AIで作ったアプリをコマンド一つで公開|GMOペパボの「ロリポップ!デプロイナウ」が提供開始

[更新]2026年7月2日

Googleで優先するソースとして追加するボタン

AIとアプリを作れる時代になった今、公開の一歩手前で足が止まった経験はないでしょうか。国内サービスならインフラ知識、海外サービスなら言語と通貨の壁。そのどちらでもない選択肢とは、一体何なのでしょうか。


GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社は、AIエージェントと作成したWebアプリをコマンド一つで公開できるホスティングサービス「ロリポップ!デプロイナウ byGMOペパボ」を2026年7月2日より提供開始した。

Claude Codeなどのアプリケーション対応で、deployコマンドの実行のみでWebアプリの構築から公開URLの発行までが自動完了する。料金はFreeプラン(無料)と、月額980円(税込)のPersonalプランの2種類。対応フレームワークは現時点でNext.jsのみで、React、Vite、Vue.js、Nuxt.js、Astroなどへの対応を順次拡大予定。UI・ドキュメント・サポートはすべて日本語で、決済は円建ての定額制。独自ドメインの設定は「ムームードメイン byGMOペパボ」で取得したものを含め、Freeプランから利用可能。

今後はGitHub連携のプッシュ自動デプロイ機能や、チーム開発向け「Businessプラン」(2026年10月頃提供予定)の追加も予定している。

From: 文献リンクAIと作ったWebアプリをすぐに公開できるホスティングサービス「ロリポップ!デプロイナウ byGMOペパボ」提供開始

【編集部解説】

「作る」が身近になった一方で、置き去りにされていた「公開する」

Claude CodeやCursorといったAIコーディングツールの急速な普及により、エンジニアだけでなく、プログラミング経験の少ない人でもWebアプリを作れる時代になりました。「何を作るか」を言葉で伝えれば、コードそのものはAIが書いてくれます。ここで下がったのは、あくまで「コードを書く」ハードルです。

一方、書き上がったコードを実際にインターネット上で誰かに見せる、つまり「公開する」段階には、コードを書く作業とは異質な種類の知識が要求されます。ビルド設定、環境変数の登録、独自ドメインのDNS設定、SSL証明書の扱いといった作業は、AIエージェントに「アプリを作って」と頼んだだけでは身につかない領域です。GMOペパボは、この段階に依然として専門知識が必要であり、「作ったものをすぐに見せたい」というニーズに応えられる環境が不足していたと説明しています。

この分野で主流とされてきたフロントエンドホスティングサービスの多くは海外製です。つまり、「サーバーを借りる」こと自体は国内で完結できても、「作ったアプリを簡単に公開する」という体験を求めた瞬間、選択肢は海外製のPaaS型サービスに絞られてしまいがちという構造がありました。

「公開する」段階に残っていたハードルは実質的に二重構造でした。国内サービスを選べば専門的なインフラ知識が必要になり、それを避けて簡単さを取れば海外サービスの言語・通貨・料金体系という別の壁にぶつかる。この両方を回避する選択肢が、これまでほとんどなかったことになります。

「ロリポップ!デプロイナウ byGMOペパボ」が埋める範囲

「ロリポップ!デプロイナウ byGMOペパボ」は、Claude CodeをはじめとするAIエージェントに対応し、deployコマンドを実行するだけでWebアプリの構築から公開URLの発行までを自動で完了させるホスティングサービスです。2026年7月2日より提供が開始されました。

料金はFreeプラン(無料)と、月額980円(税込)のPersonalプランの2種類です。独自ドメインの設定はFreeプランから可能で、「ムームードメイン byGMOペパボ」で取得したドメインを設定することもできます。「今いくら使っているか」を都度確認する必要がある従量課金と比べると、毎月固定額を把握できるという点は、インフラの知識がないユーザーにとって心理的なハードルを下げる設計だと言えます。

一方で、現時点で公式に対応しているフレームワークはNext.jsのみです。React、Vite、Vue.js、Nuxt.js、Astroなどへの対応は順次拡大予定とされており、現段階でこれらのフレームワークで開発したアプリをそのまま公開することはできません。「作る」段階でAIエージェントが対応できる技術の幅に対して、「公開する」段階の対応範囲はまだ限定的というのが現状です。商用利用については、Free・Personal両プランともに認められています。

GMOペパボのAIエージェント対応の流れの中に位置づけられるサービス

GMOペパボは、2026年4月に「ロリポップ!AIエージェントクラウド byGMOペパボ」という別のサービスも提供開始しています。これは、AIエージェントをサーバー構築の専門知識なしにブラウザ上の操作だけで稼働させられる機能でした。今回の「デプロイナウ」は、この流れに連なる形で、AIエージェントと作ったものを「公開」する工程を担うサービスとして位置づけられています。

GMOペパボは、国内の事業者・クリエイターがデータ主権を確保しながらAIエージェント時代を歩めるよう、国産インフラの提供を推進するとしています。日本語UI・円建て定額制という設計は、この方針に沿ったものと見ることができます。

【関連記事】

ロリポップ!AIサイトエージェント登場—会話だけでWebサイトが完成する時代へ
GMOペパボが2026年4月に提供開始した、AIとの対話でサイト制作から公開までを完結させる姉妹サービス。今回の「デプロイナウ」がAIエージェントによる「公開」を担うのに対し、こちらは「制作」そのものをAIに任せる設計になっている点で対比できる。

ロリポップ!AIエージェントクラウドが登場|GMOペパボが「OpenClaw」「Hermes Agent」をノーコードで動かせるクラウドを提供開始
同じくGMOペパボが2026年4月に提供したAIエージェント実行基盤。本記事の編集部解説で触れた「AIエージェント対応の流れ」の直接の前段にあたる記事。

Notionの「公開する」が危ない—2022年から続く認証不要APIによる個人情報漏洩の実態
「公開する」という操作の裏側に潜むリスクを扱った記事。本記事のテーマと呼応する内容。

【編集部後記】

AIで作ったアプリをそのままワンタッチで公開できる。誰もが自分の理想のツールを作っては、すぐ共有できる仕組みは素晴らしいことです。ニーズが可視化されることで、大きなビジネスチャンスをつかむ人もいるかもしれません。

ですが、果たしてそのアプリがどう動いているのか、どんなリスクを抱えているのか、それすらわからなくても、全世界に向けて公開できてしまうことには、少し恐ろしさも感じます。


【用語解説】

AIエージェント
利用者の指示を受けて、複数の手順からなるタスクを自律的に実行するAIプログラムのこと。単に質問に答えるチャット型AIと異なり、ツールの操作や情報収集まで自ら行う。

デプロイ
作成したWebアプリやプログラムを、実際にインターネット上で公開・稼働できる状態にする作業のこと。本記事では、AIエージェントが生成したコードをロリポップのサーバーへ自動的に転送・公開する処理を指す。

Next.js
React(Meta社製のUIライブラリ)をベースにしたWebアプリケーション用フレームワーク。サーバーサイドレンダリングなどの機能を備え、現在フロントエンド開発で広く使われている。

CLI(コマンドラインインターフェース)
文字によるコマンド入力でコンピューターを操作する方式のこと。本記事では、ターミナル上でdeployコマンドを実行してWebアプリを公開する操作を指す。

【参考リンク】

ロリポップ!デプロイナウ byGMOペパボ(外部)
本記事で取り上げた新サービスの公式ページ。料金プランや対応フレームワーク、利用開始の手順を確認できる。

ムームードメイン byGMOペパボ(外部)
GMOペパボが運営する国内最大級の独自ドメイン取得サービス。デプロイナウで公開したアプリに独自ドメインを設定する際に利用できる。

Claude Code(Anthropic公式)(外部)
本記事で言及したAIコーディングエージェントの公式製品ページ。機能や利用方法を確認できる。

【参考記事】

Vercel Pro Plan|Vercel公式ドキュメント(外部)

Credit-based pricing plans|Netlify公式ドキュメント(外部)

海外のフロントエンドホスティングサービスの例

Googleで優先するソースとして追加するボタン
投稿者アバター
りょうとく
趣味でデジタルイラスト、Live2Dモデル、3Dモデル、動画編集などの経験があります。最近は文章生成AIからインスピレーションを得るために毎日のようにネタを投げかけたり、画像生成AIをお絵描きに都合よく利用できないかを模索中。AIがどれだけ人の生活を豊かにするかに期待しながら、その未来のために人が守らなけらばならない法律や倫理、AI時代の創作の在り方に注目しています。