Last Updated on 2024-05-15 15:37 by admin
GoogleはHPと提携して、ヘッドセット不要の没入型ビデオ会議用に開発されたライトフィールドディスプレイ「Project Starline」を商品化すると発表した。このプロジェクトは2025年に商業化を開始し、分散したチームや個人が職場でつながることに焦点を当てる。
また、Googleは将来的にStarlineをGoogle MeetやZoomなどのビデオ会議サービスに対応させたいとしている。Project Starlineは2021年に初めて公開され、多数のセンサー、ライトフィールドディスプレイ、空間オーディオ、コンピュータビジョン、新しい圧縮技術を使用して、眼鏡不要の3Dチャット体験を提供すると説明された。
2022年には、GoogleがSalesforce、WeWork、T-Mobile、Hackensack Meridian Healthのオフィスにプロトタイプを設置し始めた。また、昨年のGoogle I/O開発者会議では、よりスリムな新しいStarlineユニットが披露された。GoogleとHPのStarlineパートナーシップやその他のXRプロジェクトについて、今年のGoogle I/O開発者会議でさらに詳細が明らかにされる予定である。
【編集者追記】用語解説
- ライトフィールドディスプレイ:物体から発せられる光線の方向と強度を再現することで、あたかもそこに実物があるかのように立体的に表示できるディスプレイ技術です。専用メガネなどを使わずに、自然な3D映像を見ることができます。
- 没入感:仮想空間に実際に入り込んでいるような感覚のこと。ライトフィールドディスプレイは、現実の物体と区別がつかないほどリアルな立体映像を再現することで、高い没入感を実現します。
- 空間オーディオ:音の位置や方向、距離感などの空間的な情報を再現する音響技術。ライトフィールドディスプレイと組み合わせることで、映像と音の一体感が高まり、よりリアルな体験が可能になります。
- Googleのプロジェクト「Starline」:Googleが開発中の次世代ビデオ会議システム。ライトフィールドディスプレイや空間オーディオ、AI技術を駆使し、遠隔地の人とあたかも同じ部屋にいるかのようなコミュニケーションを可能にします。2025年の商用化を目指しています。
【参考リンク】
Google Project Starlineオフィシャルサイト(外部)
【関連記事】
「マジックウィンドウ」でリモート会議が変革、GoogleとHPがProject Starlineを商業化へ
Googleの新AI「Veo」、ビデオ制作の未来を切り開く
Google、性能4.7倍のAIチップ「Trillium」発表!エネルギー効率も大幅向上
GoogleのAIスマートグラスが未来のコミュニケーションを変革!
Google、新型Gemini 1.5 Flash発表:高速タスク処理を実現
【ニュース解説】
GoogleはHPとの提携を通じて、ヘッドセットを必要としない没入型ビデオ会議用ライトフィールドディスプレイ「Project Starline」の商品化を進めると発表しました。この技術は、2025年から商業化が開始され、職場で分散したチームや個人がつながることを目的としています。さらに、将来的にはGoogle MeetやZoomなどのビデオ会議サービスにもStarlineのサポートを拡大する計画です。
Project Starlineは、多数のセンサー、ライトフィールドディスプレイ、空間オーディオ、コンピュータビジョン、新しい圧縮技術を駆使して、眼鏡なしで3Dチャット体験を提供することを目指しています。この技術は、2021年に初めて公開され、その後、GoogleはSalesforce、WeWork、T-Mobile、Hackensack Meridian Healthのオフィスにプロトタイプを設置し、実用化に向けたステップを踏んできました。
この技術の最大の特徴は、従来のビデオ会議システムと比較して、よりリアルな対面会議のような体験を提供する点にあります。ライトフィールドディスプレイを用いることで、参加者は立体的に他者を見ることができ、空間オーディオにより、音声も自然に聞こえます。これにより、遠隔地にいる人々とのコミュニケーションがよりスムーズに、かつ深いつながりを持って行えるようになります。
しかし、この技術の導入にはいくつかの課題も存在します。例えば、高度な技術を必要とするため、コストが高くなる可能性があります。また、現在のビデオ会議システムやインフラとの互換性や統合の問題も考慮する必要があります。さらに、プライバシーやセキュリティの面でも、新たな対策が求められるでしょう。
長期的な視点で見ると、Project Starlineのような技術は、遠隔勤務やオンライン教育、さらには医療やエンターテイメント業界においても、新たな可能性を開くことになるでしょう。リアルな対面交流の代替手段として、地理的な制約を超えたコラボレーションや学習、治療が可能になります。ただし、これらの進歩を実現するためには、技術的な課題の克服だけでなく、社会的な受容性や規制の整備も重要な要素となります。
GoogleとHPによるこの提携は、未来のコミュニケーション技術の一つの方向性を示しており、その実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。今後の開発と実用化の進展に注目が集まります。
from Google & HP Partner to Productize ‘Starline’ Light-field Display for Videoconferencing.