCPUを使ってVRコンテンツを動作させる利用形態。スタンドアロン型VRヘッドセット単体で処理する方式とは異なり、対応PCとの組み合わせを必要とする。

ローグライト
プレイを繰り返しながら、ランごとに異なる状況や装備の組み合わせを楽しむゲーム設計を指すことが多い。『Dream Hackers VR』の現行公式サイトでは「VR ACTION-ADVENTURE ROGUELITE」と表記されている。

Steam Link
PCで動作しているSteamのゲームを対応機器へストリーミングするValveの技術・アプリ。Meta Questなどの対応VRヘッドセットでは、SteamとSteamVRを実行するPCからVRゲームをワイヤレスでストリーミングできる。

生成AIコンテンツの開示
Steamでは、ゲーム制作に生成AIを使用した場合、開発者がその用途を説明する欄が設けられている。『Dream Hackers VR』では、ボイスオーバー制作とローカライズを補助する目的で生成AIツールを利用し、AI支援コンテンツは開発チームが確認していると開示されている。

【参考リンク】

Dream Hackers VR|Steam(外部)
ゲーム内容、対応言語、対応VRヘッドセット、動作環境、生成AI利用に関する開示などを掲載する公式ストアページ。現在、発売日は「未定」と表示されている。

Dream Hackers VR — Live the Unwritten(外部)
『Dream Hackers VR』の現行公式サイト。夢の世界、武器やアーティファクト、ポーション、パズルなど本作の基本的なゲーム内容を紹介している。

Dream Hackers VR|公式YouTubeチャンネル(外部)
『Dream Hackers VR』の映像を公開する公式YouTubeチャンネル。ゲームのシュールな夢世界や戦闘などのビジュアルを確認できる。

【参考記事】

Dream Hackers VR|Steam(外部)
武器やアーティファクトを組み合わせるゲームシステム、夢世界の探索、対応言語・機器、PC動作環境、生成AIを音声制作とローカライズの補助に利用していることを確認できる公式製品ページ。

Meta、HTC、PICOヘッドセット用のSteamリンク|Steamサポート(外部)
Steam Linkを利用してPCからMeta Quest、HTC Vive Focus、PICOなどへVRゲームをストリーミングするためのValve公式説明。

Steam Remote Play|Steam(外部)
Steam LinkやRemote Playの仕組み、対応機器、PCやネットワークの利用条件などを説明するValve公式ページ。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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