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『トロン:アレス』初トレーラー解禁 ─デジタルからリアルへ越境するAIが示す近未来の境界線

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-04-07 10:37 by admin

ディズニーが映画『トロン:アレス』の初トレーラーを2025年4月5日に公開した。この作品は『トロン:レガシー』(2010年)の続編で、『トロン』フランチャイズの第3作目となる。公開日は2025年10月10日に設定されている。

トレーラーは1分半の長さで、ジャレッド・レトが演じる「アレス」というデジタル世界のプログラムが物理的な形を得て現実世界に入り込む様子を描いている。トレーラーでは、アレスがライトサイクルに乗って警察から逃走し、光の軌跡を武器として使用するシーンや、巨大な飛行船が都市上空に浮かぶシーン、人間の航空機とトロン世界からの戦闘機との空中戦などが映し出される。

音楽はナイン・インチ・ネイルズが担当し、トレーラーの最後にはジェフ・ブリッジスがケビン・フリン役を再演し「準備はいいか?もう後戻りはできないぞ」というナレーションで締めくくられている。

映画のストーリーは、高度に進化したプログラム「アレス」が危険なミッションのために現実世界に送り込まれ、人類が初めてAI存在と遭遇する物語を描く。

監督はヨアキム・ローニングが務め、キャストにはジャレッド・レト、ジェフ・ブリッジス、グレタ・リー、エヴァン・ピーターズ、ハサン・ミンハジ、ジョディ・ターナー=スミス、アルトゥロ・カストロ、キャメロン・モナハン、ジリアン・アンダーソンらが名を連ねている。

映画の撮影は2024年1月にカナダのバンクーバーで始まり、5月に終了した。当初は2023年8月に製作開始予定だったが、全米脚本家組合(WGA)とSAG-AFTRAのストライキにより延期された。

from Tron: Ares blends the real world with the digital in its first trailer

【編集部解説】

『トロン:アレス』の初トレーラーを見て、思わず「おっ!」と声が出てしまいました。1982年の『トロン』、2010年の『トロン:レガシー』に続く最新作が、ついに動き出したんです。

このトレーラーが特別なのは、単にビジュアルがカッコいいからじゃありません。デジタル世界のプログラムが現実世界に飛び出してくるという設定が、今のAI時代にピタリとハマっているからなんです。

考えてみてください。ChatGPTやMidjourney、Claudeなど、私たちは日々デジタルの「知性」と会話し、創作物を生み出してもらっています。『トロン:アレス』は、そんなAIが実際に物理的な形を取ったらどうなるか?という問いを投げかけているわけです。

ジャレッド・レト演じる「アレス」は高度に進化したプログラム。彼が現実世界に送り込まれ、ライトサイクルで警察から逃げ回るシーンは圧巻です。光の軌跡を武器として使うビジュアルは、『トロン』シリーズならではの美学を継承しつつも、現代的な質感に進化しています。

音楽面も見逃せません。前作ではDaft Punkが担当し大ヒットしましたが、今回はナイン・インチ・ネイルズが抜擢されました。トレント・レズナーとアティカス・ロスのダークでインダストリアルなサウンドが、この映画の世界観にどう溶け込むのか。これだけでもワクワクしますよね。

トレーラーの最後に流れるジェフ・ブリッジスの「準備はいいか?もう後戻りはできないぞ」というセリフ。これは単なるカッコいいフレーズではなく、私たちが今まさに直面しているAI革命への警句にも聞こえます。テクノロジーの進化は止められず、私たちはその波に乗るしかないのかもしれません。

『トロン:アレス』が興味深いのは、AIやデジタル技術を単に「悪者」として描くのではなく、その複雑な側面を探求しようとしている点です。アレスというキャラクターが「敵」なのか「味方」なのか、そもそも人間とAIの境界線はどこにあるのか—そんな問いが物語の核心にありそうです。

2025年10月の公開まで、まだ少し時間がありますが、このトレーラーを見る限り、『トロン:アレス』は単なるノスタルジー頼みの続編ではなく、現代のテクノロジー環境を反映した新鮮な作品になりそうです。デジタルとリアルの境界が溶け合う世界で、私たちは何を選択するのか—その答えを探る旅が、もうすぐ始まります。

【用語解説】

トロン(TRON)フランチャイズ: 1982年に始まったディズニーのSF映画シリーズ。コンピューターの内部世界(グリッド)と現実世界を舞台にした作品。

ライトサイクル: 映画『トロン』シリーズに登場する二輪車型の乗り物。後方に光の軌跡を残し、これが壁となって相手を閉じ込めたり攻撃したりする武器にもなる。

グリッド(The Grid): 映画内でのデジタル世界の呼称。コンピュータープログラムが人型の姿で存在する仮想空間。

プログラム(Program): 映画内でのAIキャラクターの呼称。コンピューターのプログラムが人型の姿を取ったもの。

ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails): 1988年にアメリカのクリーブランドで結成されたインダストリアルロックバンド。トレント・レズナーとアティカス・ロスが中心メンバー。

【参考リンク】

ディズニープラス(Disney+)(外部)ディズニー作品を配信する公式ストリーミングサービス。『トロン』シリーズの過去作品も視聴可能。

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乗杉 海
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