Last Updated on 2024-11-13 08:53 by admin
イタリアのスタートアップ企業Artinoise社が、スマートフォンやタブレット、PCをデジタル管楽器として使用できる新製品「Zefiro(ゼフィロ)」を2024年11月12日に発表した。
製品の主な特徴:
- USB-C接続のマウスピース型デバイス
- 32種類の楽器音色を搭載
- リップセンサーと空気圧センサーで息の強さを検知
- 専用アプリを通じて音量とピッチをコントロール
- アプリには呼吸練習機能、ループ機能、録音・共有機能を搭載
価格設定:
- Kickstarter支援者価格:22ユーロ(約3,600円)
- 一般販売予定価格:42ユーロ(約6,800円)
開発企業情報:
- 企業名:Artinoise
- 所在地:イタリア
- 代表者:Davide Mancini(創業者兼CTO)
- 過去の製品:デジタルリコーダー「re.corder」
発売予定:
- 出荷開始:2024年1月下旬〜2月上旬
- 販売地域:世界規模で展開予定
技術特許:
- 米国とイタリアで2件の特許出願中
追加予定機能:
- 2ヶ月ごとの新機能追加を予定
- カスタマイズ可能なインターフェース
- 別売のハンズフリーヘッドピースを開発中
アプリ対応:
- iOS(App Store)とAndroid(Google Play Store)で無料配信予定
- デバイス購入者のみが全機能を利用可能
from:This USB-C mouthpiece turns your phone into a musical instrument
【編集部解説】
デジタル楽器の新たな可能性を切り開く「Zefiro」は、従来のMIDIブレスコントローラー市場に革新をもたらす製品です。
従来のMIDIブレスコントローラーは、Hornberg MIDI Breath Stationの899ドルに代表される高価格帯の製品でした。Zefiroは、この市場に22ユーロという破格の価格で参入します。
スマートフォンの処理能力を活用することで、専用ハードウェアを最小限に抑えたコスト削減を実現。さらに、専用アプリには呼吸練習機能、バックグラウンドノイズ機能、音声クリップの録音・共有機能など、充実した機能を搭載しています。
アクセシビリティ面では、センサーの感度を細かく調整可能な設計を採用。呼吸器系に課題がある方は、わずかな息で演奏できるよう設定を変更できます。別売のヘッドピースを使用すれば、完全なハンズフリー演奏も可能です。
オープンソース化により、音楽以外の活用も期待できます。例えば、スマートホームデバイスの制御(照明のオン/オフ、温度調節など)や、呼吸訓練アプリの開発など、幅広い応用が考えられます。
課題としては、USB-C端子の占有、充電との併用の難しさ、プロフェッショナル向けの精密なコントロールについては従来製品に及ばない可能性があります。
しかし、音楽教育やエンターテインメント分野での活用を考えると、その可能性は計り知れません。特に、デジタルネイティブ世代への新しい音楽体験の提供や、リハビリテーション分野での活用が期待されます。