ノートPCに18.5インチの画面を4枚足して、合計5面。それを、コンセント1つとケーブル数本でまかなうという構成です。ただ、対応OSからはIntel Macが外れ、macOSでは専用アプリの導入が要る。派手なスペックの裏で控えめに書かれたこの条件こそ、この製品が4枚をどう映しているのかを物語っています。
ソースネクスト株式会社は2026年7月16日、クラウドファンディングサービス「Makuake」で「DIGI+18.5インチクアッドディスプレイシステム DGP-QDS1801」の応援購入受付を開始した。18.5インチ・フルHD(1,920×1,080)のIPSパネルを採用した拡張ディスプレイを最大4枚追加でき、ノートパソコンと組み合わせて最大5画面の作業環境を構築できる。
各画面はUSB Type-C(給電用・映像出力用)を備え、電源は65W USB PD対応アダプターを採用する。一般販売予定価格は199,800円(税込)で、Makuakeでは25%OFFの149,800円など先着・数量限定の4コースを用意した。プロジェクトは8月15日に終了し、国内発送は9月末開始を予定する。企画・販売はソースネクスト株式会社、製造・サポートはJENESIS株式会社が担当する。
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ノートパソコンと組み合わせて、最大5画面の作業環境を構築「DIGI+18.5インチクアッドディスプレイシステム」本日よりMakuakeで応援購入の受付を開始

※アイキャッチや画像はソースネクストMakuakeより引用
【編集部解説】
「モニターを1枚足す」ではなく、「4枚まとめて足す」。ソースネクストの新製品は、その発想の飛躍がおもしろいプロダクトです。
まず押さえておきたいのは、これが同社の思いつきではなく、実績の延長線上にある一手だという点です。ソースネクストは2026年4月、ノートPCの左右に14インチ画面を足す「DIGI+14インチデュアル拡張ディスプレイ」をMakuakeで先行販売し、応援購入総額1,300万円超を集めました。その後、7月には自社サイトでの一般販売にも踏み切りました。つまり今回の「18.5インチ×4枚・最大5画面」は、先行する14インチデュアルモデルで示された「持ち運べる多画面」という方向性を、さらに大規模な構成へ展開した製品と見ることができます。
なぜ今、この製品なのか。背景には、働く場所が固定されなくなった時代に、画面領域だけがノートPCのフタのサイズに縛られ続けているという問題意識があります。オフィスのデスクなら当たり前だったデュアル・トリプルモニター環境が、カフェでも出張先でも自宅でも同じようには再現しにくい。この「環境の落差」を、据え置きモニターを増やすのではなく、ノートPCを中心に画面を集約して埋める、というのが本製品の設計思想です。
編集部が注目したのは、接続方式の技術的な巧みさです。本製品は各画面にUSB Type-Cを2系統(給電用・映像出力用)備え、電源は65W USB PD対応アダプター1つでシステムを駆動します。ここで思い出したいのが、多くのノートPCでは、映像出力に対応したType-CやHDMIを4系統も同時に扱えるわけではないという事実です。それでも4枚を駆動できる仕組みの鍵は、スペック表に控えめに書かれた一文にあります。
「macOSでのご使用には専用アプリのインストールが必要」「Intel製チップ搭載のMacでは使用できない」。
Makuakeの接続手順では、USB Type-A端子しかないパソコンでも付属のType-A to Type-Cケーブルを利用できると案内されています(一方で同ページのFAQにはType-C映像出力対応PCが必要との記載もあり、USB-A接続時の条件は公式説明上、必ずしも明確ではありません)。また、macOSでは専用アプリを介して本体側の外部ディスプレイ数の制限を回避すると説明されています。ここから、DisplayLinkなどに類似するUSBグラフィックス技術(PC上で生成した画面データをUSB経由で各ディスプレイへ送る方式)を採用している可能性が考えられます。ただし、ソースネクストは採用している技術やチップ、専用アプリの名称を公表しておらず、特定技術の採用は確認できていません。この点は、編集部による技術的な推測にとどまることをお断りしておきます。
対応OSがWindows 11とApple Silicon搭載Mac(macOS 11以降)に限られ、Intel Macが外れている点も、購入前に確認したいポイントです。裏を返せば、本製品は比較的新しいWindows/Mac環境に対象を絞った、割り切りのある設計だと言えます。なお、MakuakeのFAQによると、4画面の実機での動作確認はM1 ProおよびM2 Pro搭載機で行われており、無印のM1・M2・M3搭載機では確認していないとされています。手持ちの機種が対応範囲に入るかどうかは、Makuakeや公式製品ページの仕様欄で確かめておくのが確実です。
可能になることは明快です。資料の突き合わせ、表計算ソフトの広域表示、複数ウィンドウの並列、オンライン会議と手元メモの同時進行——これまで1画面のなかで何度も切り替えていた情報を同時に表示でき、画面を切り替える回数を減らせます。フルHD(1,920×1,080)の拡張画面4面に、ノートPC本体の画面を加えた最大5画面という情報量は、トレーダーやエンジニア、動画編集者、あるいは複数タブを行き来し続けるリサーチワークにとって、体感の変わる差になり得ます。
一方で、冷静に見ておきたい点もあります。18.5インチ4枚を組み上げた状態は相応の物理サイズと重量になり、ディスプレイ1台あたり約1.1kg×4枚にスタンド約1.7kgを加えると、主要部品だけでも約6kgに達します。専用リュックが付属するとはいえ「毎日カフェへ」という軽量モバイル用途とは方向性が異なります。パネルはsRGBカバー率72%、リフレッシュレート60Hz、HDR非対応と、色域や高速表示を突き詰めた仕様ではありません。あくまで「情報量を広げる」ための拡張画面であり、厳密な色管理を要するプロの現場のメイン機や、高フレームレートを要するゲーミング用途を主眼とした製品ではない——この線引きは、購入を検討する読者が最初に確認すべきポイントです。
そして価格。一般販売予定価格199,800円は、拡張ディスプレイとしては軽い金額ではありません。ただ、18.5インチのモバイルモニターを4枚別々に揃え、電源とケーブルを個別に用意する手間を思えば、「4枚+電源+スタンド+運搬手段」を一体で設計したパッケージという見方もできます(個別購入との厳密な価格比較は、同等サイズ・輝度・保証をそろえた実勢価格の調査が必要です)。ここをどう評価するかは、多画面を「あったら便利」と捉えるか「生産性を左右する仕事道具」と捉えるかで、答えが分かれるはずです。
クラウドファンディングという売り方自体にも、時代の空気が表れています。据え置きモニターではなく、「持ち運べる多画面」という新しい使い方を、応援購入という形で世に問う。DIGI+シリーズがデュアルからクアッドへと段階的に画面を増やしてきた軌跡は、この製品カテゴリー自体がまだ形づくられている途中であることを物語っています。なお、本製品のMakuakeプロジェクトは7月16日に受付を開始しましたが、本記事執筆時点(7月17日)では、用意された4コースがいずれも「受付終了」と表示されています。今後の入手方法や一般販売の時期については、公式サイトの案内を確認するのが確実です。
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【編集部後記】
気になったのは、4画面の動作確認がM1 ProとM2 Proでしか取られていない、という一点です。対応をうたうApple Silicon Macは幅広いのに、5画面をフルに動かせると明言されているのは、その2つだけ。無印のM1・M2・M3では確認されていません。
USB経由で映像を送る方式は、本体のGPUに描画の負荷を肩代わりさせます。だとすれば、チップの余力が画面枚数の上限を決めているのではないか。同じ「Apple Silicon対応」でも、手元の機種が何枚まで実用に耐えるのか——購入ボタンを押す前に、そこだけは確かめておきたいところです。
【用語解説】
クアッドディスプレイ
4枚のディスプレイを並べて使う多画面環境のこと。本製品では18.5インチの拡張ディスプレイ4枚を指す。ノートPC本体を加えると合計5画面になる。
USB PD(USB Power Delivery)
USB Type-C端子を通じて電力を供給する規格。機器間で電圧や電力を調整してやり取りする。本製品は最大65Wの電源アダプターを採用し、複数ディスプレイの電源をType-C中心に整理している。
USB Type-C
上下の向きを問わず挿せる小型のUSB端子。対応する機器・ポート・ケーブルの組み合わせでは、1本で給電・データ通信・映像出力を兼ねられる。本製品は各画面に給電用と映像出力用の2系統を備える。
IPSパネル(IPS方式)
液晶ディスプレイの表示方式の一つ。斜めから見ても色や明るさが変化しにくく、視野角が広いのが特徴で、複数人での画面共有や横並びの多画面表示に向く。本製品は視野角上下左右約85度を公称する。
フルHD(1,920×1,080)
横1,920×縦1,080画素の解像度を指す一般的な呼称。本製品は追加する4画面それぞれがこの解像度を備える。
sRGBカバー率
ディスプレイが表示できる色の範囲を、標準的な色空間「sRGB」と比較して示す指標。本製品は72%。厳密な色管理を要する用途では、色域以外の要素も含めた仕様確認が必要になる。
リフレッシュレート
1秒間に画面を書き換える回数。単位はHz。本製品は60Hzで、一般的な事務・閲覧作業には対応するが、高フレームレートを要するゲーミング用途に特化した仕様ではない。
USBグラフィックス技術(DisplayLinkなど)
PC上で生成した画面データをUSB経由で送り、本体側の映像出力端子や同時出力数の制限を越えて画面を増やす技術の総称。DisplayLinkはSynaptics社が提供する代表的なブランドの一つ。本製品がどの技術を採用しているかは公表されていない。
クラムシェルモード
ノートPCのフタを閉じたまま、外部ディスプレイだけで使う状態のこと。一部のMacでは、このモードでないと複数の外部画面を拡張表示できない制約がある。
応援購入 / クラウドファンディング
購入代金を支払い、製品の完成後にリターンとして製品を受け取る仕組み。本製品はMakuakeで、数量限定・割引付きのコースを通じて資金と需要を集めながら販売する。配送遅延などのリスクもある。
【参考リンク】
DIGI+18.5インチクアッドディスプレイシステム(Makuakeプロジェクトページ)(外部)
本製品の応援購入受付ページ。価格・コース・スケジュール・仕様などの一次情報が掲載されている。
ソースネクスト株式会社 公式サイト(外部)
本製品の企画・販売元。ソフトウェアやIoT機器など、国内外から厳選した製品・サービスを扱う。
DIGI+(デジプラス)ブランドサイト(外部)
ソースネクストが展開するデジタル製品ブランドの公式サイト。拡張ディスプレイやカメラなど製品の一覧を確認できる。
DIGI+ 製品ページ(ソースネクスト内)(外部)
「最適な性能と価格のバランス」を掲げるDIGI+ブランドの、ソースネクスト公式サイト内の紹介ページ。
DIGI+14インチデュアル拡張ディスプレイ 製品ページ(ソースネクスト内)(外部)
先行する14インチデュアルモデルの製品ページ。Macのチップ世代で拡張表示できる画面数が変わる旨がFAQに記載されている。
JENESIS株式会社 公式サイト(外部)
本製品の製造・サポートを担うEMS企業。IoT機器の開発・製造を手がけ、総実績600機種以上を掲げる。
Makuake(マクアケ)(外部)
本製品が先行販売される、アタラシイものや体験を扱う応援購入サービス。
【参考記事】
ノートPCに18.5インチ×4枚を追加して最大5画面へ|ソースネクスト「DIGI+18.5インチクアッドディスプレイシステム」Makuakeで応援購入開始(Smart Watch Life)(外部)
価格199,800円、最大25%割引の4コース、期間や発送予定など数値と日程を確認できるガジェットメディアの記事。
これはイカれてる、ノートPCが最大5画面に!ソースネクストがMakuakeにて18.5インチディスプレイを追加できる拡張システムの応援購入の受付を開始(Leveluplogy)(外部)
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Makuakeで応援購入総額1300万円を突破した「DIGI+14インチデュアル拡張ディスプレイ」本日より弊社サイトで販売を開始(ソースネクスト/PR TIMES)(外部)
先行する14インチデュアルモデルが2026年4月に1,300万円超を集め、7月6日に一般販売を開始した実績を示す公式プレスリリース。
14インチデュアル拡張ディスプレイ(ソースネクスト公式製品ページ・FAQ)(外部)
14インチデュアルモデルはHDMIまたはType-Cによる映像接続を用い、Macのチップ世代で外部出力数が変わると案内する公式FAQ。
DisplayLink Graphics(Synaptics)(外部)
USBグラフィックス技術DisplayLinkの提供元による公式解説。WindowsやmacOSなど対応環境を確認できる。












