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GPT-4o、ついにネイティブ画像生成機能を公開 – OpenAIの最新アップデートがユーザーを驚かせる

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-03-27 20:14 by admin

OpenAIは2025年3月25日、ChatGPTにGPT-4oのネイティブ画像生成機能を追加したと発表した。この新機能はPlus、Pro、Team、Free利用者向けに提供が開始され、近くEnterprise、Eduユーザー、およびAPI経由でも利用可能になる予定である。

主な特徴と機能

GPT-4oの画像生成機能は以下の特徴を持っている

  • テキストを画像内に正確にレンダリングする能力
  • 自然な会話を通じて画像を洗練させる機能
  • 最大10〜20の異なるオブジェクトを含む複雑なプロンプトに対応
  • 以前の画像やテキストを基に構築し、視覚的一貫性を確保
  • 様々な芸術スタイルをサポート(フォトリアリズムからスタイライズされたイラストまで)

技術的背景
GPT-4oは2024年5月に発表されたマルチモーダルモデルで、テキスト、画像、音声を処理・生成できる。「o」は「omni(オムニ)」の略で、複数のモダリティを統合していることを示している。これまでChatGPTの画像生成はDALL-E 3が担当していたが、今回の更新でGPT-4oが直接画像生成を行うようになった。

安全性対策
OpenAIは生成されたすべての画像にC2PAメタデータを含め、AI生成であることを識別できるようにしている。また、内部検索ツールを構築してAI生成画像を検出し、有害なコンテンツをブロックするための厳格な保護措置を設けている。

提供状況
この新機能はOpenAIのCEOであるサム・アルトマンによって「創造的自由の新たな高水準」と表現され、ChatGPTのPlus、Pro、Team、Free利用者向けに提供が開始された。Enterprise、Eduユーザー、およびAPI開発者向けにも近日中に展開される予定である。

from:‘Insane’: OpenAI introduces GPT-4o native image generation and it’s already wowing users

【編集部解説】

GPT-4oのネイティブ画像生成機能の登場は、AIによるクリエイティブ表現の新たな地平を開くものといえるでしょう。これまでのAI画像生成は、DALL-EやMidjourneyのように専用モデルが担ってきましたが、GPT-4oではテキスト生成と画像生成が同じモデル内で統合されています。

この統合がもたらす最大の革新は、会話の文脈を理解した上で画像を生成できる点にあります。例えば、長い会話の中で構築されたキャラクターや世界観を、そのまま画像として視覚化することが可能になります。これは単なる「テキストから画像への変換」を超えた、「対話を通じたビジュアル創造」と言えるでしょう。

特に注目すべきは、画像内のテキスト処理能力です。従来のAI画像生成モデルでは、画像内に正確なテキストを配置することが大きな課題でした。文字が崩れたり、意味不明な文字列になったりすることが頻繁に起こっていました。GPT-4oではこの問題が大幅に改善され、看板やメニュー、招待状など、テキストを含む画像の生成精度が飛躍的に向上しています。

ビジネス面での活用も広がりそうです。マーケティング担当者がブランドガイドラインに沿った画像を会話感覚で生成したり、教育者が授業で使用する教材をその場で視覚化したりといった使い方が考えられます。特に、複数の要素を正確に配置する能力は、インフォグラフィックスやダイアグラムの作成に役立つでしょう。

一方で、課題も残されています。元記事でも触れられているように、大きな画像のトリミング問題や非ラテン文字の処理精度、細かいテキストの明瞭さなどには改善の余地があります。また、編集の精度についても、画像の特定部分を修正する際に他の要素に意図せず影響が出ることがあるようです。

著作権や倫理面での懸念も無視できません。OpenAIはGPT-4oの画像生成機能がどのようなデータで訓練されたかについて詳細を明らかにしていません。ウェブからスクレイピングされたアートワークが含まれている可能性が高く、その中には著作権で保護されているものも含まれているかもしれません。これは、アーティストコミュニティとの摩擦を生む可能性があります。

安全性への取り組みとして、OpenAIはすべての生成画像にC2PAメタデータを含め、AI生成であることを識別できるようにしています。また、有害なコンテンツの生成を防ぐための保護措置も講じられています。しかし、技術の進化とともに、偽情報の拡散や悪用のリスクも高まる可能性があり、継続的な監視と改善が必要でしょう。

GPT-4oのネイティブ画像生成機能は、AIとクリエイティブ表現の関係を再定義する可能性を秘めています。テキストと画像の境界を越えた新しい表現方法が生まれ、私たちのコミュニケーションや創造のあり方に大きな影響を与えることになるかもしれません。テクノロジーの進化を見守りながら、その可能性と課題について考え続けることが重要ではないでしょうか。

【編集部追記】

ちなみに、この記事のアイキャッチ画像はGPT-4oネイティブ画像生成によるものです。(検索)マークがオンになっている時はネイティブ生成が動作しませんでした(3/26 9:30時点)

【用語解説】

マルチモーダルAI
テキスト、画像、音声、動画など複数の種類のデータ(モダリティ)を一度に処理できるAIモデルのこと。GPT-4oの「o」は「omni(オムニ)」の略で、「すべての」「普遍的な」という意味を持つ。従来の単一のデータ形式だけを処理するモデル(シングルモーダルAI)と異なり、人間のように様々な情報を総合的に理解できる。

C2PAメタデータ
Content Authenticity Initiative(CAI)が推進する技術標準で、デジタルコンテンツの出所や編集履歴を証明するためのメタデータ。AI生成画像に埋め込むことで、その画像がAIによって生成されたものであることを示す「デジタルパスポート」のような役割を果たす。

ネイティブ画像生成
AIモデルが外部の画像生成モデルを使わずに、自身の内部機能として直接画像を生成する能力のこと。GPT-4oの場合、テキスト生成と同じモデルから画像も生成できるため、会話の文脈を理解した上でより適切な画像を作成できる。

マルチオブジェクトバインディング
複数の異なるオブジェクトを画像内の適切な位置に正確に配置する能力。従来のAI画像生成モデルでは多くのオブジェクトを正確に配置することが難しかったが、GPT-4oでは一度に10〜20のオブジェクトを適切に配置できるようになっている。

【参考リンク】

OpenAI(外部)
GPT-4oやDALL-E 3を開発するAI研究企業。ChatGPTを提供し、安全で有益なAGIを目指している。

ChatGPT(外部)
OpenAIが提供する対話型AI。無料版と月額$20のPlus版、$30のTeam版、$200のPro版がある。

Microsoft Bing Image Creator(外部)
MicrosoftのBingが提供する画像生成サービス。DALL-E 3技術を利用した無料サービス。

【編集部後記】

皆さん、AIの進化は日々加速していますね。GPT-4oの新機能を使えば、「こんな画像が欲しい」と思いついたらすぐに会話感覚で生成できます。例えば、プレゼン資料の図解やSNS投稿用の画像など、どんな場面で活用できそうですか?また、AIが作る画像と人間が作る画像の境界線はどこにあると思いますか?ぜひSNSでアイデアや感想をシェアしてください。皆さんの創造力とAIの可能性が出会うとき、どんな未来が広がるのか、一緒に考えていきましょう。

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TaTsu
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