Last Updated on 2024-11-24 09:22 by admin
Microsoftは2024年11月23日、PC画面を自動的にスクリーンショット化し、過去に見た内容を検索できる新機能「Recall」のテスト提供を開始した。
機能概要
- 対象:Qualcomm Snapdragonチップ搭載のCopilot+ PC
- 要件:Windows Insider Programのdevチャンネルに登録済みのPC
- 機能:画面の自動スクリーンショット保存と検索
開発経緯
- 2024年5月:機能発表
- 2024年8月:10月のテスト提供を予告
- 2024年11月23日:テスト提供開始
セキュリティ対応
- データベースの暗号化を実施
- デフォルト設定をオフに変更
- Windows Hello認証を導入
現状の制限事項
- AMD・Intel搭載PCでは未対応
- アクセシビリティプログラムとの互換性に制限
- 特定のウェブサイトでのブロック機能が不完全
- Microsoft Edge使用時の制限あり
テスト版での技術的課題
- スクリーンショットの間隔:最大数分
- テキスト検索の精度:約25%の検出率
- 画像内容認識の制限:一般的な物体の検出が不完全
- 画面切替:1枚あたり2-3秒の読み込み時間
from:Microsoft is finally testing its Recall photographic memory search feature. It’s not perfect
【編集部解説】
Microsoftが導入を進めるRecall機能は、AIによる「写真のような記憶」を実現する画期的な技術です。Qualcomm Snapdragonチップに搭載された神経処理ユニット(NPU)を活用しています。
この技術は、単なるスクリーンショットの保存機能ではありません。AIが画像内のテキストや視覚的な要素を理解し、自然言語での検索を可能にします。例えば「先週見た青いドレス」といった曖昧な記憶でも、関連する画面を瞬時に呼び出すことができます。
当初の設計に対して深刻なセキュリティ上の懸念が指摘されましたが、Microsoftは以下の対策を実装しています:
- データベースの暗号化
- Windows Hello生体認証による保護
- オプトイン方式への変更
- プライベートブラウジングやDRMコンテンツの除外
特筆すべきは、すべての処理がローカルで行われる点です。Azure AIによる解析も端末内のAppDataフォルダで実行され、クラウドへの情報送信は行われません。
この技術は個人の生産性向上だけでなく、デジタルフォレンジック分野でも革新的な可能性を秘めています。しかし、セキュリティ研究者が開発したTotalRecallツールの存在が示すように、新たな脅威も存在します。