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XREAL One登場:自社開発X1チップ搭載で3ms遅延を実現、ARグラス新時代の幕開けへ

XREAL One登場:自社開発X1チップ搭載で3ms遅延を実現、ARグラス新時代の幕開けへ - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-02-25 14:30 by admin

アリババグループの支援を受けるXrealは、2023年12月6日(水)、同社初の自社開発チップ「X1」を搭載した新型ARグラス「Xreal One Series」を発表しました。

製品概要

• 新製品:Xreal One(499ドル)、Xreal One Pro(599ドル)
• 特徴:独自開発X1チップ搭載により外部接続デバイス「Beam」が不要に
• 開発:X1チップの開発期間は3年
• 目標:2025年までに50万台販売(2024年比で2倍)

from:Alibaba-backed Xreal launches augmented reality glasses with new chip as Meta rivalry heats up

【編集部解説】

ARグラス市場の新時代を告げるXreal Oneシリーズ

Xrealの新製品発表は、ARグラス市場における重要な転換点となる可能性があります。特に注目すべきは、独自開発のX1チップによって実現された3DoF(3自由度)のサポートです。

従来のARグラスでは、空間認識や画面の安定性に外部デバイスが必要でしたが、X1チップの搭載により、これらの機能をグラス単体で実現できるようになりました。モーションからフォトンまでの遅延(M2P)がわずか3ミリ秒という性能は、AppleのVision Proの12ミリ秒を大きく上回っています。

画質面では、Sony製0.68インチMicro-OLEDディスプレイを採用し、解像度1080p、リフレッシュレート120Hz、最大輝度600-700ニットを実現しています。これは映画館のような没入感のある視聴体験を可能にする仕様です。

特筆すべきは、重量わずか84グラムという軽量設計です。これはVision Proの約600グラムと比較すると、圧倒的な携帯性を誇ります。

価格設定も戦略的です。499ドルからという価格帯は、高級スマートフォンと同程度であり、一般消費者にも手の届く範囲に設定されています。

しかし、課題も存在します。CEOのChi Xu氏も認めているように、現状ではコンテンツの不足が最大の課題となっています。優れたハードウェアを基盤として、今後いかにしてエコシステムを構築していくかが成功の鍵となるでしょう。

市場展開については、すでにDr. Glassesと戦略的提携を結び、中国国内100店舗での販売網を確保しています。グローバル展開も積極的で、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、チェコ、オランダ、日本、韓国など、主要市場での販売が予定されています。

長期的な視点では、このような軽量かつ高性能なARグラスの登場は、私たちの日常生活やワークスタイルに大きな変革をもたらす可能性があります。特に、モバイルワークやエンターテインメント分野での活用が期待されます。

ただし、プライバシーや長時間使用による健康への影響など、新たな課題も考慮する必要があります。TÜV Rheinlandのブルーライトカット認証を取得するなど、メーカー側も安全性への配慮を示していますが、実際の使用における影響については、今後の研究や実証データの蓄積が必要でしょう。

【用語解説】

  • X1チップ
    XREALが3年かけて開発した独自プロセッサーです。モーションからフォトンまでの遅延がわずか3ミリ秒という高性能を実現しました。
  • 3DoF/6DoF
    3DoFは3軸の回転のみを検知、6DoFは回転に加えて位置の移動も検知できる技術です。

【参考リンク】

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TaTsu
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