Asobi: Remote Play|Steam DeckでPS Plus Premiumのクラウドゲーム、PS5本体なしでもプレイ可能

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Steam Deckで遊べるのは、Steamのゲームだけではなくなるかもしれません。サードパーティー製アプリ「Asobi」がPlayStationのクラウドストリーミングに対応し、携帯型ゲーミングPCを複数のゲームサービスへの入口として使う選択肢が広がっています。


サードパーティー製アプリ「Asobi: Remote Play」のSteam Playtestが、Steam Deck、Steam Machine、Linux向けに始まった。

PS4/PS5からのRemote Playに加え、PlayStation Plus Premiumのクラウドストリーミングに対応し、対象ユーザーはPS5本体なしでも対応ゲームをプレイできる。テスト中は1080p/60fps、HDR、最大4Kアップスケーリング、ハプティクスなどのPremium機能を利用可能。正式版のPremium料金は現時点で明らかになっていない。

From: 文献リンクSteam Deck PS5 streaming app Asobi|Eurogamer

【編集部解説】

Asobi: Remote Playは、所有するPS4やPS5へ接続してゲームをストリーミングするRemote Playクライアントです。Steamの製品ページでは、基本機能として1080p/30fpsのSDRストリーミング、自動ビットレート調整、インターネット経由のRemote Playなどが案内されています。

しかし、今回特に注目したいのは、条件を満たしたユーザー向けのクラウドストリーミング対応です。

通常のRemote Playでは、ゲームを実行するPS4またはPS5本体が必要です。Sonyの公式PS Remote Playも、Windows PCやMacからPS5またはPS4本体を操作する仕組みとして提供されています。

一方、クラウドストリーミングではゲームの実行をクラウド側に任せられるため、対応タイトルであれば手元のPS5をゲームの実行元として用意する必要がありません。SonyもPlayStation Plus プレミアム加入者向けに、対応するPS5タイトルをPS5やPlayStation Portalへ直接ストリーミングするサービスを提供しています。

ここにSteam Deckという選択肢を加えようとしていることが、Asobiの特徴です。

Sonyには携帯型のPlayStation Portalがあります。現在のPS Portalでは、PS5へのRemote Playに加え、PlayStation Plus プレミアムを利用した対象PS5ゲームのクラウドストリーミングも利用できます。自分のデジタルライブラリーにある対応ゲームを直接ストリーミングすることも可能です。

そのため、「PS5本体なしで携帯端末からPlayStationのゲームをクラウドプレイする」という体験そのものは、Asobiが初めて実現するものではありません。

違いは端末です。

AsobiのSteamページにはSteamOS 3.0以上に加え、Windows 11の動作要件も掲載されています。ただし、現在実施されているPlaytestはSteam Deck、Steam Machine、Linux環境が対象です。開発者はWindows版についても今後追加する予定としています。

すでにSteam Deckを所有しているユーザーなら、PCゲーム用の携帯端末とPlayStationのストリーミング端末を1台にまとめられる可能性があります。これはAsobiの仕様から読み取れる利用上の利点であり、専用端末を追加購入する必要性を小さくする選択肢になり得ます。

画質面ではPremium機能との切り分けに注意

Asobiの基本機能では1080p/30fps、SDRでのストリーミングが案内されています。一方、1回限りのアプリ内購入で提供予定の上位機能には、HDR、1080p/60fps、対応ディスプレイでの最大4Kアップスケーリング、最大120fps出力、低遅延モード、手動ビットレート調整、コントローラーのハプティクスなどが含まれています。

ただし、Asobi Premiumの価格は現時点で発表されておらず、正式リリース日も「Coming soon」とされています。

したがって、基本機能だけでどこまで快適に使えるのか、Premiumの価格がどの程度になるのかは、利用を検討する上での未確定要素として残っています。

Sony公式サービスではない点は押さえておきたい

もう一つ重要なのが、AsobiはSony Interactive Entertainmentが開発・提供する公式クライアントではないことです。

Steamの製品ページでも、AsobiはPS4/PS5向けRemote Playクライアントであり、Sony Interactive Entertainmentとは提携しておらず、承認も受けていないと明記されています。また利用にはPlayStation Networkアカウントが必要です。クラウドストリーミングには、有効なPlayStation Plus プレミアム契約も必要となります。

Sonyの現在の公式ページでは、PS5ゲームのクラウドストリーミング先としてPS5とPlayStation Portalが案内されていますが、Steam DeckやSteamOSは公式対応端末として記載されていません。

つまりAsobiは、Sonyが公式にSteam Deck向けサービスを始めたというニュースではありません。あくまでサードパーティーの開発者が、PlayStationのストリーミング環境をSteamOS搭載端末まで広げようとしているアプリです。

それでも、PCゲームを遊ぶSteam DeckとPlayStationのクラウドゲームを同じ携帯端末で扱えるようになれば、ユーザーがゲームごとにハードウェアを持ち替える必要は少なくなります。Asobiの面白さは新しいゲーム機を作ることではなく、すでにあるSteam Deckを複数のゲームサービスへアクセスする端末として使おうとしているところにあると言えます。

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【編集部後記】

Steam Deck上でPS5のゲームを遊ぶという時点で、かなりギーク心をくすぐられます。「本来そういう使い方をする端末じゃないけど、つなげたら動くよね」という発想が、いかにもPCゲーミング文化らしくて面白いです。公式の枠組みだけで完結せず、ユーザー側で遊び方を拡張していく余地があるのもSteam Deckの魅力でしょう。
実用性はもちろんですが、こういう“できるからやってみる”タイプの試みに私は弱いです。Asobiは、携帯型ゲーミングPCが単なるSteam専用機ではないことを改めて感じさせてくれるアプリだと思います。


【用語解説】

Remote Play(リモートプレイ)
PS4/PS5で実行しているゲームの映像や音声をネットワーク経由で別の端末へ送り、遠隔操作する機能。ゲーム自体はPlayStation本体側で実行される。

クラウドストリーミング
ゲームを手元のゲーム機やPCではなくクラウド側のサーバーで実行し、映像・音声をインターネット経由で端末へ配信する方式。今回のAsobiでは、通常のRemote Playとは異なり、対応ゲームであればPS5本体を実行元として必要としない点が重要となる。

SteamOS
ValveがSteam Deckなどで採用するLinuxベースのOS。Asobi: Remote PlayのSteamページではSteamOS 3.0以上が動作要件として記載されている。

ハプティクス
振動などによって触覚情報をユーザーへ伝える技術。Asobiの上位機能では、対応コントローラーのハプティクスが機能として案内されている。

【参考リンク】

Asobi: Remote Play|Steam(外部)
Asobi: Remote PlayのSteam製品ページ。Steam Playtestへの参加、対応OS、基本機能、上位機能、動作要件などを確認できる。

PlayStation クラウドストリーミング|PlayStation(外部)
PlayStation Plus プレミアムで利用できるPS5ゲームのクラウドストリーミングについて、対応端末、通信環境、対象ゲームなどを案内するSony公式ページ。

Steam Deck|Valve(外部)
Valveの携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」の公式サイト。Steam Deck OLEDを含むモデル、ハードウェア、SteamOSなどの情報を確認できる。

【参考記事】

PS5でクラウドストリーミング|PlayStation(外部)
PlayStation Plus プレミアム加入者向けクラウドストリーミングの公式案内。PS5とPS Portalでの対応状況、必要な通信速度、対象ゲームや対応地域を確認できる。

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PC / MacでPS Remote Playを使用する方法|PlayStation Support(外部)
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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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