Last Updated on 2024-10-23 11:17 by admin
Googleセキュリティブログでサイバーセキュリティ啓発月間の一環として、AndroidでGoogleメッセージを使用する際の安全を確保するための5つの新しい保護機能が紹介された。
主な新機能は以下の通り:
1. 強化された詐欺検出機能
– パッケージ配送や求人関連の詐欺メッセージを検出
– オンデバイスの機械学習モデルを使用
2. 危険なリンク対策の強化
– 不明な送信者からのリンクを警告
– インド、タイ、マレーシア、シンガポールでの試験運用を経て、2024年後半にグローバル展開
3. 国際送信者からのメッセージ制御
– 連絡先に登録されていない国際番号からのメッセージを自動的にスパムフォルダーへ
– シンガポールで先行導入
4. センシティブコンテンツ警告
– ヌード画像を検出し自動的にぼかし処理
– Android 9以降のデバイスで利用可能
5. 連絡先の公開鍵認証システム
– QRコードまたは番号比較による認証
– 2025年にAndroid 9以降のデバイスで導入予定
現在、Google Messagesは月間20億件の不審なメッセージから10億人以上のユーザーを保護している。
from 5 new protections on Google Messages to help keep you safe
編集部解説
Googleが発表したGoogle Messagesの新機能は、昨今増加するメッセージング詐欺への包括的な対策といえます。特に注目すべきは、これらの機能がすべてオンデバイスで動作する点です。
プライバシーを重視する現代において、メッセージの内容をクラウドにアップロードせずに保護できる仕組みは、ユーザーの信頼性を高める重要な要素となっています。
シンガポールでの実証実験データによると、2024年前半だけでSMS詐欺が700件以上報告されており、その大半が海外からの攻撃でした。このような状況を踏まえ、国際番号からのメッセージを自動的にブロックする機能は、特にアジア地域での詐欺対策として効果が期待できます。
センシティブコンテンツ警告機能については、未成年者の保護を重視し、18歳未満のユーザーではデフォルトで有効になる設計となっています。これは、リベンジポルノなどのデジタル性暴力対策としても機能するでしょう。
公開鍵認証システムの導入は、WhatsAppなど他のメッセージングアプリでも採用されている技術です。この標準化により、異なるアプリ間でもセキュアな通信が可能になることが期待されます。
参考情報
用語解説
– RCS (Rich Communication Services)
スマートフォンの標準メッセージングを進化させた規格。従来のSMSに比べ、既読確認や入力中表示、高画質な写真/動画の送信などが可能です。LINEのような機能をキャリアメッセージで実現するイメージです。
– オンデバイス機械学習
クラウドではなく端末内で完結する AI 処理。プライバシー保護の観点から重要です。家の中で考えごとをするようなもので、外に情報が漏れません。