2025年の主な流星群は、デルタ・アクエアリッド流星群が7月18日から8月21日に活動し、極大は7月30日21時UTCで1時間あたり最大20個の流星が観測できる。
ペルセウス座流星群は7月17日から8月24日に出現し、極大は8月12日20時UTC(日本では8月13日5時頃)、条件が良ければ1時間あたり90個以上の流星が見られる。
ドラコニッド流星群は10月6日から10日に活動し、極大は極大は10月9日午前4時頃(日本時間)。
オリオニッド流星群は10月2日から11月7日に活動し、極大は10月21日21時頃(日本時間)、1時間あたり20個程度。
南・北トーリッド流星群は9月23日から12月2日にかけて活動し、極大時は両群合わせて1時間あたり10個程度の流星が見られる。
ふたご座流星群は12月4日から12月17日に活動し、極大は12月14日17時頃(日本時間)で、条件が良ければ1時間あたり120個の流星が観測できる。
こぐま座流星群は12月13日から24日に活動し、極大は12月22日11時UTCとされる。
From:
Meteor shower guide 2025: Next up is the Delta Aquariids
【編集部解説】
2025年の流星群観測は、月齢や天候、地理的条件に大きく左右される年です。デルタ・アクエアリッド流星群は南半球で特に好条件となり、7月下旬から8月上旬にかけて観測のチャンスが広がります。ペルセウス座流星群は例年人気ですが、今年は満月直後の月明かりが強く、最も明るい流星以外は見えにくくなります。トーリッド流星群やドラコニッド流星群も極大と月明かりが重なり、観測には工夫が必要です。一方、ふたご座流星群は極大時に月明かりの影響が少なく、1時間あたり120個もの流星が期待できます。
近年、観測技術は大きく進歩しています。高感度カメラやAIによる自動観測ネットワーク、スペクトル観測、複数地点での同時観測、さらにはARやVRを活用した体験型プラットフォームも登場し、専門家だけでなく一般市民も高品質な観測データにアクセスできるようになっています。これにより、流星群の突発的な活動や母天体の軌道解析、微細な流星痕の検出など、科学的な理解が大きく進みました。今後もAIやIoT、宇宙からの観測データ活用が進み、流星現象の理解と体験の幅がさらに広がると期待されます。
【用語解説】
- 流星群:彗星や小惑星の塵が地球大気に突入し発光する現象。毎年決まった時期に出現する。
- 極大:流星群の活動が最も活発になる時刻や日。
- 放射点:流星群の流星が空の一点から放射状に現れるように見える場所。
- 火球:特に明るい流星。金星より明るいものを指す。
- 永続痕:流星が通過した後に残る、数秒間光るイオン化ガスの痕跡。
- AI観測ネットワーク:人工知能を活用し、流星や天文現象を自動検出・解析する観測システム。
- スペクトル観測:流星の発光スペクトルを解析し、成分や発生プロセスを解明する手法。
- AR/VR天文体験:拡張現実・仮想現実技術を活用し、流星群や天文現象をリアルに体験できるサービス。
【参考リンク】
【参考動画】
【参考記事】
【編集部後記】
流星群の観測は、宇宙の広がりや自然の神秘を身近に感じられる貴重な体験です。年々気温が上昇し、暑い日が続いていますが、進化した観測技術をきっかけに、涼しい夜空の下で神秘的な現象を体験してみてはいかがでしょうか。流星群を眺めるだけでなく、テクノロジーと宇宙がどのようにつながっているのかを感じてみるのも、新たな発見につながるかもしれません。