Last Updated on 2024-06-28 09:16 by admin
ディセントラライズド(分散型)臨床試験を手掛けるScience 37が、診断スタートアップのeMedとの取引により非公開化することが発表されました。この取引により、Science 37のかつての10億ドルの評価額は、eMedとの全現金取引により3800万ドルの株式価値にまで減少します。eMedは、パンデミック中の2020年に自宅でのCovid-19検査で人気を博したテレヘルスおよび診断会社です。eMedはScience 37を1株あたり5.75ドルの現金で買収すると発表しました。この取引は、Science 37の前営業日の終値に対して21.3%のプレミアムを表しています。ノースカロライナ州の同社の株式は、取引開始前に約17%上昇しました。
【ニュース解説】
分散型臨床試験を手がけるScience 37が、診断スタートアップ企業のeMedとの取引により非公開化されることが発表されました。この取引により、Science 37の評価額はかつての10億ドルから3800万ドルへと大幅に減少し、eMedはScience 37を1株あたり5.75ドルで全現金で買収することになります。この買収価格は、Science 37の前営業日の終値に対して21.3%のプレミアムが付いています。
このニュースは、分散型臨床試験という新しい形態の臨床試験の分野における大きな動きを示しています。分散型臨床試験は、参加者が自宅など、自分の好きな場所で臨床試験に参加できるようにすることで、参加者の利便性を高め、より多くのデータを収集することが可能になります。このような試験は、特にパンデミックのような状況下で、臨床試験の継続を可能にする重要な手段となり得ます。
eMedは、パンデミック中に自宅でのCovid-19検査キットで注目を集めた企業です。この買収により、eMedは分散型臨床試験の分野における自社の立場を強化し、新たな診断ツールや治療法の開発においてより大きな役割を果たすことができるようになると考えられます。
この取引のポジティブな側面としては、分散型臨床試験の技術と診断ツールの組み合わせにより、より迅速かつ効率的な医療サービスの提供が可能になることが挙げられます。一方で、このような大規模な買収が市場に与える影響や、個人情報の取り扱いなど、潜在的なリスクについても考慮する必要があります。
規制に関しては、分散型臨床試験の普及に伴い、参加者のプライバシー保護やデータの安全性を確保するための新たなガイドラインや法規制の整備が求められるでしょう。将来的には、この取引が分散型臨床試験の分野におけるイノベーションの加速に寄与し、より多くの患者にとって利便性の高い医療サービスの提供に繋がることが期待されます。
from Decentralized trials company Science 37 to go private in deal with diagnostics startup eMed.