AMD社は、次世代グラフィックスカード「Radeon RX 9070」シリーズを2025年3月6日に発売する。
主な要点は以下の通り:
- 発売モデル:Radeon RX 9070、Radeon RX 9070 XT
- アーキテクチャ:RDNA 4
- 価格帯:649ドルから849ドル(約97,000円から127,000円)
- メモリ仕様(RX 9070 XT):GDDR6 16GB、256ビットバス
- 発売日:2025年3月6日
- 製品発表イベント:2025年2月28日午前8時(米国東部時間)/2025年2月28日午後10時(日本時間)
from AMD’s next-gen GPUs to go on sale next month
【編集部解説】
AMDの次世代GPUとなるRX 9070シリーズについて、より詳細な解説をお届けします。
アーキテクチャと性能
RX 9070シリーズは、AMDの最新アーキテクチャRDNA 4を採用し、4nmプロセスで製造されます。これにより、前世代と比較して大幅な電力効率の向上が期待できます。特にRX 9070 XTは4,096ストリームプロセッサと64基のレイトレーシングコアを搭載し、最大2.97GHzのブーストクロックを実現します。
競合製品との比較
NVIDIAのRTX 5070 Tiと比較すると、シェーダーユニット数では2.2倍の差があり、理論性能では最大43.9 TFLOPSと81%の差が開いています。しかし、AMDは16GB GDDR6メモリという大容量メモリを採用することで、高解像度ゲーミングやコンテンツ制作での優位性を確保しようとしています。
新機能と技術革新
注目すべき新機能として、第2世代AIアクセラレータと第3世代レイトレーシングコアが搭載されます。特にFSR 4(FidelityFX Super Resolution 4)は、機械学習を活用した新しいアップスケーリング技術として期待されています。これはNVIDIAのDLSS 4に対抗する技術で、4K解像度でのゲーミング体験を向上させることが期待されます。
市場戦略
AMDは今回、ハイエンド市場ではなく、中~上位セグメントに焦点を当てています。価格は649ドルから849ドルの範囲と予想され、高性能を求めるユーザーに対して魅力的な選択肢となりそうです。特に1440pゲーミングと4Kゲーミングの入り口として、バランスの取れたポジショニングを目指しています。
消費電力と効率性
消費電力は329Wと報告されており、これは当初予定されていた265Wから増加しています。この変更は性能向上を優先した結果と考えられますが、依然として競合製品と比較して効率的な電力消費を実現しています。
将来性
3月6日の発売を控え、2月28日には詳細な仕様と価格が公開される予定です。AMDはこの製品で、ゲーミング市場における競争力を高めるだけでなく、AI処理能力の向上も実現しようとしています。特にコンテンツクリエーション分野では、大容量メモリを活かした優位性が期待できます。
【用語解説】
- RDNA 4:AMDの最新グラフィックスアーキテクチャ。4nmプロセスによる高効率設計
- GDDR6/GDDR7:グラフィックスカード用高速メモリ。新世代のGDDR7は大幅な帯域向上を実現
- FSR 4.0:AMDのAIベース画像品質向上技術。低負荷で高品質なアップスケーリングを実現