Last Updated on 2024-11-28 10:33 by admin
LINEが2025年1月から30種類のミニDapps(分散型アプリケーション)をメッセージングアプリ内で提供開始し、2025年第1四半期末までに計150種類まで拡大する計画を発表した。
主な事実は以下の通り:
提供内容と規模
- 対象ユーザー:LINEの1億9600万人のアクティブユーザー(日本、台湾、タイ、インドネシア)
- ゲーム(主力コンテンツ)
- ソーシャルアプリ
- DeFi(分散型金融)アプリ
- AIチャットDapps
技術基盤
- Kaiaブロックチェーン(2024年8月29日正式ローンチ)
- 1秒のブロック生成時間を実現
- LINE NEXTのNEXT WEB SDKを使用
from:Line, With an Eye on Telegram’s In-App Games Success, to Launch Mini Dapps Next Year
【編集部解説】
LINEの新たなWeb3戦略について、いくつかの重要な点を解説させていただきます。
まず注目すべきは、LINE NEXTが主導するこのプロジェクトの規模感です。LINEは日本、台湾、タイ、インドネシアを中心に1億9600万人のアクティブユーザーを抱えていますが、LINE NEXTの発表によると、実際のチャットユーザー数は20億人規模に達しているとのことです。
このプラットフォームの技術基盤となるKaiaブロックチェーンは、LINEのFinschiaとKakaoのKlaytnが統合して誕生した新しいL1ブロックチェーンです。開発者向けには最大120万ドル(約1.8億円)の助成金を提供する1000万ドル規模の支援プログラム「Kaia Wave」も用意されています。
特筆すべきは、ユーザー体験を重視した設計です。従来のWeb3サービスでは必要だった複雑なウォレット設定や別アプリのダウンロードを不要とし、LINEのIDだけで利用できる仕組みを採用しています。これはTelegramのミニアプリの成功モデルを参考にしたものと考えられます。
また、DeFiやAIチャットなどの機能も提供予定ですが、特にゲームに注力している点は興味深いです。これはTelegramでNotcoin、Hamster Kombat、X Empire、Catizenなどのゲームが成功を収めている事例を踏まえたものでしょう。
ビジネス面では、2022年のNFTマーケットプレイス展開時の教訓を活かし、投資目的ではなく実用的な価値提供に重点を置いている点が注目されます。
この展開は、Web3技術の大衆化における重要なマイルストーンとなる可能性があります。特に、アジア地域でのブロックチェーン技術の普及に大きな影響を与えることが予想されます。
ただし、規制面での課題も考えられます。各国のデジタル資産規制や、ゲーム内通貨に関する法規制との整合性について、今後の動向を注視する必要があるでしょう。