Last Updated on 2024-08-21 23:42 by admin
中国のゲーム開発会社Game Scienceが制作したアクションRPG『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』が、2024年8月20日に世界同時発売された。発売から24時間以内に、Steamプラットフォームでの同時接続プレイヤー数が220万人を突破し、シングルプレイヤーゲームとしては史上最高記録を達成した。
Steamでの平均プレイヤー数は発売後30時間で120万人を維持し、総プレイ時間は3720万時間に達した。また、Steamでの販売ランキングで1位を獲得し、18万件以上のレビューのうち97%が好評価だった。
Twitchでの視聴時間は発売以来700万時間を超え、Metacriticではユーザーとクリティックの両方から10点満点中8点以上の評価を得ている。
『Black Myth: Wukong』は中国の古典『西遊記』をモチーフにしたゲームで、PlayStation 5、Steam、Epic Games Store、WeGameで販売されている。この成功は、中国国内で開発されたゲームが西洋市場に進出できる可能性を示している。
from:Black Myth Wukong peaks at 2.2M players on Steam on first day
【編集部解説】
『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』の成功は、中国ゲーム業界にとって大きな転換点となる可能性があります。これまで中国のゲーム開発は、主に国内市場や一部のアジア市場を対象としていましたが、今回のグローバルな成功は、中国のゲームスタジオが世界市場で競争できることを示しています。
この成功の背景には、高品質なグラフィックスと中国の伝統文化を融合させた独特の世界観があります。西遊記という世界的に知られた物語をベースにしながら、現代的なゲームプレイを組み合わせることで、東西の文化を橋渡しする役割を果たしています。
一方で、この成功には課題も伴います。ゲームの内容に関する規制や表現の自由に関する問題が指摘されています。開発元のGame Scienceは、政治的な話題や特定のテーマを避けるよう協力者に要請したとされており、これは表現の自由に関する議論を呼び起こしています。
技術面では、『Black Myth: Wukong』はUnreal Engine 5を使用しており、中国のゲーム開発技術が世界水準に達していることを示しています。これは今後、中国のゲーム産業全体の技術力向上につながる可能性があります。
経済的な影響も見逃せません。この成功は、中国のゲーム産業への投資を促進し、新たな雇用を生み出す可能性があります。また、文化輸出の新たな形として、中国の文化や価値観を世界に発信する手段となるかもしれません。
しかし、長期的な視点では、このような成功が持続可能かどうかが課題となります。単発のヒットで終わらせないためには、継続的な品質の維持と新たな創造性の発揮が求められるでしょう。
また、グローバル市場での成功は、中国のゲーム産業に対する国際的な注目度を高めることにもつながります。これは、ゲーム開発における倫理的な問題や労働環境などにも目が向けられる可能性があることを意味します。
『Black Myth: Wukong』の成功は、中国のゲーム産業にとって大きな一歩ですが、同時に新たな挑戦の始まりでもあります。今後、この成功をどのように持続させ、発展させていくかが注目されるでしょう。