Powerbeats Pro 2発表:イヤホンで心拍数モニタリング、Apple H2チップ搭載で45時間駆動を実現

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Appleは2025年2月11日、Beats製品の新型完全ワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro 2」を発表した。

主な製品仕様

価格:39,800円(税込)
発売日:2025年2月13日
カラー:ジェットブラック、クイックサンド、ハイパーパープル、エレクトリックオレンジの4色展開

バッテリー駆動時間

・イヤホン単体:最大10時間(ANCオフ時)、8時間(ANCオン時)
・充電ケース併用:最大45時間(ANCオフ時)、36時間(ANCオン時)

新機能と特徴

・心拍数モニタリング機能:LEDセンサーが毎秒100回以上のパルスで血流を測定
・Apple H2チップ搭載
・アクティブノイズキャンセリング機能
・外音取り込み機能
・ワイヤレス充電対応
・IPX4等級の耐汗・耐水性能
・本体重量:8.7g(前モデルから20%軽量化)
・充電ケース:69g(前モデルから33%小型化)

from Apple brings heart rate monitoring to Powerbeats Pro 2

【編集部解説】

Powerbeats Pro 2は、単なるワイヤレスイヤホンの進化系ではありません。これは、私たちの耳が「生体センサーのプラットフォーム」となる未来の始まりを告げる製品です。

心拍数モニタリング機能の搭載は、実はとても理にかなっています。耳の組織は血管が豊富で、光学センサーによる測定に最適なのです。さらに、運動中でも安定したデータ取得が可能という利点があります。この特性は、将来的により多様なバイオメトリクスセンサーの搭載可能性を示唆しています。

注目すべきは、このデバイスがもたらす「パッシブヘルスケア」の概念です。ユーザーは意識的な操作なしに、音楽を楽しみながら自然に健康データを収集できます。これは、ウェアラブルデバイスの理想形の一つと言えるでしょう。

さらに興味深いのは、H2チップの存在です。このチップは単なるオーディオプロセッサーではありません。機械学習能力を備えた小型AIプラットフォームとして機能し、将来的には収集したバイオデータのリアルタイム分析や、ユーザーの状態に応じた最適な音響環境の自動調整なども可能になるでしょう。

また、このデバイスはメタバースやAR/VRの世界においても重要な役割を果たす可能性を秘めています。生体データと空間オーディオを組み合わせることで、よりインタラクティブで没入感のある体験を実現できるかもしれません。

【用語解説】

H2チップ
Appleが開発した独自のオーディオプロセッサです。H1チップの後継で、10億個のトランジスタを搭載し、ノイズキャンセリングや空間オーディオの処理能力が2倍に向上しています。

心拍数モニタリング(PPG方式)

Powerbeats Pro 2に搭載された心拍センサーは、PPG(PhotoPlethysmoGraphy:光電容積脈波)方式を採用しています。これは、皮膚表面にLEDの光を照射し、血管内のヘモグロビンによる光の反射・吸収量の変化を測定することで心拍を検出する技術です。

毎秒100回以上のLEDパルスを発信し、血流の微細な変化を捉えることで、運動中でも医療グレードに近い精度での心拍測定を実現しています。耳の組織は血管が豊富で皮膚が薄いため、手首や腕よりも正確な測定が可能です。

さらに、AI技術との組み合わせにより、モーションアーティファクト(体の動きによるノイズ)を効果的に除去し、激しい運動中でも安定した測定を可能にしています。この技術は、将来的に血中酸素濃度(SpO2)や血圧などの測定にも応用できる可能性を秘めています。

【参考リンク】

  1. Beats by Dre 公式サイト(外部)
    Powerbeats Pro 2の製品情報や詳細仕様を確認できます。最新の製品情報とサポート情報を提供
  2. Apple AirPods Pro 公式サイト(外部)
    H2チップ搭載製品の先駆けとなったAirPods Proの詳細情報を確認できます

【参考動画】

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